見出し画像

山梨でプーランク⑥オーボエとファゴット、ピアノのためのトリオ

こんにちは、ウチダユメミ(@yumemiob_sub)です。
山梨に移り住んで、約3年。
ぶどう農家を営みつつ、
オーボエの演奏やレッスンなどの音楽活動をしております。

2023年4月1日にYCC県民文化ホールで
オーボエを中心とした室内楽で全曲プーランクのコンサートを行います。
オーボエの魅力やワイン県・山梨だからこそ
フランスの作曲家・プーランクの素敵な曲たちを
広く山梨の皆さんに知って頂けたらいいなぁという想いがあります。

プログラムノートをコンサートの前に公開

#山梨でプーランク 」note第六弾

それでは、本編へ!

オーボエとファゴット、ピアノのためのトリオ(Trio pour hautbois, basson et piano) FP 43

1924年から1926年にかけて作曲され、1926年に初演された。
この頃のプーランク(24歳前後)はフランス国内で名前が知られるようになっていた。
本作は作曲者自身がピアノを受け持ったパリでの初演で好評を博した。
評論家たちはこの曲が有するモーツァルト風の趣向、作曲者自身のスタイルが表れていることに言及しつつ、曲の情感の深さを賞賛する。
この作品はプーランク最初の室内楽の傑作であるとみなされている。
1924年5月に本作の仕事に取り掛かった。
集中するためにカンヌのホテルにこもって作曲し、完成までに2年の歳月を費やしている。
同地ではイーゴリ・ストラヴィンスキーに出会って助言を与えられ、その助けによって新作の第1楽章最終稿はまとめられた。
プーランクは本作をマヌエル・デ・ファリャに献呈した。
ファリャは作品を喜び、出来るだけ速やかにスペインでの演奏機会を作ると約束した。

急-緩-急の3つの楽章から構成される。
プーランクは、伝統的なソナタ形式に惹かれなかった。
彼は自ら「エピソード的」様式と呼んだ形を好み、そこでは主題が展開なしに提示され、そこへ対照的な主題が同じような扱いで続いた。

第1楽章: Presto Lent - Presto

メインのプレストの部分が始まる前に15小節のゆったりとした序奏がある。
ピアノの和音から始まり、それからファゴット、オーボエと続いて登場。
クロード・カレは序奏を「堂々たる築数百年のポルティコ(長い柱のある石造りの建物、パルテノン神殿のようなもの)」になぞらえ、
ウィルフリッド・メラーズは「あたかもリュリのよう」と呼んだ。
エルとニコルズの両名は祝祭的なフランス風序曲と「ルイ14世のヴェルサイユ宮殿」への明らかな共鳴を見出している。
メラーズは序奏に「ストラヴィンスキー風の徹底ぶり」があるといい、エルはその音色が厳粛なのか皮肉めいているのか、はっきり分かることはないとコメントしている。
プレストはシャンパンのような「若々しい」イ長調で、ただし短調を匂わせながら始まり、ヘ短調の新主題 - 伝統的なソナタ形式であれば第2主題になったであろう主題とコデッタ風のヘ長調の主題には半分の速度の中間部が続く。
快活なプレストの開始主題が再現され、楽章をまとめる。

第2楽章: Andante con moto

オーボエからは「陰鬱な優雅さ」のある旋律が奏される。
楽章終盤に向かって牧歌的な雰囲気は後退していく。
メラーズの言によると「田園的なヘ長調の歓びは半音階で陰り、最後は哀歌に通じる調性であるヘ短調の和音が鳴らされる。

第3楽章: RondoTrès vif とても活発に

終楽章は活発な音楽である。
曲を献呈したファリャの《恋は魔術師》のメロディがテーマとして使われているのも特徴的で、中間部では18歳から3年間従軍していた経験を思い起こさせるような風の軍隊風の表現もみられます。
メラーズはこの終楽章がフランスバロックのジーグ、オッフェンバックのギャロップ、そして 「密なストラヴィンスキー式コーダ(戦後期のパリの渋味)」と親和性があると述べている。

コンサートチケットインフォメーション

4月1日YCC県民文化ホールでのコンサートチケットのお申し込みは
下のリンクからも承っております!

いいなと思ったら応援しよう!

ユメミ(オーボエ/ぶどう農家)
もしよろしければ、サポートよろしくお願いいたします。 今後の活動費として大切に使わせていただきます!