幼稚園・保育園の先生必見!!園児 ダンスの悩み解決!! その7
できる子とできない子の差があって困る
この質問もよくされます。
月齢の差は大きく、まだ生まれて数年のこどもには色々な差があって当然です。
ダンスにおいて、できる・できない、は理解力・体力・運動能力・観察力など様々な要素が関わってきます。
そして大きな要素は「今、できる」「今、できない」です。
C君はあと数ヶ月先には平気でできるであろうことが、今できないだけかもしれません。
でも運動会・発表会の日程は決まっていて、その日に披露しなければいけません。
先生はみんな平均的に出演したり、公平なフォーメーションで踊らせてあげたい、と思うのは当然です。
その対策として、ダンスで列になったり、左右に分かれたり、グループに分けたりするときに、その列なりグループには必ず「しっかりした子」を配置して、ちょっとできない子をしっかりした子がいるところに配置しませんか?
わからなくなっても、しっかりした子が引っ張ってくれるから大丈夫。
振りを覚えていなくてもしっかりした子を見て踊ることができる。・・・その思いからでしょう。
しかし・・・「今、できない子」はしっかりした子がいてもできないことはできないんです。
そうすると、どうしてもずれて踊ったり、人の振りを見て踊ったりするのが返って目立ってしまいます。
その度に先生はイライラしたり、ストレスを感じたりしませんか?
当然です。
極端な話ですが・・・小学校のこどもに大学生の勉強を教えようとしても無理ですよね?
でもその小学生は大学生になると、普通に勉強ができるようになるはずです。
小学校生に「今」無理やり大学の勉強を教えることは無謀ですよね。
わかりやすく極端な例を書きましたが、それと同じです。
ではどうしたらいいでしょう?
今できることをさせてあげましょう。
PETIPAは研修会でよくこの話をしますが、ほとんどの先生が目からウロコです!!とおっしゃいます。
どういう解決法かというと・・・
「今できない子」を集めてしまうのです。
例えばフラッグを持って踊るダンスをしているとします。
フラッグのダンスは揃ってこそ、ですよね。
ピシッと揃うと圧巻です。
左右違う色を持ったりすると、反対の手をあげると、間違ったことが一目瞭然です。
だからこそ、ピシッと揃えたいと練習に励みます。
そのときに「今できない子」が間違うと・・・
先ほどのことのようになります。
そういう時は・・・
小さいフラッグを持ってピシッと踊るところに「大きなフラッグ」を持つチームを作ります。
そのチームこそ「今できない子」のチームです。
場所はセンターでもいいですね。
そして大きなフラッグを雄大に大きく振ってもらいます。
周りに小さいフラッグを持った子がピシッと踊っていますが、その振付を踊る必要はありません。
ゆっくりと大きく堂々と振ってもらいましょう。
大きいフラッグの子同士もタイミングが合わなくてもOKです。
そういう箇所を作ると・・・いいことづくめです。
* いつもできないでいることから解放されて楽になる。
* 今できることをしているから楽しい。
* 大きなフラッグで目立たせてあげられる。
* 先生もイライラしない。
どうでしょう?
返って、その子達をまとめてしまいます。
それは排除したり、仲間外れにすることではありません。
今、できることをさせてあげると自信がつきます。
どうしてもできない子を引っ張り上げようと努力されるのはわかります。
でも今、できないのはできない、のです。
先にきっとできるようになるはずですが、目の前に迫っている運動会や発表会に無理やり間に合わそうとする方が無理な時もあります。
確かに、もう少し頑張ればできる・・・その努力を促すことも大切ですね。
その頃合いは先生が一番よくお分かりになることでしょう。
一つの例として提案していますが、実際にこのアドバイスによって、チームを分けたところを作ってダンスをされた園の先生はたくさんあり、その効果にびっくりされています。
今できることをすることによって「自分は一人でできるんだ。」という自信ができます。
そうすると他のことにも少しずつ挑戦するようになりました!というお声も頂いています。
「何よりこどもが楽しくなってきて、喜んでダンスをしてます。」というお声もたくさんいただきました。
個性を大切にしよう、ということは皆さんよく言われます。
これも個性ではありませんか?
先生の気持ちの重さはよくありません。
それより、今できることを楽しく、堂々とさせてあげてください。
フラッグを例にとりましたが、他のダンスでも応用できますね。
手拍子をする・ジャンプで表現する・座る立つ、というような簡単な振付にする・みんなが踊っている周りを走る・・・
いろんなアイデアが浮かびます。
1曲全部でなくていいんですよ。
どこかそういう箇所を作る、ということです。
先生も「今できること」を考えてくださいね。