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詩>抽斗(ひきだし)

一日が終わると
私は私を脱ぎ
三つに折り畳んで抽斗に入れる
 
ある夜 灯りに晒してみると
いたる所がすり減っており
ほころびかけている箇所さえあった
全体に色合いも褪せて
くたびれた感は否めない
 
とはいえ取り替えることなどできはしない
私はこれ一着きりだ
 
いつものように
抽斗に私を仕舞おうとしたとき
ふと切なさが込み上げてきた

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