専業主婦から28歳で初就活!現在は同性パートナーと新しい家族を築くSさんの場合【母親インタビュー#5】
世の中の「母親」に、母・妻・娘・仕事人の4つの顔についてお話を伺う企画「母親インタビュー」。
第5回目は、20歳で出産し、長年の専業主婦を経て、28歳で離婚と就活をしてから波乱とユーモアに満ちた人生をおくるS.Mさん。(40代/20歳・14歳の母)
Sさんと出会ったのは、とあるお仕事のキックオフ的な集まり。第一印象からとっても明るく、快活な方だったので、話せば話すほどいろいろあって驚くばかり。ぜひ一度じっくりお話を聞きたいと今回取材をお願いしたら、なんと気付けば5時間くらい経っていたのでした(笑)。
専業主婦から28歳で就活し、4社を経て現在はフリーランス。そしてプライベートでは離婚後にトランスジェンダーのパートナーと出会い、新しい家族のあり方を築いたSさん。生身の人間の温かさが詰まった人生が本当におもしろく、今回の記事はとてもとても長いのですが、時間の許す限りお付き合いください。
Sさんの場合、すべてが複雑に絡み合っているので、今回はいつもと少し見出しが違っていますが、変わらずお好きなところから読んでいただければ幸いです。
妻として、娘として、仕事人として
ー専業主婦が長かったんですよね。就職しようと思ったきっかけはありますか?
S 20歳で長女を産んでから、ずっと専業主婦でした。家の家計は、元旦那+同居していた母の2本柱だったのですが、私が28歳のときに母親のがんが見つかり、就活することにしたんです。
ーそれまでお仕事経験はまったくなかったんですか?
S 母は芸能関係の仕事をしていたので、母のマネージャー的な仕事をしていました。送迎とか。だけど私は、いい年して母親からお小遣いをもらっていることが嫌だったから、働いてみたい気持ちはずっとあったんです。
ーなるほど。はじめての就活はどうでした?
S それが全然ダメ(笑)。やる気はあるし、小さい頃から割となんでもそつなくこなせるタイプだったから、なんとなく行ける気がしてたんだけど、いざ就職活動したら10社くらい落ちてしまって。当時下の子がまだ1歳だったから、どんなに協力があることを伝えても全然決まらなかったんです。
ー10社落ちてしまうのはショックですね。それからどうしたんですか?
S ある日、アグレをペラペラ見てたら、IT系の人材事業が目に留まりました。お給料をもらいながらITの研修が半年間受けられるという事業で、「こんな素晴らしい事業があるのか!」とすぐに問い合わせたんです。
ーその事業を活用して就活を?
S はい。だけどいざ研修が終わると、研修生2〜30名いる中で勝つには何を武器にすればいいだろうという壁にぶつかりました。さらに当時の私は、ただ就職できるだけではダメだったんです。実はその時、離婚も考えていたから、ひとりで子ども2人を育てるには13万円くらいの給料では無理だろうって。当時の沖縄は初任給13万が当たり前。そんな中で、技術も経験もない私が、最初から給与交渉をしなきゃいけない。ずっと武器を考えて、「英語」をアピールすることを思いつきました。
ー英語!
S IT経験は少ないけど、英語と掛け合わせれば需要があるかもしれないと思って。あらゆる会社に「英語経験が活かせる部署はありますか?」と聞いてまわったところ、英語が必要な部署を立ち上げるコールセンターに出会ったんです。英語ができる人がすぐ欲しい状況だったので、給与交渉をすることができて、初任給18万円で入社できました。
ー当時の沖縄ではかなりいい初任給ですよね。
S そう。でもまだ子どもふたりを育てるには足りないんだけどね。だけどスタートラインとしては良かった。それから1年ほど経った時、センターの責任者が結婚して東京に行くことになったんです。いずれセンターを見られるようになったらいいなと思っていたタイミングでした。そこで後任をどうするかという話し合いになったんですけど、今のパートナーであり当時の同僚だったNが私を推薦してくれて。
ー大抜擢!
S そうそう。「Sが一番ここが好きだからです」「今はまだ経験が足りなくても、うまく回せると思います」って言ってくれたんです。
ーそれはうれしい。
S 晴れて支店長になると、お給料がかなり上がりました。私が「これくらいはないと離婚できない」って思ってた金額だったので、昇進を機に離婚しました。
ーその後はシングルマザーですよね。不安はなかったですか?
