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『毎日』が魅力的。ドイツの森の幼稚園とは?

「森の幼稚園って、本当に一日中外で過ごしているの?」

はい、その通りです!

雨の日も雪の日も、春夏秋冬、保育時間中はほぼ外で過ごす、それが森の幼稚園です。

このnoteでは、ドイツの森の幼稚園について超ざっくりわかります!(森の幼稚園とは?子どもは何人いるの?いくら?どんな一日なの?)

ドイツの森の幼稚園とは?

スウェーデンがルーツの、Waldkindergarten(ヴァルトキンダーガーデン:森の幼稚園)もしくはNaturkindergarten(ナチュアキンダーガーデン:自然幼稚園)は幼稚園形態の一つである。森の幼稚園には、3 〜6歳の子どもが教育・保育を受ける。たいていの活動は、固定された建物の外で、主に森のなかで行われる。(引用先:Wikipedia Waldkindergarten

ドイツでは1993年に州政府に認定され、2000以上の森の幼稚園があります(2018年時点)。保育時間は一日およそ6時間、週5日。ドイツでは「保育園」はありませんので、保育が必要な子どもも「幼稚園」に通います。

とても寒い日や嵐など危険な天候以外、一日中自然の中で過ごします。雨の日はbauwagen(建設用トレーラー)で遊べる園もあるので、園によって多少の違いはあります。森の幼稚園は、基本は一日中外ですが、年中「外だけ!」みたいな鬼幼稚園ではありません。

​通常、一つのグループ(日本でいうクラス)は異年齢混合3歳~6歳までの子ども達が15人~20人にいます。多くの場合は、教諭2人(メイン教員と教員補助)と実習生1人で保育します。

幼稚園料金は50ユーロ~200ユーロ/一か月です(日本円で6,200円~24.800円)。この料金差は、3つの違いから生じます。➀各自治体の助成金による違い(ドイツは州の権限が強く、教育制度も州に応じて異なります。ベルリンは3歳以下の保育料無料、ミュンヘンは子ども手当が手厚い、ライプツィヒやシュトゥットガルトでは幼稚園費用が安いなど。)②森の幼稚園の運営主体の違い。私立、市町村もしくは保護者運営かで異なります。(市町村運営や保護者運営の場合、50ユーロ~100ユーロが多いです。)③保育時間による違い。ともあれ、他の幼稚園と比べて「森の幼稚園」は保育料が安いです。何故なら建物がいらず、建設用トレーラーと森があれば良いからです。

日本の森のようちえんとの違い

森のようちえん(もりのようちえん、ドイツ語: Waldkindergarten)は、自然の中での幼児教育を行う運動や団体を指す。森林の中で子供が感性を研ぎ澄ませ、自然との関わりを学ぶことができる[1]。日本には2011年(平成23年)時点で約70か所存在する[2]。(引用先:Wikipedia 森のようちえん

日本で「森のようちえん」は全国に179施設あります(2014年時点)。『森のようちえん全国ネットワーク』では「森のようちえん」を『自然体験活動を基軸とした子育て、保育、乳児・幼児期教育の総称』と定義し、通常の幼稚園形態だけでなく、自然学校や学童クラブ等も「森のようちえん」として広義に捉えています。

ドイツの森の幼稚園の一日

7:30~9:00…登園

9:00…朝の会

9:30…朝ごはん(お弁当)

10:00…自由あそび or 森へ散歩 (日によって、工作など実施)

12:00…お迎え(昼食なしの子ども)

13:00…昼食 

14:00~15:00…お迎え 

開園時間は森の幼稚園によって異なります(8時30分開園の園も)。朝の会では、歌、挨拶、読み聞かせ、集団遊び、本日の予定連絡などします。

朝ごはんの時間は、朝食を食べていない子どもの為に設けられたとか。お弁当は、サンドイッチ(サラミとチーズなど簡単なサンドイッチ)や生野菜(きゅうり、にんじん)、ナッツ、果物など。

自由遊びでは、春には色とりどりの花で遊び夏には森の木陰の涼しさを体感し秋は落ち葉のクッションに寝転び冬はそりで雪滑りをして遊びます。雨の日は樹木から流れ落ちる雨が滝のようで美しく、雪の日は真っ白な絨毯に感動します。私は、ずっと寒い冬が嫌いでしたが、森の幼稚園で働いて冬も好きになりました。「悪い天気」なんてなくて、毎日が魅力的です。自然の面白さや美しさは子ども達から教わりました。

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(倒木した木の根っこも利用した秘密基地。ちゃんと椅子もあるんです。)

日によって工作もしますが、子どもは工作をしたい場合のみ参加します。工作は、できるだけ自然素材を使います。

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(枝と松ぼっくりで作った曼荼羅

昼食は、給食配給車の給食と保護者が担当制で作る園があります。給食は、子どもが好まないとき無理に食べる必要はありません。その時はお弁当の残りや園のクリスプ・ブレッド(クラッカー状のパン)を食べたりします。

工作にせよ、給食にせよ、子どもは「No!」を言っても良いです。保育の考え方として「子どもの決定権は、子ども自身にある。」と感じます。ただ、行事などは全ての子どもが参加するので、あの手この手で誘ったりしています(笑)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

ゆみアラレは、このnoteのおかげで初心を思い出しました。最近、知識を与える「先生」になろうなろうとしていましたが、森の幼稚園で子ども達と一緒に自然の面白さに気付き、驚き、感動していきたいと思っていた気持ち。レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』の「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないってこと。どこか上から目線になっていた自分を反省です。子どもも大人も『センス・オブ・ワンダー』。移りゆくかけがえのない日々を、子ども達に寄り添って過ごしていきたいと改めて思いました。

これからも「森の幼稚園」や教育、環境などについて発信していきます。宜しくお願いします😊

《見出し写真:wikipedia Waldkindergartenより》

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