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日本人を意識することになった1日

普段田舎に住んでいると海外の人と出会うことなど全くない。
しかし観光地に行けば、そこが日本だということを見失うのではと思うほど外国人の多さに驚かされる。
コロナ禍で行き来が規制されていた前と後では、その様子も大きく変わったと実感できる。
以前なら日本では見かけなかった国から来ている人も少なくない。
そんな現代だからこそ、日本人としての誇りや振る舞いを見直すことになった1日を紹介する。


日本人としての文化や誇りを見直す切っ掛けが国内旅行に?

昨日奈良東大寺に行った。
夫婦で何となく取り交わされている月一行事の年内ノルマを果たすためだ。
約束をして絶対的にクリアしなければならない行事と言うわけでもないが、一月飛ばしてしまえばそのままフェードアウトしてしまいそうだからだ。

外国人ばかりの茶店

東大寺に来るのは数年ぶりだった。
コロナ禍が落ち着き始めた頃に一人旅で来た時以来だ。
観光客の数をその時と比較することに意味はないが、日本人と外国人の比率には驚かされた。

数えた訳ではないが平日ということなのか、どう見ても日本人の観光客の方が圧倒的に少ない。
これは東大寺に限ったことではなく、今年行った姫路城や四国でも同じことだ。

東大寺から二月堂に歩く途中で茶店に入った。
私たち夫婦にとっては、お洒落なカフェよりも落ち着きそうな店構えだったからだ。
店内に入ると、ここでもほとんどが外国人の観光客だった。

外国人が多いからといって何も気負うことはない。

しかし私が田舎者だからか若しくは昭和生まれだからかは分からないが、なぜか普段以上に日本人を意識している自分に気付いた。
日本人らしくない振る舞いをしないように気を付けたということだ。

店員を呼ぶ時もどうにか聞こえるであろう最低限の声で「すみません」と手を上げるといった風にだ。
その店内で外国人が大声を出していたわけではない。
外国人ばかりにしては静かだと感心したくらいだ。

私たちが敢えて壁に向かって座るカウンター席を選んだのは、周りが見えないほうが落ち着けると思ったからだ。
それが高じて日本文化の色濃い抹茶を頂き、穏やかに休憩することができた。

日本人らしさを考える切っ掛け

東大寺に入る前に写真を撮ろうとしてスマホを構えていると、前を横切ろうとした外国人の女性が立ち止まってくれた。
ファインダーのカメラと違い周囲の状況も視界に入るスマホだから気付いたことだ。

前を歩く人が写り込む角度ではなかったが、一旦スマホを下げて笑顔で「どうぞ」と手のひらを上に向けて行ってくださいという合図をした。
その女性は「サンキュー」と言って足早に通り過ぎたが、観光地ならどこにでもあるこのような状況で私の仕草は正しかったのだろうかと考える切っ掛けになった。

なぜそのような小さなことが気になったかと言うと、これまでにも海外に行く飛行機の中で席を変わって頂いた外国人にうまく感謝を伝えることができなかったといった後悔が残っていたからだ。

その時も英語など話せないのに「サンキュー」とだけ言って終わらせたことに後悔していた。
外国語が話せないのなら日本語で「ありがとうございます」とシッカリ言う方が返って気持ちが伝わったのではないだろうかと思っていたのだ。

立ち止まってくれたこの女性には「どうぞ」だけではなく「ありがとうございます、どうぞ通って下さい」と言うべきだったと思ったのだ。

このような些細な出来事を、理屈っぽく考えることの方が間違っているのではとも思わなくはない。
しかしこの後、それ以上に考えさせられる出来事に遭遇した。

日本人の日本語に違和感を感じたのは?

東大寺にはお土産を販売しているところがあり、そこには外国人観光客が列をなしていた。
想像では東大寺の職員か、若しくはその関係者が管理をしている土産物店だ。

先に行こうとしていた私に妻が「お守りを買いたいからちょっと待って」と呼び止めた。
お守りを選んでその係員に渡すと「ハイー1400円ネー」と言われ、1400円を手渡すと「チョウドネー」と言われた。

しかしその口調は、駄菓子屋で幼い子供に言っているような感じがしたと妻がその違和感を私に訴えた。
何もその係員を責めたいわけではない。
買い物をしているのがほとんど外国人なので、妻も外国人だと思い込んでの対応だったのだろう。
本人は親しみを持って対応していると思っているに違いない。

しかし60歳を過ぎた日本人の女性に対応する姿勢でないことだけは明らかだ。
妻が違和感を持つのも当然だ。

相手がどこの国の人であろうと日本語で対応するのは、不慣れな英語で対応するよりもいいことだと思う。
だが日本語で対応するとするなら、誰であろうと自信をもって丁寧な日本語を使うべきなのだろうと思ったのだ。

英語が苦手な私も今後は堂々と丁寧な日本語を使うように心掛けたい。

日本人の私が日本国内に於いて日本文化を見直す切っ掛けになった1日だった。

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