2019年オフ広島の補強ポイント~野手編~
リーグ4連覇を目指して迎えた広島の2019年シーズン、その終着点は70勝70敗3分の4位という不本意な結末となりました。
そんな中、若手選手はフェニックスリーグへと繰り出し、佐々岡真司を新監督としてコーチ組閣も始まりつつあるなど、来季に向けての準備は既に始まっているわけですが、今後はドラフト会議や新外国人選手獲得やFAなど選手編成の時期へと入っていきます。
そんな中、現状の広島にどのような課題があり、このオフにどのようなポイントを抑えれば、長期的に再び優勝を目指すことのできるチームを構成することができるのかについて以下にて考察していきます。
1.2019年の敗因
まず課題を把握するという点で、2019年シーズンにて広島がリーグ4連覇を逃した要因を分析していきますが、詳細については前稿の「広島はなぜ4連覇を果たせなかったのか」に譲ります。
そこで挙げた要因の中で、戦力的な面では大きく下記2点が挙げられました。
①野手力の地盤沈下
3連覇中は強みとなっていた、走攻守全ての面で秀でた総合的な野手力の高さが、故障者や不調者の続出、丸佳浩の移籍、新井貴浩・エルドレッドの引退によって失われてしまった(とりわけ長打力)。
②投手の戦力拡充を怠った
ここ数年の素材型重視のドラフトや新外国人がイマイチなことによって、戦力の拡充が図られず現有戦力のみでの戦いを強いられ、各投手の疲労分散が上手くいかず劣化が早まってしまった。
この点を踏まえて、今オフの補強ポイントを以下にて探っていきます。
2.現状把握~野手編~
まず野手について、現状を整理していきます。
手順としては、
①ポジションごとでどこに強み/弱みがあるのかを把握する
②一軍/二軍それぞれのポジションごとの現状を示し、強み/弱みについてどのような状況なのか詳細な考察を行う
③デプス表を用いて、年代別についても考察を加える
にて現状の整理を行なっていきます。
①ポジションごとの強み/弱み
セリーグ各球団ごとのポジション別攻撃力(wRC+)と守備力(UZR)を比較したものが、表①となります。
※wRC+とは‥打者が創出した得点数を示すwRCに、パークファクターを考慮した補正をかけて、平均値と比較したもの
平均を100と表現しているため、例えば広島のRFの180という数値は、平均的な打者に比べ1.8倍の得点創出に貢献したことを示す
※UZRとは‥守備での貢献を同ポジションの平均と比較して得点化したもの
失策、進塁抑止、守備範囲、併殺完成などの項目を総計して算出される
表の見方としては、色が赤に近づくほど強みとなっていることを示し、青に近づくほど弱みとなっていることを示しています。
この表を見ると、広島ではC(捕手)とRF(右翼手)は攻守両面で強みとなっていることが分かります。一方で、3B(三塁手)は攻守両面で弱みとなっており、田中広輔・松山竜平・長野久義が中心となって起用されることが予想されたSS(遊撃手)とLF(左翼手)は、名前を挙げた3名がいずれも不振に陥ったことで攻撃面で大きなマイナスとなってしまっています。野間峻祥・西川龍馬が主に起用されたCF(中堅)守備も大きなマイナスとなっていますが、後半戦にCFに定着した西川の守備は日に日に上達を迎えたため、そこまで大きな心配はいらないと考えます。
以上より、他球団と比較し相対的に見たポジション別の強み/弱みは下記のようになります。
・強み
攻撃面:C、1B、RF
守備面:C、2B、LF、RF
・弱み
攻撃面:3B、SS、LF
守備面:1B、3B、CF
②ポジション別詳細
続いて、一軍/二軍それぞれでポジション別にどのような選手が出場したのかという点と、どれほどの活躍度を示したのかを攻守両面にて示し、先ほど確認した強み/弱みとも結びつけながら考察を行なっていきます。
②−1 一軍
・C(攻◯ 守◯)
2年前から正捕手として完全に一本立ちした會澤翼が、今季もメイン捕手として攻守両面で活躍を見せ、大幅な強みとして全体的に野手力の落ちたチームを鼓舞しました。
2番手には、攻守ともに衰えは隠せませんがジョンソン専属捕手として出場を続ける石原慶幸、それに続く3番手としては、意外性のある打撃で代打で起用されることも多く進境著しい磯村嘉孝が控えるという布陣にて2019年は戦いました。