S ひとりで家事も育児も仕事もしなきゃいけないから、とにかく頑張らなきゃって感じでした。その後はひたすら大変で、離婚して2か月くらいでげっそり痩せてしまったんですよ。目の下にクマができていて、ごはんを食べるとお腹が痛くなる。そんな状態に今のパートナーが気付いて、うちに手伝いに来るようになったんです。
ーそういう流れで家に来てくれるようになったんですね。
S そうなんです。ある日夜間に欠員が出て、急遽出勤しなきゃいけない時に「じゃあSが帰ってくるまで、子どもたちを見ておこうか」って申し出てくれて。当時私はまだ彼がトランスジェンダーということを知らなかったので、ボーイッシュな人かな?くらいの感覚でした。子どもたちも面識があったし、いきなり知らない男が家に来た!という状態ではなかったので、気軽にお願いできたんです。
ーなるほど。子どもたちはどんな反応でした?
S それが、とっても楽しそうだったんです。そこからちょこちょこ来てくれるようになったんだけど、毎回、帰ってきたら私に「ごはんドウゾ」「お風呂ドウゾ」「おやすみなさい」の状況を作ってくれていたんですよ。しかもそれを子どもたちと楽しくやってた。びっくりしました。そんなことをしてもらったのが人生で初めてだったから、こんな温かい世界があるんだって驚きました。
ー素敵!
S ほんとに。それから1週間くらい、ほぼうちにいる状態になりました。ある日、みんなでごはんを食べて、和気あいあいと過ごしていると、当時小学校5年生の娘が「ママって、こんなに笑うんだ」って言ったんですよ。
ー泣きそう。
S それまでずっとピリピリしてたから。元旦那の前では「笑うと負け」って思ってたんです。何があっても笑うものか、心を許さない!って。それを見た子どもたちがどう思うかを考える余裕もなかった。だから娘のその一言で、ハッとしたんです。
ーパートナーさんと一緒に住む提案も、娘さんがしてくれたんですよね。
S そう「Nさんと一緒に住めば?」って。娘が「とにかくママが笑ってた方がいいから」って言ってくれて。そうだねってことでNがアパートを引き上げてきて、一緒に暮らすことになりました。
ーそういう流れだったんですね!付き合うとかじゃなく人生のパートナーみたいな感じですか?
S ソウルメイトみたいな感覚かなぁ。とにかくこんなに以心伝心ができる相手がいるんだなって。関係性をどう言葉にしていいか迷う時期もあったけど、ある日突然、分からなくてもいいかって思ったんです。一緒にいて心が穏やかでいられて、みんなが幸せに暮らすことができて、子どもたちが巣立った後に仲良く一緒に旅行にいける。それって別に性別関係ある?って。
ーたしかにないかも。
S 子どもがいなかったら考えるかもしれないけど、私には子どもは2人いて、これ以上欲しいとも思わない。パートナーは逆に、子どもは一生持てないと思っていたらしいんだよね。子どもが好きだし、子育てもしてみたいけど自分の特性上、子どもは持てない。そう思ってたのに、自分の子どもみたいに思える子と一緒にいられるっていうのが良かったみたい。そこからは一気に切り替わったみたいです。付き合うじゃなくて結婚。この家族を背負います、みたいな。
ーかっこいい。新しいパートナーシップという感じがします。
S そうだね。Nのことを性別関係なく大好きだし、この人以外は考えられないと思ってる。一緒に何かをするのがとっても楽しい相手です。多分これが愛なんだろうけど、不思議な形ではあるなって思う。
ーでもすごく理想的な関係だと思います。ご両親には紹介したんですか?
S 家族には家のことを手伝ってくれている人がいるとしか伝えてなかったから、一緒に住むって伝えた時は「Sに恋人ができなくなるんじゃない?」と心配されました。
ーそうか。確かにそう思っちゃうかも。
S でも途中からは全然心配もなくなったんだけどね。なんせパートナーがうちの家族に対しても、とっても良くしてくれるから。だから誰も何も言わなくなった(笑)。暗黙の了解というか、そういう感じなのね?みたいな。深く突っ込んではこない。
離婚した時のこと
ー前の夫さんとは20歳で結婚したとのことですが、どこで出会ったんですか?
