ぼくがダイエットできないのは心のせいではない。
いろんな問題を"心"というふわりとしたもののせいにしがちだけど、もしかしたら、それは単なる習慣かもしれないし、癖かもしれない。(心の病気はあると思うけど)
『行動分析学入門』(杉山 尚子著)では、行動の理由を「行動随伴性」という概念で説明する。
簡単に言えば、行動を分解し、行動の前後での変化に着目する。行動の後にメリットがあれば、その行動が"強化"され、繰り返すというものだ。
心に原因を求めるのではなく、行動そのものに着目して、その行動を理解する。それによって、やめる方法、続ける方法も検討できるのだ。
食事中、左手をポケットに入れて食べる少年も、だらしない"心"のせいではない。ポケットに手を入れるという行動の前後の変化に着目して、その人にその行動をさせる理由を探る。例えば、その行動によるメリットが発見できれば、同じメリットを与えることでその行動をやめさせることができる。
つまりは、ぼくのダイエットが続かないのは、ラーメンを食べないという強い意志とか、負けない心とかそんなものではなくて、行動のメリットをうまく仕組み化できてないからだろう。
やる気や意志の強さというものは確かにあると思う。ただ、心にのみ理由を求めるのではなく、行動そのものに焦点を当てて考えることで、新たな視点で、改善ができるかもしれない。
実家で飼っているクー(ミニチュアシュナウザー)は、天才で人の言葉も理解できて、いろんな芸ができる。だけど、これも行動分析学で考えれば、餌がもらえるということで強化された習慣なのかもしれない。そう考えると、しつけという当たり前のことを言っていることも気がする。だけど、ひとの行動も心のせいだけではないと改めて認識できる。
そんなことを思いながら、もしかしたら思考のクセというのも、同じことが起こってるかもしれないなと思う。
ものごとをポジティブに捉えるひと、ネガティブに捉えるひと、その違いは普段の思考のクセ、つまりポジティブに考えることによるメリット、ネガティブに考えるメリットがあって強化された。
そう考えると、感情や思考を少しだけ客観的に見られるような気がする。
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