タイムとばあちゃんとトルコ桔梗。
先日、納骨堂参りとお墓参りに行ってきた。お盆とお彼岸はお参りを欠かしたことがない。多少、その時期と合わなくとも行く。
その日は出発が早かった。お供物はコンビニで買えばいいが、花はどうしようか。いつも買う花屋さんは9:30からのオープン。片道車で1時間かかるうえに、天気は雨。
まあ、お盆時期だし、花は誰かが飾ってくれているだろう。わざわざ9:30まで待つこともないかと花は持たずにまずは納骨堂へ。
とても大きなお寺。昔は檀家総代だったから、いい場所が取れたんだとよく叔父に聞かされた。
息子と2人、手を合わせようとして、ふと気づいた。
あれ、トルコ桔梗がない。
花は盛大に飾ってあったが、一本もない。
ばあちゃんの好きなのに、みんな気が利かないなあ。
憤慨しながら、あれ?私はなんでばあちゃんがトルコ桔梗が好きなんだと知ってるんだ?と思う。
確か、ばあちゃん本人ではなく、母から聞いたような記憶が。
実家の両親は何日か前に来ているはずなのに、この花を持ってきたんだろうか?
いつもの花屋さんの開店時間まで待たなかったのが、かなり悔やまれた。
お盆でばあちゃんは帰ってきているだろうに、大好きなトルコ桔梗がないと知って、ガッカリしているだろう。
でも、お墓にはあるかもしれんし。
お寺から車で10分ほどのお墓に向かう。そこにも花は盛大に飾ってあったが、一本もなかった。
ごめんね、ばあちゃん。トルコ桔梗好きなのわかっていたのに、横着して持ってこなかったわ。秋の時に売ってたら、必ず買ってくるからね。
そう声をかけて、帰路についたがなんとなく気分が重い。
納骨堂やお墓に行く時は欠かしたことがなかったのに。
そして、ばあちゃんがトルコ桔梗を好きだって覚えているのは私だけかもしれないと感じた。
ひょっとしたら、その花で私が来たことを確認していたのかもしれないのに。
次の日、いつもの花屋さんに買いに行った。
お墓には行けずとも、花さえあれば、見てくれるんじゃないかと思ったのだ。
だけど、臨時休業。
仕切り直して、今日、行ってきた。
トルコ桔梗だけだと、一本250円した。持っていたのは500円。2本しか買えない。
ふと目をやると、仏花セットが450円。かなり時間をかけて見て、1番たくさん入っているのにした。
ばあちゃん、お帰りなさい。タイムは元気にやってますよ。秋にまた会おうね。
そう言いながら、リビングに飾った。
今は納骨堂とお墓に行った日と同じような雨模様。
なんか、淋しいような、やり切ったような、でもお迎えすることができて良かったなとホッとしている。