會澤だけでなく、その下の世代である磯村も攻守両面に及第点以上の成績を収めているという層の厚さも、フル出場が難しい捕手というポジションが強みとなり得ている大きな要因でしょう。
今季FA権を取得しその動向が注目される會澤ですが、仮に移籍してもそれに全く対応できない布陣ではないのも、磯村の存在があってのものです。
・1B(攻◯ 守×)
新井・エルドレッドという、昨年まで主に1Bを担った両者が退団となったことに加え松山の打撃不振により、バティスタが主に担うこととなりましたが、持ち前のパワーを発揮し長打力不足を埋める働きを見せました。
そのバティスタが8月に禁止薬物使用により、出場停止処分が科されたことで、松山が代わりに1Bを務めることとなりましたが、wRC+は94でUZRは-4.0と攻守両面でバティスタの穴を埋めるには至りませんでした。
トータルでは強みを示した攻撃面もバティスタによってもたらされたものが大きく、UZRは低いながらも安定したハンドリングを見せた守備面の穴も考えられるため、今後のバティスタの契約状況によっては大きな穴ともなり得るポジションと言えましょう。
・2B(攻△ 守◯)
例年通り菊池涼介がレギュラーを務め上げ、コンディション不良に悩まされながらも攻守両面で及第点の数字を残し、相対的に強みとして機能しながらも、チームの総イニングの実に93.8%を消化しました。
勝負強い打撃と流れを変える守備で、数字以上の貢献度を見せた菊池ですが、次点の選手が僅か22イニングを守った曽根海成とサンタナとなってくるのは、チームとしては憂慮すべき点でしょう。
ポスティングシステムによるMLB移籍も噂されていますが、その代わりとなる選手を見出せていないために、2Bについても1Bと同様に状況次第では来季以降弱みとなってしまう可能性は拭えません。
・3B(攻× 守×)
最多イニング出場の安部友裕でさえ全体の41.7%である533.2イニングと、レギュラー格となる選手が2019年も現れず、攻守両面で弱みとなってしまいました。
新井貴浩がFA移籍した2008年以降、中々レギュラーを確立する選手がおらず、2017年に打率.310を記録した安部も故障の影響からか、レギュラー定着とはいかずここ2年は精彩を欠くシーズンとなっています。
二軍でOPS1.014と圧倒的な打撃力を発揮し、昨季までと比較し多く出場機会を得たメヒアも平均点レベルの打撃力しか示せておらず、年齢も然程若くないことから、新外国人の補強も含め何かしらの手を打つ必要のあるポジションではないでしょうか。
・SS(攻× 守△)
昨季まで不動の1番SSであった田中が、膝の故障のためまさかの大不振に陥り、守備面ではUZR1.4と及第点の数値でしたが、wRC+が111から46へと急降下し、昨季まで保っていた優位性を一気に失ってしまいました。
その代わりに起用されたのが、4球団競合ルーキーの小園海斗でしたが、高卒ルーキーで田中の穴を埋めることは難しく、攻守両面で強みとは呼べないポジションとなっています。
しかし、小園の成績は高卒ルーキーの遊撃手としては出色のものであり、将来のコアプレイヤーとして未来は決して暗くないポジションです。
・LF(攻× 守◯)
松山、長野、西川が主に起用されることとなったLFですが、前半は西川、後半は松山がメインで起用されることとなりました。
しかし、打撃を求められるポジションでありながら、リーグ平均以下の攻撃力に終わってしまい、得点力を落としてしまった一つの要因ともなってしまいました。
守備面では相対的に秀でた数値とはなっていますが、西川が稼ぎ出したものがほとんどのため、実質は攻守ともに弱みとなっていると言っても差し支えないでしょう。
松山、長野が本調子であれば、攻撃力については上積みが期待できますし、直近では両ベテランの復調に期待する他はないのではないでしょうか。
・CF(攻△ 守×)
前半は野間、後半は西川と前後半でレギュラーが変化しましたが、両者守備には苦しんだ点は共通だったものの、打撃に関しては明暗がハッキリと別れました。
丸の後継者として期待の高かった野間ですが、思いのほかCF守備に苦しみ、昨季進化を見せた打撃も元さやに納まるような形となってしまい、ポジション奪取とはいきませんでした。
