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日記 5342歩

バナナ🍌

朝、目が覚めて、薄っすら「死にたい」と思った。
スヌーズを止めて起き上がり、トイレに行って猫の水を変え、口をゆすいでそのままパンを焼く。
卵を焼くためのフライパンを熱している辺りから、頭をかすめたその言葉は霧散した。
コーヒーが切れていたからハチミツ紅茶にする。先日、友達からもらったやつだ。『極上』と書いてある。
きっとすごく元気になるんだろう。

パンに千切りキャベツと卵を乗せ、ハチミツ紅茶と一緒にこたつへ運ぶ。
バナナも持っていかなくちゃ。

こないだ買ったバナナはやけに大きく、半分しか食べられなかった。




電車🚃

久しぶりに電車に乗る。
すぐ近くの小さな駅。
帰りに買い物をするから自転車で行った。
駅前は通勤や通学の自転車で溢れ返っていたけど、わずかな隙間に押し込んだ。

交通カードをピッとして、陽のあたるベンチに座る。
足がめちゃくちゃ暖かい。
太陽ってすごいな。
ああ、ビタミンDが生成されていく。
うちの猫にも浴びさせたい。



郵便局🏣

終点で降りて、目的地に向かう。
道すがら郵便局のATMに寄る。
二つしかないのに、一台は調整中で、やむなく外で待つ。
陽があたらなくて寒い。

通帳記入すると、ないと思ってたパートのお給料が入っていた。
あーそうか、お休みをもらってるのは昨年末からだから、ゼロになるのは来月分か。
得した気分になった。と、同時に、来月落胆する自分が浮かんだ。



中央公園🌲

相変わらず鬱蒼とした中央公園。
夜にここは通りたくない。
来年か再来年に再整備されるらしい。カフェなんかもできて、街の中心部にふさわしい、明るい公園にリニューアルされるそうだ。
弾き語る若者の姿も見られるかも知れない。ギターを提げた自分もいたりして。

寒椿がきれいだった



クリニック🏥

「その後、どうですかぁ?」
松重豊がカルテをめくりながら問いかける。ドクターは松重豊に似ている。

「あー、うーん、そうですねぇ……」
順不同に最近の感じを伝えつつ、仕事復帰の時期など相談する。

松重は「もう少しゆっくりしてもいいんだけどな」と言いながらカルテに書き込みをし、とりあえず来月から復帰することを了承してくれた。
「ま、いかんかったらいかんかったで……」
松重の言葉に(そうだよな)と頷きながら、しれっと「朝起きた時、薄っすら“死にたい”とか思います」と言ってみた。
松重はカルテからこちらに目を向け、
「ま、ずっと籠ってるとね、そんな気持ちも起こるかな」とやさしく流した。
一刹那するどい目をしたから、大丈夫な範囲だと判断したのだろう。
実際昨晩などは、くだらない話を思いつき、その終わり方がまとまらくてなかなか寝つけなかった。
お昼寝が長かったせいかも知れない。




帰り道
🚶‍♀️

昨日が大寒だったとは思えないほど、今日は暖かい。腰に貼ったカイロ(ミニ)が煩わしくなってきたほどだ。

久しぶりに歩いたのも気持ちよかった。

途中すこし眩暈がした。すると首と肩の痛みが急に思い出され、全くもってカラダが軽い日なんてないよなぁとしみじみした。

知らない誰かとすれ違う。
また薄っすら「死にたい」と思ったけど、空を見上げたらやはり今日は天気がよくて、その気持ちはそのまま青空に消えた。


文庫本📘

帰りの電車、老いも若きもみな俯いてスマホを見てる。
目の前のJKなんて素足だぞ!

いつもは自分もそうだけど、今日は猛烈にそれに抗いたくて、リュックから文庫本を取り出した。

エッセイを読んでいるはずだが、なにやらとても不思議なエッセイで、半分妄想のようだった。ちょっと意味がわからなかった。笑うとこかどうかもわからない。
著者の経歴を見てみる。
たくさんの(私の)知らない本を翻訳していて、あーこの人頭良すぎるんだろうなぁ、なんて思った。

そう思いながらもなんだか惹きつけられ、危うく降りる駅を過ぎるところだった。



🐈

予定通り買い物をして帰る。

猫が玄関の磨りガラス越しに見える。
自転車を停める音が聞こえたんだな。
待ち切れなくてガラスにスリスリしている。かわいい。

ただいま。

せっかく食材買ったけど、今日は昨日のお鍋の残りでいいや。



スマホの歩数計を見てみる。
昨日の10倍歩いてた。





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