S 中学の同級生だったんです。付き合ったのは高校2年生からなんだけど、4年付き合って結婚しました。私、とにかく結婚願望が強かったんですよ。だから結婚向きじゃない人は、どれだけ好きでも冷めちゃってた。虫が殺せないとか(笑)。元旦那は成績優秀でお人好しだから、きっと何かあっても淡々と暮らしていけるだろうな、結婚に向いている人なんだろうなって思ったんです。どうしても許容できないことがあって離婚したけど、結婚してからも基本的にはずっと真面目でいい人でした。
ーなるほど。前の夫さんは結婚を前提に条件面を重視した感じだけど、今のパートナーさんは割と直感的な感じで、それがすごくおもしろいなって思いました。おもしろいって表現はちょっとアレですけど。Sさんは元夫さんと一緒にいる頃と今で、考え方って変わりました?
S めっちゃ変わったと思います。元旦那はあんまり自分の意見を言わないタイプだったから、私の意見が絶対みたいな関係になっていて、それがすこし嫌でした。たとえば息子は今もパパの家に泊りに行くんだけど、息子が進路の相談をしても「ママの言うことがだいたい合ってるから」って言うんです。そうじゃなくてパパとしての意見を言ってほしいのに。
今は、私とパートナーの関係は対等だなと感じます。もともとすごく尊敬していたし、色んな事に詳しいから「それってどういう意味?」って普通に聞けるのもうれしい。以前、キャンプ予定日の天気予報が、雷雨だったことがあるんです。私は「辞めといた方がいいんじゃない?」って言ったんだけど、彼は「雨が振ったとしても、それも思い出じゃない?」って言うんですよ。そういう考えもあるかと思って行ってみたら、どしゃぶりでテント流されそうになったの(笑)。テントがウォーターベッドみたいになってて爆笑(笑)。
ー他人と暮らす良さってそういうところにもありますよね。自分一人では選ばなかったことを選んで、新しい体験をする。それも笑えるみたいな。ちなみに離婚した時、子どもたちに説明ってしたんですか?
S 離婚理由を明確に話したりはしていないけど、別々に住むことになったよって伝えました。そもそもギスギスしてたからね。ただ、離婚するのはあくまで私とパパが仲悪いだけってことは伝えました。だからあなたたちは、いつでも会っていいよって。
ーそれはとっても大切な気がします。
S 一回さ、パートナーが元旦那と話したこともあるわけ。元旦那は怒ることができない人だから、子どもたちを甘やかしちゃうんだよね。だからもっと父親として注意してほしいって、伝えに行ってた。パパに「あれ欲しい」「これ欲しい」って誕生日でもないのに買ってもらうくせに大事にしてないとかね。あんまり買い与えないでくださいって話もしてたかな。
ーおお。元夫さん、嫌がってなかったですか。
S それに対して文句とかはなくて、むしろちゃんと見てくれてありがとうって感じだったみたい。だから今は、何かあったら私に「Nさんとも相談してみてね」って連絡がきたりする。
ーすごい!いい関係ですね。
「母親」として
ー最後に、母親としてのSさんについてお聞きしたいです。今、長女さんが20歳、長男さんが14歳とのことですが、これまでを振り返って一番大変だった時期ってありますか?
S 娘は性格が繊細だから、実は最近までずっと心配だったんだよね。特に小学校に入ってから4年生になるまでが一番大変だった。小学校に入る前は私立の幼稚園に行ってたんだけど、割と品行方正というか、マナーがしっかりしたところだったんだよね。だから小学校に入って色々と衝撃的だったみたい。やんちゃな男の子たちを見て「なにこのサルたち」みたいな(笑)。ストレスでHSP気味になってしまった。友だち関係もうまくいかなかったみたいで、一度転校したんだけど、転校しても同じだった。
ーそれは大変。どうしたんですか?