そんな中、後半戦から1番CFに座った西川が、初挑戦のCF守備に悪戦苦闘しながらも、打撃に集中できるようになったことからか長打を量産し、wRC+は136とリーグトップの巨人のwRC+140とそん色ないレベルの数値を記録しました。
ですので、トータルの守備面は大幅なマイナスとなっていますが、攻撃面では平均レベルまで上昇しています。大幅マイナスとなった守備も進化の跡が見えるため、来季以降は再び強みのポジションとなる可能性を大いに秘めています。
・RF(攻◯ 守◯)
RFを務めたのは、丸の移籍により名実ともにチームの顔となった鈴木誠也ですが、12球団No.1のWAR8.6を記録し、首位打者・最高出塁率に輝くなど見事にその重責を果たして見せました。
wRC+180、UZR10.7と他球団と比較しても圧倒的な優位性を持ち、かつ鈴木はまだ25歳であるため、故障さえなければしばらくは強みのポジションとして機能することは間違いないでしょう。
②−2.二軍
二軍においては、一軍よりは簡易的に出場イニング→出場試合数、wRC+→OPS、UZR→守備率という形にて、将来像の面を中心に考察していきます。
・C(将来像○)
最も出場機会を得た捕手としてはベテランの白濱裕太となっていますが、実質は故障があり復帰が遅くなった中村奨成がレギュラー格と言っても差し支えないでしょう。
出場機会は少なくなったものの、打率は.201→.279、OPSは.556→.725まで引き上げるなど、持ち味の打撃は着実な成長曲線を描いており、来季以降に大きな期待を持てそうです。
ここに名前はありませんが、打撃センス抜群の3年目・坂倉将吾の存在もありますから、Cに関しては今のところ未来は明るいと言えましょう。
・1B(将来像△)
智弁和歌山高校からドラフト3位で入団した林晃汰が、1Bのレギュラー格として起用され、打率.225、7本塁打、OPS.674と高卒ルーキーでは優秀とも言える打撃成績を収めています。
おそらく中神拓都の守備機会の確保の意図もあっての1Bメイン起用となっていますが、3Bをこなせるだけの守備力はあるはずであり、1B守備も83試合の出場で6失策と安定しています。
その他では、メヒアや堂林翔太といった中堅どころが多く出場していますが、今後は林の出場機会が増えていくでしょうし、貴重な和製大砲として順調なスタートを切ったと言えましょう。
ただ、今後は三塁手に転向していく可能性も大いにあり、その他に目ぼしい選手もいないことから、将来像については△としたいと思います。
・2B(将来像○)
ドラフト7位と下位入団ながら、2Bのレギュラー格として打率.300、23盗塁を記録したのが羽月隆太郎です。
OPSは.644にとどまるなど、出塁能力や長打力には課題はありますが、高卒ルーキーで打率.300を記録するのは並大抵のことではなく、かつ23盗塁を記録した走力や、78試合で8失策と安定した守備も持ち合わせており、コアプレイヤーという匂いはしませんが、今後に非常に期待が持てます。
次点でサンタナが多く出場を重ねており、こちらも今後需要が伸びてきそうなUT(ユーティリティー)型の外国人野手として、7本塁打、OPS.707と打撃面はまだまだ成長過程ですが、今後の成長に期待がかかります。
以上より、2Bというポジションについても将来は明るいと見て取れます。
・3B(将来像△)
3Bはこちらも2018年ドラフト4位入団の中神拓都が主に務めることとなり、打率.219、1本塁打、OPS.610と最低水準はクリアしたような打撃成績を収めました。
最低限はクリアしたものの、コーナーポジションに求められるほどの打力とまではいかず、その他にもSSや2Bをこなすなど、将来的にはUTとして成長していくかもしれません。
今後どのような成長曲線を描くかは分かりませんが、現時点では3Bを任せるには打力不足感があり、今季は主に1Bを務めた林が3Bに回ってくることも考えられます。
その他には、1Bと同様にメヒアや堂林が出場機会を獲得しており、若手と呼べる選手がいないことから、将来像はその他のポジションよりははっきりしておらず△と判定します。
・SS(将来像○)
後半戦は一軍に定着し多くの経験を積んだ小園が、二軍でもレギュラー格となっています。
