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性格を変えると人生が変わるか試した結果?

「三つ子の魂百まで」というが本当にそうなのだろうか。
物心ついた頃には完成されていたと思われるキャラクターを身にまとって人生を歩んできた。
その人格が客観的に見て理想に近ければ問題はないが、コンプレックスに感じるようであれば何とか変えることができないかと思ってもおかしくはない。


老人になった今だから話せる人格の話!

私は幼少のころも人見知りが激しく、知らない人の前では祖母の後ろに隠れてその場を凌いでいたようだ。
「三つ子の魂百まで」のことわざ通り私はそのまま成長した。
内向的で人前に出るのが苦手だった。
バレーや野球のようなチーム競技も苦手だったことから、何をやっても自信が持てなかった。

人格を変えようと思った理由

人前に出るのが苦手で内向的な性格だと思っていた私は、何とかその性格を変えることができないかと考えていた。
そんな風に思っていたのは15歳のころだ。

引っ込み思案な性格のままでは、人生を通して損をすることも多いのではと思ったからだ。
しかし人格は持って生まれたものというのが一般的な認識だ。
変えようと思っても変えられるものではないだろう。

学校でもまったく目立たない存在だった。
いるのかいないのか分からない透明人間のような部類だ。

10年ほど前、中学校の同級生の有志の飲み会に参加したことがある。
その中の一人が私に「転校生だったっけ?」と聞いてきた。
私の名前が出てこない理由を探して転校生だと言ったのだろう。
しかし当時は本人が一番理解していたことだった。

クラスの中でも個性の強い奴ほど印象が深いものだ。
リーダーシップが取れる奴や頭のいい奴、喧嘩の強い奴や運動神経のいい奴だ。
そのどれにも当てはまらないのが私だった。

この時集まった有志は皆、当時目立っていた人たちだ。
当然私を除いてだ。
場違いな飲み会に参加してしまったと思ったが、敢えてキャラを変えてその場をやり過ごした。

意識したせいもあり昔透明人間だった私が、二次会のカラオケでは一番目立っていたようだ。

見た目だけでも人格を変えてみたかった

高校生になっても消極的で目立たない性格は続いていたが、ある日ふと思いついたことがあった。
卒業アルバムのための写真撮影の日だ。

集合写真くらいは目立ってやろうと考えた。
並ぶ順番は決まってはいなかった。
私は最前列の真ん中を陣取った。

その時には気付かなかったが、卒業後に写真を見ると最前列は先ほど書いた個性の強い奴ばかりだった。
その中心に写っているのが私だった。
もちろん姿勢も意識していたせいで堂々としていた。

どう見ても、それまでの存在の薄い人格者ではなかった。
その写真の中では百八十度人格が変わったように見えた。

その後の修学旅行先で撮った集合写真も最前列の中央だ。
友だちと五人で撮った写真ももちろん中央だ。
それから半世紀にわたってこの習慣を貫いた。

もちろん会社の旅行などで上司を立てなければならない時を除いてだ。

定年退職してから壁に取り付けたコルクボードに数枚ずつ写真をピン止めし、いらない写真を見極めている。
思い出に残したいと思う写真だけを選別するためだ。

この時に見た集合写真に写っている私は、ほとんどが前列中央だ。

性格を変える必要はなかったと悟る時

集合写真で目立つことで性格まで変えたとは思えない。
集合写真では内向的な人格が外向的に変わったように見えるだけだ。
しかしその意識が、それまでのような引っ込み思案を変える切っ掛けになったのは間違いないところだ。

集合写真を撮影する時に私のような魂胆を持っている人はあまりいない。
いや、いなかったと言っておこう。
スマホで写真を撮るのが日常になった現在ではいるかもしれないが、それまではそんなことを考える人はいなかった。

撮影場所に早く行って場所を取ったもの勝ちだった。

そもそも三つ子の魂がこんなことで変わってしまうはずはない。
基本的人格は60代後半になった今も変わってはいない。

ただ、消極的で気が弱く気配を消して生活していると言うような、ネガティブが勝る性格ではなさそうだ。
確かに見ず知らずの人に自分から話しかけていくタイプでもなく、今でもシャイな要素は捨て切れていない。

しかし内向的な性格も全てが悪い訳ではなく、この歳になればそれもよかったと思えることは多い。
人生で大きな失敗をしなかったことも、人脈を間違わなかったことも全ては内向的な性格のお蔭だろう。

改善した外向的人格のせいで場違いな場所に出向くこともあったが、それはそれで人生を楽しむ切っ掛けにも繋がった。

性格に嫌気がさしていた昔の自分に言いたいのは、対外的なキャラを作るのは難しくなかったが、もっと肝心なのは自分が持って生まれた人格を信じ、強みになるよう成長させてやるということだ。

内向的な性格の人は芯が強く集中力が高いと言われているように、目立った人生よりも意義深い人生を送ることの方が重要だと今なら思える。

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