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2023 旅日記 カンボジア編 3 後編

※この記事は、2023 旅日記 カンボジア編 3の続きです。

荷台の上、よく分からない実をかじりながら揺られること数分。
小さな建物があって、荷台はそこに止まった。
どうやら、ここからは歩きで向かうみたい。

道をおりて進むこと数分、先頭は山の中に入っていった。
まさかの、登山?
生い茂る草むらの中、サンダルで進んでいく。
道に群がる大量のアリに注意。

しばらく歩くと、小さな屋根のある場所に着いた。
すぐ近くに、大きめな土のくぼみがある。
ガイドのデンさんは、英語で説明を始めた。

大きめな穴の周りで解説を聞く

昔、ここから奥にある川の近くで、鉄を溶かして武器を作っていた。
鉄はここから30kmも離れた山で採れた。
牛や象、または人の手で川まで運ぶ。
かつてこの地にやってきたフランス人は、鉄の質の良さに驚いたと言う。
この窪みは、作業の過程で発生した廃棄物や、質の悪い鉄を廃棄する穴。
要するにゴミ捨て場。

鉄を溶かす温度を保つために、男たちは夜通し働いていたと聞いた。
もののけ姫のタタラ場を思い出す。
三日三晩踏み抜くのさ、みたいなセリフがなかったっけ。

デンさんの英語は聞き取りやすく、とてもわかりやすい。
しかも、日本人のカタコト英語も聞き取ってくれる。
拙い語彙力でも、質問すればそれに対して丁寧に答えてくれるのだ。
私も早く、英語がペラペラになりたい。

山探索を終え、少し疲れた体でお昼ご飯を食べに戻る。
小屋の裏では、クイ族のお父さんが鍛治仕事をしていた。
炎の中に刃を入れる。そして、赤くなった刃を叩いて強くする。
この刃、元はどんな形だったのだろう。

刃が赤くなっている

クイの村を囲む自然の恵みに思いを馳せていると、脇からニワトリが駆け抜けて行った。
またハナちゃんが追っかけているのだろう。
またバチ当たっちゃうよ。
黙って椅子に座っていても、どこかしらニワトリが覗き込んでくる生活はちょっと面白い。

しばらく休憩したあと、再び荷台に乗って次の場所へ向かう。
次の場所では、男子は釣り、女子はライスケーキ作りを体験するみたい。

大きな笹の葉を丸めて、お米を入れる場所を作る。
お米は、お赤飯みたいなあずきの入った小さなお米。
ココナッツで味が付けられている。
お米を入れたら、三角形に笹をどんどん畳んでいく。
最後は折りたたんだ笹の葉の中に先っぽを通して、ギュッと形を整える。
これを茹でていただくみたい。

クイの村のお母さんたちが教えてくれる

これは...笹餅だ。

3分クッキングみたいに、茹で上がったものが後ろから出てくる。
アツアツの葉をくるくると解いていくと、三角形のお赤飯がでてきた。
ココナッツでほんのり甘い。
カンボジアの人は、薄味と濃い味、どっちがが好きなんだろ。

のんきに食べていると、男子が釣りから帰ってきた。
彼らは興奮気味に語り出す。
足に寄ってくるヒルをエサにして釣りをしたみたい。

「あれは叫んだよねー」

どうやら一人、やたらヒルに好かれる"エサ収集機"がいたみたいだ。
女子が釣りに行っていたら二人くらい気絶していただろう。

そして、これで全てのアクティビティがおしまい。
クイの皆さんにお礼を言って、前々日に泊まったホテルへ戻る。
この村の観光の可能性について、私もあとからしっかり考察しなければ。

夕食はとある市場。
こころなしか、みんな満身創痍。
初めての世界は確かに、疲れることも沢山あるよね。
私はトマトとチキンの炒め物を注文した。
トマトは黄色。
シンプルな味付けにほっとする。
みんなもアンコールビアやタイガービアの缶が開けられて嬉しいみたい。

市場で夕食

食事をしていると、ガイドのデンさんたちが来た。
私は、彼のガイドに対してお礼が言いたかった。
ちょっと緊張しながら話しかける。
拙い英語で、

「ガイドありがとうございました。あなたの説明はとても分かりやすかったです。」

と伝えてみた。緊張でドキドキして上手く聞き取れなかったけれど、デンさんは

「あなたが、私たちの文化を学ぼうとしてくれて嬉しかった。」

というようなことを言ってくれた。
なんだか、今回の旅はもう、満足かも。

雨の降る中、ホテルへ戻った。
シャワーを浴びて、軽く準備したらホテルのバーへ出る。
先生たちと、打ち上げ。

気になる名前がいっぱい

色々気にはなったけれど、飲みやすそうなピニャコラーダを頼んで、先生やハナちゃんと乾杯。
ハナちゃんは雨が降ってるのにまたプールに泳ぎに行っていたようだ。
彼女が、自分のバタフライを先生がちゃんと見てくれなかったことに対して文句を言っている。
先生、はなちゃんのバタフライ結構速いんですよ。

最初は3人くらいだったけれど、一人また一人と生徒が増えてくる。
イスそんなにないので、私はさっさと席を立った。
実は私は帰国後、先生の仕事のお手伝いがあるから、話す時間はたっぷりあるし、ほかの人が先生と話せた方がいいだろう。

戻りまーす、というとなんか冷たいなーと言われたけれど部屋へ向かった。
すみません、ご馳走様でした。
おやすみなさ〜い。

カエルがぴょんぴょん飛んでいる。
結構大きくて動きが鈍い。
背中をツン通したら、驚くほど低いジャンプを一回見せてくれた。

部屋に一人残っていたイズミさんと2人きり。
彼女とはその夜、ずっと英語で話していた。
イズミさんは、ひとつ上の学年なのだが、1年間カナダに留学していて、今年の二月に帰ってきたのだった。
英語が話せるようになりたい私は、英会話の練習相手をお願いしていた。

なかなか難しいけれど、楽しい。
誰かも言っていたけれど、英語は表現が単純、シンプルな言語だ。

だけれど段々とお互いウトウトしてきて、ゆっくりそのまま眠りについた。
今日の眠りもまさに気絶。
幸い、荷造りは済んでいた。

明日の夕方にはもう、飛行機に乗っている。
やっぱり、海外にいるって夢みたいだ。
文字通り、今、この瞬間がまるで夢の中。
蚊帳にヤモリがポテッと落ちてきた。
隣から ぎゃっ と声が聞こえる。

大丈夫かな?おやすみなさい。
また明日。

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