トータルの数値こそ打率.210、OPS.605と大したことはありませんが、交流戦後の二軍降格から後半戦の一軍昇格前には.360、2本塁打を記録し、フレッシュオールスターでは先頭打者本塁打を放つなど大器の片鱗は間違いなく覗かせています。
そして、一軍での成績も高卒ルーキーのSSとしてはレベルの高いものであり、将来コアプレイヤーになることが期待されます(小園の将来像については別稿「小園海斗の将来像を探る」をご参照ください)。
その他にも、将来的にはUTの期待の高いサンタナや中神が主にポジションつくなど、小園をバックアップすることになるであろう選手たちも経験をしっかり積めており、将来への視界は良好と言えましょう。
・OF(将来像△)
OF(外野手)についても、永井敦士、大盛穂、正随優弥とプロ入り2年目までの若手がメインの出場機会を得るなど、その他のポジションと同様に若返りを見せています。
ただOPSを見ると、OFに求められる打力がどの選手もイマイチな状況であり、まだまだ若い選手揃いとはいえ、内野各ポジションに比べると将来を描きづらい状況となっています。
その他の選手も、OPS.825を記録した高橋大樹以外は打力に乏しく、もう一枚若手外野手を獲得するのも、競争状態を創出する意味では良いのかもしれません。
③年代別考察
最後に年齢別のデプス表を用いて、どのポジションのどの年代に補強ポイントがあるのかを確認していきます。
・C(デプス○)
経験豊富な大ベテラン・石原、正捕手・會澤、年々成長を見せる磯村、若手のホープ・坂倉/中村と、年代や経験ごとに綺麗に上からの階層となっており、現状で年齢構成に全く問題はないでしょう。
仮に會澤がFA移籍したとした際には、捕手の人数が6名となってしまうため、そのような状況となれば1名補充しておきたいところです。
・1B(デプス△)
一般的に肉体面のピークとされる28歳前後に、バティスタを始め数名の選手が在籍しており、その下となると19歳の林まで下らなければならない構成となっています。
林とバティスタらの間に1Bを務める選手がいないため、当面は松山や外国人をあてがっていく方針なのでしょう。ただ現状未定のバティスタとの契約が未更新となるようでしたら、間違いなく補強を行う必要が出てきます。
・2B(デプス×)
不動のレギュラーである菊池を年齢的にも頂点とし、二軍には打率.300を記録した羽月が控える布陣ですが、菊池がMLB挑戦希望を表明している中で、その間の年代に目ぼしい選手がいないのは大きな問題です。
仮に菊池が今オフにMLBへ移籍することとなると、レギュラー格を務められそうな選手はこの中にはいませんし、田中の状態次第では2Bへコンバートさせることも考えなくてはならないかもしれません。
・3B(デプス×)
安部・堂林・メヒアなど、年齢的には一定の成績を収めてもらいたい選手たちが、故障の影響や伸び悩みもあり揃いも揃って成績を収められず、その下に続く選手は中神や林まで下らなけれなならないという苦しいデプスとなっています。
という状況を鑑みると、やはり今オフの優先補強ポイントに据えざるを得ません。
・SS(デプス△)
こちらも2Bと同様にして絶対的なレギュラー(だった)田中を年齢的に頂点とし、プロスペクトとして小園が控える形となっています。
この両者の間の年代に目ぼしい選手がいないことも2Bと共通の悩みの種ですが、こちらは田中が直近で移籍する可能性が薄く、小園が既に一軍で台頭を見せていることから、2Bほど悲観的になる必要はないでしょう。
・OF(デプス△)
OF全体としては、松山・長野といった経験豊富なベテランが脇を固めつつも、20代中盤の野間・西川・鈴木が中心を担うなど非常に若いデプスとなっています。
ただ年代構成としては、野間とその上の世代となる松山・長野までは、下水流昴をトレードに出した影響で、大きな空洞が空いている点は見逃せないポイントです。場合によっては経験のある中堅外野手を補強しても面白いかもしれません。
3.補強ポイント~野手編~
現状把握で出たポイントをまとめると、下記のようになります。
Good
・C/RFについては、現状・将来ともに強みと成り得るポジション
・後半戦にハマったCF西川は、守備面を含めても今後強みとなる可能性が高い
