広島の外国人編成における一考察
今季広島には計8名の外国人選手が所属しました。
その内訳は、投手にジョンソン・ジャクソン・カンポス・フランスア・ヘルウェグ、野手にエルドレッド・バティスタ・メヒア、となっています。
そして本日、上記リンクのニュースの通りエルドレッド・ジャクソン・カンポスの3名の退団が発表されました。
それでは、なぜこの3名が契約を更新することなく退団することになったのかについて、以下で簡単に考察していきたいと思います。
①エルドレッド
2014年には本塁打王を獲得し、2016年・2017年には20を超える本塁打を放ち、リーグ連覇に大きく貢献し、広島の外国人史上最長の7年の在籍となったエルドレッドですが、今季は長打力こそ健在だったものの確実性に欠け、6月以降は二軍暮らしが主となってしまいました。
その辺りについては、以前noteにまとめてあるのでそちらも是非ご一読ください。
今季で2016年オフに結んだ2年契約が切れ、かつ年齢も既に38歳を迎えるという状況に加え、一回り若いバティスタやメヒアが一軍戦力として目途が付いていたりと、チームとしてエルドレッドの長打力に頼らずとも勝てる体制を今季確立させたように感じます。
また、現在行われている秋季キャンプにカープアカデミーからの野手の練習生も混じっているようですので、日本野球に馴染み切っているとはいえ高齢かつ高年俸のエルドレッドを残留させようとする選択肢はなく、外国人もより若くより安くという方面へシフトし始めているのかもしれません。
私個人としても、2012年の途中入団時からずっと見てきた選手ですから、退団となるのは非常に残念ですが、チームとして新たな段階へ向かう上でのステップであると好意的に捉えたいですね。
②ジャクソン
今回退団が発表された3選手の中で一番意外な選手はこのジャクソンではないでしょうか。
今季も開幕からセットアッパーとして順調に成績を残していましたが、6月後半から突如乱れる場面が散見されるようになり、二軍落ちも経験するなど結果的には自己最小登板数に終わってしまいました。
ただボール自体は中々強力なボールを投じており、ストレートの平均球速は自己最速の151.1㎞を計測し、スライダーも4㎞ほど球速を上げ139.1㎞を計測しています。
かつ、チェンジアップをある程度使える質まで高めて、投球割合も増やすなど、単調な配球パターンに工夫を加えるような面もみられるなど、何らかの改良を加えようという意識は見られました。
ただ、単純に慣れられたことや、スライダーの球速こそ上がったもののいい時と悪い時がハッキリとしてしまう点があり、0か100かの計算しづらい存在になってしまっていました。
それに加えて、スライダーを武器とする投手が他に多くいることで、相対的に打ちやすくなりがちな面もあり、今の広島投手陣内にいないシンカーボーラーのヘルウェグと天秤にかけた結果、ヘルウェグの方が来季の戦力として計算できると踏んで、ジャクソンが退団という運びになったのでしょう。
3連覇を語る上では間違いなく欠かせないピースであった投手ですし、実力も確かでしたから、退団は非常に残念ですが、他球団からの引き合いもあるでしょうし、更なる活躍の場があることを祈っています。
③カンポス
カンポスについては特に語ることもなく、成績的に見ても妥当な退団ではないでしょうか。
ジャクソンのスペア的な存在で、昨季のブレイシアのような立ち位置を期待されていたはずですが、二軍でもパッとしない成績で、一軍でもジョンソンが妻の出産時に帰国した際に昇格し一試合に登板したのみに終わりました。
上から投げ下ろし、ホップ型の伸びあがってくるようなストレートと縦割れのスライダーが武器で、広島投手陣の中に混ぜると、タイプ的には面白いタイプかなと思いましたが、球威不足がたたり思ったような活躍が出来ずに終わってしまいました。
ただシーズン途中からフランスアやヘルウェグが登場してきたため、カンポスが上手く機能しなかったという点は、最小限の傷で収まったと言えるのではないでしょうか。
以上のように退団となる3選手について簡単に考察をしていきましたが、最後に簡単に来季の外国人の布陣について考察していきます。
基本的な布陣は、投手3名・野手1名という構成で、投手はジョンソン・フランスアは確定でもう一枠をヘルウェグと新外国人投手で争う形となり、野手はバティスタの起用が基本線で、調子等を考慮しながらメヒアや新外国人野手も起用されていくという形になるでしょう。
そして獲得が予想されるタイプですが、投手に関してはリリーフタイプが1名と先発タイプ1名で、野手に関しては中距離打者タイプで三塁や一塁や左翼を守れるような選手1名といったところでしょうか。
リリーフタイプの投手では、ヘルウェグと争う位置にある投手を獲得してくるということが一番に考えられるため、右のパワータイプの投手でタイプの違うスライダーを得意とする投手ジャクソンのような投手やスプリットやチェンジアップといった縦変化の得意な投手のどちらかがチョイスされることになるのではないでしょうか。
先発タイプの投手では、ジョンソンのバックアップとなるでしょうが、チームにいない左のパワータイプの投手のチョイスがベターなように感じます。
本来ならば、フランスアがこのポジションに収まるはずだったのが、リリーフに収まったので、バックアップが一人必要な状態になってしまいました。
ですので、来季に向けて一人外国人選手を獲得してくるかもしれませんが、練習生にモンティージャという左のパワータイプの投手がいるようですので、今後の成長次第ではこの投手がジョンソンの後釜として収まるかもしれません。
野手に関しては、西川の拙守のため安部くらいしかまともに守れない三塁か、丸のFAに伴い外野のポジションが一つ空いた場合には左翼or一塁がポイントとなるでしょう。
そして、メイン起用となるはずのバティスタとはタイプを被らせないことを考えると、打者のタイプ的には中距離打者型の率も意識できるような打者を狙うのではないでしょうか。
三塁をまともに守れるのが安部だけというチーム事情を鑑みると、三塁手を優先して狙っていくのではないかと予想されます。
来季、4連覇を目指していく上で外国人選手の活躍は欠かせないはずですから、シュールストロムスカウトとマクレーンスカウトの確かな目で、現状在籍する選手にも刺激になるような選手の獲得を期待しています。
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