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孤独のゲレンデ。

 また気温が下がる予報ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。私は今日も全力で歩いています。

 さて、退職日が決まったことでいよいよその日に向けたカウントダウンが始まりました。「これは後何回。」と数えることによってカウントが終了した時のことを常に思い浮かべながらすべての業務をこなしています。残念ながら先日面接予定だった新人候補は採用に至らなかったようなので私の後任は未定なのですが、しかし私がその後の面倒を見ることはできませんので、申し訳ないですが会社の方で何とか対応してもらうしかありません。

 私が退職することは周知の事実なのですが、職場のみなさんは今まで通りに接してくれることが逆に辛くなる時があります。自分が選んだ結果とはいえ、やはり別れはいつも悲しくなってしまいます。この1年間は本当に多くの別れを経験しました。「さようなら」の挨拶すらできずに別れてしまった人も数知れずです。もちろん今の職場も含め新しい出会いもありましたが、割合としては8:2で圧倒的に別れの方が多かったような気がします。

 どうして人は別れを経験しなければならないのでしょうか。その経験から何を学ぶ必要があるのでしょうか。次の新しい出会いのために別れは必要と解くひともいますが、こんなに辛い思いをするのであれば別に新しい出会いなんかなくてもいいと思ったりもします。しかし、大学教員という仕事は毎年毎年、新しい出会いと別れを強制的に経験させられます。だからこそ一瞬一瞬がとても大切だと思いいつも全力で学生たちと向き合ってきました。

 そして、そんな風に全力で向き合うからこそ敢えて一人になる時間が必要でした。私の場合、それがスキーだったのです。スキーは一人でできるスポーツです。なかなか一人きりでできるスポーツはあまりないのではないでしょうか。山の頂上のゲレンデは静まり返っていることが多く、とても神秘的な世界が広がっています。その中を一人滑走していくと、まるで世界は自分ために存在しているように感じてしまうのです。さらにリフトに一人で乗っている時も色々考え事ができるので、頭の中を整理するにはとても良い環境だと私は思います。

 ようやく先日一人でスキーに行くことができました。今年は積雪量が多いので、どこのスキー場もいいコンディションのようです。今回平日に行きましたが、意外と人が多いのでびっくりしました。リフト待ちで並んでいる人が多かったのですが、私はおひとり様専用のシングルレーンに突っ込んでいましたので、待ち時間なしでガンガンに滑ることができました。ようやくスキーができるところまで回復してきたので、全快までもう少しだと思います。いよいよここが別れと出会いが交差する時期だと思い、どちらも大切にしながら次のステップに進もうと思います。

 これから大学教員になるひとには、別れと出会いそして孤独を愛せる人にになってほしいと思います。そして、その愛情で自分と自分が大切にしたいひとを笑顔に変えることを願ってやみません。

 

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