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詩>さよなら

彼女は「さよなら」とは言わなかった
ボクは「またね」と言った
このまま永遠の別れになってしまいそうだったから
 
そして手を差し出した
こたえて出した彼女の手を軽く握った
けれども華奢なその指は伸ばされたままだった
愚直なまでに
 
それから一か月が過ぎ
半年、さらに一年が流れ
いつしか七年以上経っていた
 
大都会の夜空の下
もうその消息を知る術はない

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