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【読書記録】それは天国の始まりであり、地獄の始まり…『恋愛中毒』山本文緒

『恋愛中毒』山本文緒
角川文庫

あらすじ

もう神様にお願いするのはやめよう。――どうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。
彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。
人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。
世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。
吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作。

Amazonより

感想

天国と地獄のジェットコースター

苦しいです。苦しい。
女性なら、一度は強引な男に愛されてみたいという欲求があるのではないでしょうか。でもそれは天国の始まりであり、地獄の始まり。。中毒になりたくてなっているわけではない。
決して、好きになってはいけないと肌で、身体で感じるのに自分を抑えることができない。
恋愛とは恐ろしい。

山本文緒先生、さすがです。
読み進むにつれて、主人公の水無月がどんどん苦しいです。辛い。
でも読み進めてしまう。
電車を待ちながら読むのに集中しすぎで、乗り損ねてしまいました(苦笑)

恋愛小説が苦手、という方も

恋愛小説は苦手、という方も読んでみていただけたら嬉しいです。
苦しいけど、恋愛ってこうだよなぁと思い出させてくれる。
絶賛恋愛中の方は、「うんうん」と共感できるところばかりで、涙してしまうんじゃないでしょうか。

そしてまた、この物語の終わり方がいいんだよなぁ。私は好きです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(*^-^*)

🔖愛しているから期待するのか。愛しているからこそ期待しないのか。どちらも正しいことのように思えたし、どちらも間違っているようにも思えた。

🔖俺を見るな、と彼は言った。夫は顔をそらしたまま確かにそう言った。水無月といると見張られているような気がしてたまらないと。もう俺のことを見ないでくれと。どうすればよかったのだろう。そして、これからどうしていけばいいのだろう。

本文より

作品紹介


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