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韓国で初めて食べた虫の料理

いつもこのNoteで韓国の文化について書いているが今回は韓国の食文化について書くことにした。
韓国で最初に見た虫のおやつに好奇心を持ったが、実際に食べたのはそれから25年ほど経った今年だ。


日本でも奈良時代や平安時代にあった蚕のさなぎを食べる昆虫食文化

最初に見たのはもう四半世紀も前のことだ。
韓国人の友人を頼って金泉市に家族旅行をしたことがある。
金泉市は韓国の真ん中あたりにあり、韓国で最も古いとされている直指寺(チクチサ)で有名な小さな街だ。
そこの屋台で虫のおやつを売っていた。

直指寺(チクチサ)の参道で見た虫のおやつ

麓のホテルを出て友人の案内で直指寺へ向かった。
直指寺は山の中に建つお寺で、参道の入口には区画整理されたところに多くの飲食店や土産物屋があった。
そこを抜け参道を歩いていると、道淵でおやつなどを売る数件の屋台が目に入った。

屋台と言ってもパラソルを1本立てただけの道端にコンロや鍋を置いているだけの店だ。

その屋台を覗いてみると何やら見たことのないおやつが目に入った。
大きな鍋で煮ているものが何なのかは分からなかったが、いい匂いがしていたという記憶はない。
爪楊枝付の紙コップに虫を揚げたようなおやつが入っていた記憶がある。

韓国人の友人に聞くとポンデギ(번데기)という韓国の伝統的な食べ物だと言うことだった。
友人は蚕のさなぎを煮た料理だと説明してくれたが私たちに勧めはしなかった。

おそらくその友人も韓国人でありながらその料理は好きではないんだと思った。

昆虫料理は韓国だけの文化ではない。
日本でも蜂の幼虫を佃煮風にして食べる地域があると何かで見た記憶がある。

しかし私も好奇心はあったものの買ってまで食べようとは思わなかった。

サンナクチ(タコのブツ切り料理)と一緒に…

今年の9月が終わるころ韓国で一人旅をした。
1日目は釜山のササンという街に泊まったが、その夕食はキンパプ(海苔巻き)とカルグクス(麺スープ料理)で簡単に済ませた。

そして一杯やろうと思って入った別の食堂でサンナクチ(タコのブツ切り料理)とソジュ(焼酎)を注文した。

サンナクチを注文したらポンデギも付いてきた

そこにサンナクチと共に運ばれてきたのがポンデギ(번데기)だった。
注文したメイン料理に加え、キムチなどの付属料理が付いてくるのが韓国の食文化でもある。

ポンデギ(蚕のさなぎ)

この食堂でサンナクチに付いてきたのはポテトフライとワカメスープ、そしてポンデギだった。
四半世紀前に直指寺(チクチサ)の参道の屋台で見たポンデギに、こんなところで出会うとは奇遇だった。

先ずはサンナクチを肴にソジュを飲んだ。
これは韓国で酒を飲む私の旅スタイルのひとつだ。

タコの吸盤が喉に吸いつくような感覚も懐かしい。
塩とごま油が生ダコにこれほど相性がいいとは、この料理を食べるまでは知らなかった。
日常習慣のない晩酌を旅で望むのもこのサンナクチのお蔭だ。

ソジュと交代に飲むワカメスープも悪くはない。
家から釜山までの移動疲れもこのワカメスープで取れそうなほどだ。

少し酔いが廻るまでは手を付けずに見ていたポンデギだったが、せっかく付いてきたのだから一口でも食べてみようかと思った。
食感は想像通りだ。
噛むと中からジワッと少し味のある汁が口の中に広がり少し癖のある臭いがする。

食べられないこともないが好きな味ではない。
薄皮は噛んでいたら解けてなくなるといったものではなく、最終的には飲み込むしかない。
少し無理をしてでも食べ切ろうと思い、ビールを追加して流し込んだがそれでも完食は無理だった。

これはスンデ(腸詰料理)を初めて食べた時と同じ感覚だった。
食べてみたいという好奇心はあっても口に合わない食べ物だったということだ。

サンナクチ、ワカメスープ、ポテトフライを完食して店を出た。

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