S 学校に行ってもらわないと仕事ができないから、引きずって車に乗せて連れて行ってた。鬼だったと思う。ランドセルを抱えてひっぱりながら車に乗せて、後部座席にランドセルを投げ込んで、小学校に車を乗り入れさせてもらって。私が下りた瞬間に内鍵閉められたりして、毎日バトル。1時間くらい保健室で過ごしたら普通に1日過ごせるのに、朝登校するのがどうしても無理って感じだった。だけど4年生後半で吹奏楽部に入ってからは、部活に行くために学校に行くようになったんだけどね。
ーなにがきっかけになるか分からないですね。
S その頃、離婚前のゴタゴタもあったから、私も心に余裕がなかった。「学校行かないんだったらランドセル捨てていいよね」ってベランダにランドセルを投げたことだってある。寝起きから娘を嫌な気持ちにさせないようにとっても気を遣ったり、低血糖かもしれないからって夜中に起こしてチョコレートを一口食べさせて徐々に起こしたり、本当に試行錯誤の連続だった。今日は行けそうだなって思っても、玄関に立ってランドセル背負った瞬間「お腹痛い」って言い出すこともあって、私も精神的にきつかった。
ーきつい。気が抜けない。
S ちなみにこれは余談なんだけど、パートナーが一緒に住むようになってあれだけ悩んでた朝の悩みが解消されたんですよ。私は朝できるだけ優しく起こしたいと思って、小さい声で何度も声をかけてたんだけど、ある日パートナーが起きてきて「おい起きろ!たわけが!」ってピシって言い放ったの。反射的に「え?」「うちの子にたわけって言った?」ってびっくりしたんだけど、そしたらピシっと起きてパッと学校に行ったんだよね(笑)。衝撃だった。パートナーはずっと「そんなんじゃ絶対起きないだろ」ってイライラしてたらしい(笑)。
ーたわけ!(爆笑)頼もしいですね。男の子は大変な時期ってありました?
S 息子は正反対で、保育園も学校も行きたがりだったんだよね。思春期の「もう!」みたいなのはあったけど、大きな何かはなかったな。学校も休めって言っても休まない子だしね。もしかしたら息子は小さい頃からNさんが関わってくれてるから、それが良かったのかもしれない。
ーなるほど。母親として一番自信が持てなかった時期ってありますか?
S 仕事人間だった時かな。コールセンターの時。仕事が忙しいってことを理由に実家に預けることも多かったんだけど、仕事を言い訳に、子育てから目を背けてた気がする。子どもたちのためって正当化してたけど、本当は自分がはじめて外で認められる場所ができて楽しかったんだと思う。
ー子育てと仕事、どっちが大変だと思いますか?
S 子育てって大変だよね。私は仕事の方が楽だと思ってる。仕事は大変なことがあっても評価されるけど、子育ては評価されない。だからどうしていいか分からない。私の母は2回離婚してるんだけど、1人目のお父さんは会ったことがなくて、2人目のお父さんは「お父さん」って呼ぶし仲も良いんだけど、連れ子だからか何かを買ってくれるとかお金をくれるとかで愛情表現をされてきたんです。だからなのか、私もお金でなにかを買ってあげる方が楽で、子どもたちのために心血注いでなにかをするっていうのは苦手。自分は外で働く、旦那は家で主婦をする、みたいな役割が本当は向いてるのかもしれない。
ーそうだったんですね。今はパートナーさんとどんな風に役割分担しているんですか?
S 今は父親役と母親役が分担できてる感じ。パートナーも私も、それぞれが自立していて、いつでもどの役割でもバトンタッチができる。
ーすごい!私的にはその状態って超理想なので、めちゃくちゃ羨ましいです。育児を振り返って、今どんなことを思いますか?
S 以前は「私が稼がないと」「これをやらないと」って、子どもたちと向き合うよりも、不安を解消することに精いっぱいだったなって思うんです。子育てをどうやっていたかの記憶がない。だから娘が小学校に行けなかったのは、もしかしたら私が原因かもしれないと思うこともあるんです。お家がもっとリラックスできる環境だったらとか、もっと私が話を聞いてあげられたらとか。
ー子育てってキリがないことを考えちゃいますよね。今は子どもたちとどういう関係ですか?
S 娘とは友だちみたいな関係です。息子はマザコンかも(笑)。私が部屋にこもって仕事をしてると「珈琲足りてる?」って聞いてきたり、肩揉んでくれたりします。
ーなんて素敵な息子さん!羨ましい(笑)。パートナーさんと子どもの関係はどうですか?
