ぜんぶ、ごみだったかもしれないけど、もうどうでもいい。

ここ数日、なんだか今までにない状態になっている。

3年くらい、自分の体験を文章なりにパッケージして、いろんな人に渡すことをやっていた。大量に、凄まじい勢いでやった。

いろんなことがあり過ぎた人生だから、たくさん文章にできたし、喋ることもできた。本でも、イベントでも、SNSでも、あらゆるかたちで、自分の体験をいろんな人に伝えまくった。

「これまでの生きてきた道は間違いではなかったし、だからこそ、今があるのだ」

そんな疑う余地のない事実を持っていたから、迷うことなく走れた。実際に「話を聞けて良かった」と言われることもあったし、作った本も「面白かった」と言ってもらえた。

けれど、今はやってきたことがどうでもいいことに思える。

この3年だけじゃない。今までの人生そのものが、なんだか「どうして頑張ってきたのだろう」と不思議なのだ。

ずっと頑張ってきた。

気を張っていないと死ぬような環境にもいたし、自分のことを守ってくれたり、支えてくれる人はいなかった。誰もが自分を攻撃する可能性を持っている他人。気を許してもいいのは、殺されてもいいときだけ。

誰かに頼ることをしてこない人生を歩んできた。

今は逆で、パートナーに支えられ、頼って生きている。こんなに楽な人生になるなんて思わなかった。
やりたいことをやり尽くして、頑張ることもなくなって、幸せになった。

そんな、3年だった。

今まで警戒していたことや緊張しながら歩いてきたことは何だったのか。そう思うようになってきている。

自分のことを守るためにやってきたこと、自分のことを過剰なまでに肯定しようとしてたこと、人生は無駄ではないと繰り返し言ったこと。

そんなことが、今は無意味に思える。

頑張って生きてきたけど、そんなに頑張らなくても生きてこれたんじゃないのか。
自分で思い込んで、身動きが取れなくなってたんじゃないか。
自分に価値を付けて、辛かったことを糧にしようとか、重い話を踏み台にしようとか思う必要あったんだろうか。

そう思う。

なんだか、意味のないことでバタバタしていた気がする。そしてもう、そういうのはいらないんじゃないかって思う。

今までの人生を、全部ごみにしてもいい。
それくらい、なんだかどうでもいい。

ただ「ここに存在していること」に、付加価値とか、必要性とか、証明とかいるだろうか。

全てを綺麗に捨てられるわけではないけど、今までの自分を辞めよう。
とりあえず捨てて、それから考えよう。

今までの自分とか、これからの自分とか、どうでもいい。
楽しかったことも辛かったことも、執着も、もうどうでもいい。

自分の人生が無意味で無価値でごみだったとしても、それすらどうでもいい。どう判断されようが、何と言われようが、響かないだろう。

大好きだった人たちのことを思い返しても、何も感じない。
憎かった人も、愛していた人も、彼らの顔や声、感触を思い出せない。

もう、いいんだ。

何も感じなくても、人生がごみであっても、今はパートナーとの生活があれば、それでいい。

眠くなってきたから、もう寝る。おやすみ。