『一年中クリスマス』の謎がとけた時わかったこと
ーーー 私は、見てしまった。
友達の家には、ずっと、ずっと、
気になる部屋があって。
1日だけ、その部屋のドアが、
あいていたんだーーーーーーー
その時、
私はたしか高校3年生だった。
高校1年生のときに、
よくお邪魔させてもらっていた
友達Rちゃんの家に、久しぶりに来ていた。
「どの部屋であそぶー?
どこでもいいよ!
勉強も少ししよっか~」
Rちゃんはそう言って、いつも
リビングや、和室の客間や、
子ども部屋など、あちこちを往復しながら、
私にどの部屋で過ごしたいかを選ばせてくれていた。
「どこでもいいよ~」
と答えながら、
実は気になる部屋があった。
Rちゃんが・・・
「この部屋だけはだめ。
入ったら、マジで殺されるからー」
と教えてくれた部屋。
いつもドアが閉まっていて、
もちろん、入ることはなかったけれど。
2年ぶりにきたRちゃんの家で、
私たちはリビングで勉強をしていて、
お手洗いをお借りしたとき…
あの、気になる部屋のドアがーーー
あいていた。
⦅ わ、 あの部屋だ!!!⦆
ドキ ドキ ドキ、、
す、少しだけ
ドアがあいているだけなのに、
かなり焦ってしまった。。
入ってはいけないのだから、きっと、
見てもいけないはずだ!と思った。
だから私は、
右手に見えるドアをかわすように、
左側だけを見るよう、努めて歩いた。
左のカベに、
体を押し当てるようにして歩く。
⦅ 私はカベ、私はカベ、私はカベ、⦆
何度も自分に言い聞かせた。
だが、しかしーーーーー
私は、もう、見てしまっていた。
見たんじゃないの!
見たんじゃないんです!!!
最初に、見えてしまったのだ~~~~~
( ;∀;)。。
少しだけ開かれた
ドアの向こう側には・・・
ドッサリ!
といっていいほど積まれた
たくさんのプレゼントがあった。
部屋の全容は、
まったく、わからないけれど、
入口であれなら、部屋中もしかして……
プレゼントだらけ???
と思ってしまうほどだった。
⦅ なんで? なんで? なんで? ⦆
気になるけど、聞けぬまま、
私の頭の中では、
Rちゃんち、もしや、
サンタ業してるの?
だって、あんなプレゼントの山……
クリスマスじゃん!!!
と結論づけようとし、
胸の高鳴りが抑えられず、、
リンリンリンリン… シャンシャンシャン…
鈴の音が、早くも鳴り始めていた。
もう勉強どころでは、ない。
頭の中にはトナカイまで駆けつけている。
リンリンリンリン… シャンシャンシャン…
クリスマス~ プレゼント~
クリスマスじゃないけど
冬でもないけど
リンリンリンリン… シャンシャンシャン…
一年中が クリスマス~♪
⦅ 作詞作曲してしまった自分がこわい。⦆
リビングに戻り、
勉強しているRちゃんの前で
ちっとも勉強できず、
ぼーーーーーっと、していると……
リビングのドアが 勢いよく開き、
元気な声が、そこに響いたーーー
「あれ、ゆまちゃん!
久しぶり~~~~~~~」
Rちゃんのお兄さんだった。
「お久しぶりです。」
な、なんか、お兄さん、、
雰囲気ちがうな。
髪の色も、肌の色も、2年前とちがう。
別人じゃないか。
いやいや、それはいいのです。が、
その格好は、やめてくだされ。。
お風呂あがりの、バスタオル1枚!
私がお邪魔しているのに言えないけども。
Rちゃんのお兄さんは、それを察して?
着替えて、(といってもパンツ一丁で)
ぬれた髪をタオルドライしながら、
また、リビングに戻ってきた。
手になにか、持っている。
「ゆまちゃん、これあげる!
オレもうすぐ、
全国ツアー始まるからさ、くる?」
ーーー へ???
その紙には、
チケットぴあと書かれてあって、
(´⊙ω⊙`)
お兄さん、デビューしてた。
Rちゃんちが隠していたのは、
【サンタ業】ではなく、
【お兄さんが芸能人】ということだった。
あの部屋には、
ファンからのプレゼントが積まれ、
リビングの隣にある台所には、
かわいらしいタッパーが並んでいて、
これもまた、ファンからの贈り物らしい。
お風呂あがりに、
パンツ一丁でそのタッパーを抱えて
パクパク、もりもり食べるのを見て、
「この子、毎日好物食べてるのよ。
贈りものいただいて。
こんなにたくさん、信じられない!」
と、お母さんが、笑っていた。
2年会わないと、人間は、
髪の色も、肌の色もかわり、
芸能人に変わっていることがあるらしい。
その日、1日中、
ハトが豆鉄砲を食ったような、
そんな顔をしていただろう私は、
赤鼻のルドルフよりも、
鼻を赤くしていたかもしれない。
⦅いま現在も、花粉症です。。○| ̄|_⦆
→ 全記事一覧へ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?