文学フリマ東京３９御礼／『あなたの犬になりたい』について
本日、文学フリマ東京３９が終了いたしました。当ブースにご来場下さった皆様、ご購入くださった皆様、本当にありがとうございました！
『あなたの犬になりたい』は約１６冊ご用意していたのですが、ありがたいことに１時間ほどで完売……。
想像以上にたくさんの方にご購入いただき、本当に嬉しく、そして絵師様、ご購入者様へ感謝の気持ちで一杯です。
BOOTHでのご購入者様の中には、ブーストしてくださった方もいらっしゃいました。
お心遣い、誠にありがとうございました。
さて、『あなたの犬になりたい』は、鈴奈初の「純文学」という立ち位置での作品でした。
これまでの作品はキャラクターのイメージを前面に出していたため、「ライトノベル」の立ち位置だったように思います。特に『戦鬼伝』シリーズと、『神乃ツカサは悪魔になりたい！』はメッセージよりもエンタメ性が強いものでした。
しかし、本作は、メッセージ性をより強め、いつもより一層、丁寧な言葉を紡ぐよう意識いたしました。そのメッセージ性も、『エス-楽園創造-』や『T.B.I-時間遡行捜査官-』で描いたものとは違うものとなり、本当に自分から生まれたのかと、不思議な気持ちでおります。
ふっとこの作品の構想が浮かんできたとき、なんてものを思いついてしまったのだろうという罪悪感と、けれどもこれを一つの作品としてつくりあげなければならないという義務感で一杯でした。執筆中も同様です。強い強い二つの気持ちで書き上げたとき、なんともいえない高揚と、どうしようという戸惑いが胸に広がったのを覚えています。
題材としても内容としても、読み手の方や、今まで鈴奈の作品を読んだり知ったりしてくださったりした方々に、どういう印象をもたれるのだろう、不快な思いをさせるかもしれない……と不安な気持ちもありましたが、私から生まれた作品や登場人物を世に出さずに閉じ込めて、「殺して」しまうのは絶対にだめだと、そういう気持ちで公開に踏み切りました。
絵師様への依頼も、正直、かなり迷いました。
この内容ですから、ご不快な思いをさせてしまうかもしれない……。
けれども、kon.様は大変快く受け入れてくださったばかりでなく、物語をしっかりと読み込み、登場人物に寄り添って、素晴らしい作品を作り上げてくださいました。
Xの投稿時に、この言葉が印象深く、歩美にとって大切な言葉だからと、小説中の言葉を引用してくださったとき、そしてXにて、とても嬉しいご紹介を頂いたときは、あまりのうれしさに、涙が滲みました。
kon.様には本当に感謝しかありません。ありがとうございました。
はじめての純文学は、私にとって、とても幸せな「スタート」の作品となりました。
今回お手に取ってくださった方にとっても、心に残る一作となりますように。
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