・二軍の中心選手はいずれも若く、坂倉/中村/小園などセンターラインを守る選手にコアとなれそうな選手がいるため、将来の展望は明るい
Bad
・會澤・バティスタ・菊池といった中心選手に退団の可能性があり、特に1B/2Bについてはその後釜となる存在は不在
・會澤のFA移籍が想定されるCには二軍の運用を考えても要人員補充
・3Bが攻守ともに弱みとなっており、二軍で目ぼしい選手の台頭もない
・上記より、長打を期待したい1B/3Bから長打を期待できなくなる可能性がある
・鈴木以下の年代の若手OFが全体的に打力に欠けており、将来へ多少の不安を残す
坂倉、中村、小園などセンターラインのポジションにて、将来コアとなりそうな野手は控えているため、将来を見据えた補強は今季は不要でしょう。
ですので、野手力の地盤沈下という今季の敗因に対しては、現行戦力に即戦力補強のような応急処置を加えながら、坂倉以下の世代の台頭をアシストするような形で対応するのがベストだと考えます。
以上を踏まえ、野手の補強ポイントとしては、
①長打力のある1B/3B(LF)
②大社の2B
③磯村/坂倉に次ぐ3枚目の捕手
④二軍で競争を煽れるOF
の4点となるのではないでしょうか。
①長打力のある1B/3B/(LF)
今季大きく得点力を落としてしまった要因としては、長打力が落ちてしまったという点が大きく、そんなチーム状況の中で長距離砲であるバティスタとの契約が不透明な状況あるため、長打力不足の解決は真っ先に手を打たなければならないポイントです。
また、ドラフトで即埋めるのは難しく、二軍にもそれだけの人材はいないため、外国人打者に頼らざるを得ないでしょう。
プランA 1B:バティスタ 3B:新外国人 LF:松山竜平/長野久義
プランB 1B:新外国人 3B:安部友裕/メヒア LF:松山竜平/長野久義
バティスタが残留する場合と、そうでない場合の2通りのパターンを考えてみましたが、バティスタが残留するなら3Bに加えたいですし、退団となれば1Bをメインとし、松山や長野の疲労に考慮してLFもこなせるような選手が理想となるでしょう。
加えて1Bを守る選手を獲得するのであれば、ハンドリングに優れ、その他のIF(内野手)が安心して送球を行える選手であることも一つ条件です。
ただ、これでは退団となった際の3Bの弱さは改善されないため、田中を2Bのみならず3Bでも起用することを検討して、トータルで穴を埋めていく方針に舵を切るべきです。
②大社の2B
菊池のMLB移籍も想定される2Bについては、次点で続く選手が現状は存在しないようなデプスの薄さであるため、何かしらの手を打つ必要があります。
育成年代には羽月という存在があるため、一つ年代を上げた曽根辺りの年代(23歳~25歳)で即戦力クラスを獲得し、デプスを厚くするのが良いでしょう。
もしくは、小園という存在があるため、場合によっては田中を2Bに転向させることで菊池の穴を埋めるような発想も必要ではないでしょうか。
③磯村/坂倉に次ぐ3枚目の捕手
會澤がFA移籍となると、一年間一軍でマスクを被り続けた経験の無い磯村や坂倉がメイン捕手となるため、絶対的な存在はなくなり、経験不足は顕著なものとなります。
加えて、チームトータルで捕手は6名と二軍の運用を考えても、もう一枚は欲しいところですし、石原が一軍に居座る以上は来季の出番は少ないかもしれませんが、将来的には磯村/坂倉/中村を刺激するような存在として、この3人とはタイプの違うディフェンス型の大学社会人出捕手を獲得しても面白いでしょう。
④二軍で競争を煽れるOF
優先度は然程高くはありませんが、二軍の若手がイマイチ打力を発揮できていない状況な分、尻に火をつける意味でも打力に秀でる選手を獲得することで競争を煽るのも将来を見据えてはアリでしょう。
特にテコ入れがないようなら、来季も今季と同様の二軍OF布陣となるでしょうし、出場機会をただ与えるだけでなく、勝ち取るような体制を作りたいところです。
そうすることで、より現有戦力のノビも期待できるのではないでしょうか。
以上、ここまでが野手編となります。
続いて投手編…と行きたいところですが、かなり字数を消化してしまいましたので、次稿にて詳細を考察していきたいと思います。乞うご期待ください!