海のはじまりで見る「有村架純かわいそう」の意見について
夏ドラマ『海のはじまり』にはまっている。
はまっているがゆえに、偶然見かけた『海のはじまり』にイライラする人多発…という記事に目がとまった。どうやら評価を下げる理由は、一言でいうと「有村架純(弥生さん)がかわいそう」らしい。
「大好きな目黒蓮が大嫌いになるかと思うくらい夏に幻滅、イライラしました」「弥生さん不憫すぎんか」
みたいな声がたくさんあるようだ。
この声にちょっとモヤモヤしている。
たしかに弥生さん、状況的には不憫というか巻き込まれてる感はある。いきなり彼氏に子どもがいたことが発覚するし、産んだ女性は亡くなってるわけだからもう一生勝てない気がするし、でも前向きに一緒に母親をやりたい的なことを提案したのに、子どもの祖母からは嫌味を言われてしまう。
たしかにかわいそうに見えるかもしれない。だけど、と思う。
だって弥生さんは自分ですべて選んでいる。
夏くんと付き合うことも、付き合い続けることも、突然現れた子どもに接触することも、母親的な存在になりたいということも。誰からもなにも強要されておらず、騙されたり嘘をつかれたりもしていない。
たしかに彼氏の元カノの母親から嫌味を言われるのはちょっと嫌だけど、だけど別に言い返すことだってできるのだ。ブチギレたっていい。
かわいそうじゃなくね?
わたしは「かわいそう」って、結構ひどい言葉だと思っている。わたしも言われたことがあるからだ。何度もある。だけどわたしはいつだって、「〇〇だからかわいそう」の「〇〇」はそんなに辛くなく、「かわいそう」の方に傷ついてきた。
3話では、夏が海ちゃんに「なんで泣かないの?」「なんで平気そうにしてるの?」と詰め寄るシーンがある。弥生さんは「やめなよ」と止めていたが、わたしはとても必要なやりとりだと思った。みんなが優しくて泣けないことってある。そして、悲しいときはちゃんと泣いたほうがいいと思う。
祖母が弥生さんに嫌味を言った件も、間違っているとは思わない。たしかに言葉を飲み込むこともできたとは思う。だけど飲み込まなかった。そして弥生さんは「でも、楽しかったです」と返した。そう返した弥生さんをわたしは「かわいそうな人」とは思わない。そういうコミュニケーションがあっただけ。そういう対人関係があるだけだ。
ドラマでは今のところ、人にいじわるをするような登場人物はいない。ある出来事を通して、様々なタイプの人間が出会い、それぞれの個性でコミュニケーションに挑んでいるだけである。今のところわたしが「かわいそう」だと思うのは、小さい我が子を残して死んでしまった水季だけだ。
いろんな人がいて、みんな自分の大切なものや気持ちと葛藤したり、折り合いをつけながら生きている。という目で観てみませんか?
わたしはそうやって、みんな必死でこの世を生きている同士なんだって思いながら、泣きながら楽しんでいます。