【短編集】Not Found girl -404 この情報は見つかりませんでした-
色彩豊かで人がたくさんいるはずだった街には、もう誰もいない。少女はわけもわからず、その先に答えがあると、わずかな希望を手に歩き出した。
人の叡智が結集されて出来た数多くの鋼鉄、光はかつて、いたはずの人間たちに見捨てられ、走らせるものもない今はただ亡霊のように佇んでいるのみだった。
線路に沿って歩き続けた少女は、AIの発達していた都市に足を踏み入れる。青く輝くネオンライトの数々は悲哀の表れか。
曲がり角のひとつもなく、少女はただ道のままに進み続けるほかなかった。誰も自分を助けてくれるモノなどないのだから。
濃い霧をくぐり抜けた先には、まだ見ぬ、これまでにない大きな未知が広がっていた。答えも辿り着く先も縋り付くあてもないまま、私は次の世界へ歩みを進めるのだった。