S すごくいいです。とくに息子はパートナー大好き。時々話が長いって言ってるけど、ためになるから結局聞きたいみたいで、怒られても嫌がらない。娘は最初こそママの喜ぶ顔が見たいって気持ちだったと思うんだけど、どこかのタイミングで「ママをとられた」みたいな様子が見えたことがありました。私と彼の関係性をはっきりと伝えてたわけでもないから、参観日に一緒に行ったら「誰?って聞かれた時に説明できない」みたいなもどかしさはあったみたいで、ぎくしゃくした時期もありました。だけど大きくなるにつれ色々理解したのか、いつだったか「ママをよろしくお願いします」みたいな手紙を書いてたことがあったな。
ー手紙。泣きそう....。それにしても、怒られても嫌がらないってすごいことですよね。私も父親が違うんですけど、新しい父親に怒られるのが本当に嫌だったので、ちょっと衝撃です。
S すごいよね。おもしろかったのが、息子に好意をアピールしてきてた女の子がいたんだけど、息子には他に好きな子がいたんですよ。なのに、息子のことを好きな子と一緒に遊びに行く約束をしてたことがあって。それを見たパートナーが「一緒に遊びに行くってことはそんな風に見られる可能性もあるんだよ」「もしそれを好きな子に見られて、勘違いされてもいいの?」「気持ちを知ってるのに、答えをちゃんと出さずに遊びに行くのは思わせぶりだからダメだよ」って言ってて。
ーかっこいい!自分の息子だったらキープしちゃえとか言っちゃうかも(笑)。
S Nの恋愛観は「ひとりでいいんだよ」「たったひとり、相性の合う、一緒にいて楽しい人がいたらいいんだよ」ってことみたい。今まで苦労したことがあるんだろうけど、自分がそういう行動することによって私が悲しむのが嫌って言ってくれるんです。「Sより綺麗な人はいっぱいいるけど、一番おもしろくて太ってもかわいいSがいい」「顔が可愛いとかじゃなくて、存在がおもしろい」らしい(笑)。それが私も一番嬉しい。
ーもう理想的すぎる。喧嘩とかしないんですか?
S ささいな意見の食い違いとかはあるけど、その都度納得いくまで話して解決しています。以前、私がトイレの電気を消し忘れてしまうことを皆に指摘されたことがあるんですけど、ある日トイレに入る前に「電気消す」って唱えながら入ったのに消し忘れてしまって。それをまた指摘されて「唱えながら入ったのに何でできないんだろう」「ダメすぎる」って辛くなって号泣したんですよ。それを見てみんなびっくりしちゃって。最初はみんな「ただの不注意」って思ってたから、泣くほどできないんだって知って驚いたみたい。それを見てパートナーが「気を付けててもダメなことはダメだから」「みんなで気付いたら消してあげよう」「ママは料理もできるし得意なこともたくさんあるんだから、苦手なことはみんなでやろう」って話をしてくれました。
ー素敵ですね。分かり合うってこういうことだなって思います。「みんなできるのに」とか「男のくせに」「女のくせに」みたいなのが、1対1の人間関係がうまくいかない原因なんじゃないかってふと思いました。色々あったと思いますが、Sさんは今の自分が好きですか?
S 大好き!楽しんでるから。今、やりたいことをなにひとつ諦めていないんです。アイドルにハマってグッズ買うとかファンクラブ入るとか(笑)。私はひとりでキャーキャーするより一緒に楽しみたいタイプだから、子どもやパートナーと一緒に楽しんでます。今はMEGUMIの影響で美容にハマってるんだけど、スチーマーとかやってたらパートナーもやりはじめて、息子も思春期にきびが気になり始めたからシートパックして(笑)。全員が美容ブームになってる。
あ、料理を休みたい時は、無印のカレーパーティーが超おすすめ。レトルトって手抜きって感じがするけど、パーティーって名前つけるだけで楽しくなるでしょ?同じ要領でラーメンパーティーもおすすめ!ちょっといい袋麺を数種類すこしずつ並べて、みんなで少しずつ楽しむっていう(笑)。ただの手抜きでも、パーティーってつけるだけで楽しい。
ー楽しそう!!みんな楽しく巻き込んでいくのはSさんの才能ですね。
S 子どもが大きくなってくるとそういう楽しみ方もあるよ。
ー楽しみです。ありがとうございました!