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広島のドラフト1位は藤原?
昨日の報道にて広島のドラフト指名候補選手について、下記リンクのような記事が出ました。
高校生遊撃手の中でも出色の能力を持つ報徳学園・小園と、MAX158㎞を誇る剛腕リリーバー東洋大学・甲斐野の名前が挙がるのは分かりますが、高校生NO.1外野手の大阪桐蔭・藤原がまだ候補として名前が真っ先に挙がっているのは少々驚きました。
現状の広島の外野の陣容としては、左翼手は野間、中堅手は丸、右翼手は鈴木と全ポジションにレギュラー格の選手がおり、かつ年齢も全員まだ20代と次世代選手の補強に急を要するような状況ではないように思います。
今季の広島外野手陣のデプス一覧が上記表となります。
上記で挙げた三名以外にも、バティスタや下水流、二軍でそれなりに結果を出している高橋等、それなりの面子は揃っており、藤原をわざわざドラフト1位で取りに行く必要はないように見えます。
ただ天谷の引退と土生の戦力外で二枠空いたことで、ドラフト等での補強は間違いなくあるでしょうが。
このような状況の中で藤原の名前が挙がっているのは、単に藤原の能力の高さを評価しているのもあるでしょうが、丸のFA流出の可能性を捨てきれないということも背景にあるように思います。
本日、上記のようにロッテが丸に対し4年20億という破格の条件を用意していることを伝える記事がスポーツ紙面上に上がっていました。
あまり資金力のないロッテでこの額ですから、他球団はもっと巨額の金銭条件を提示してくるはずです。
そんな中で、広島は最大3年12億という条件を用意しているようです。
そのことについては以前noteを投稿していますので、そちらも読んでみてください。
これだけ他球団と条件に大きな隔たりがあると、いくら強いチームに在籍しているとは言っても、流出しかねないように思います。
ですので、本当に3年12億までしか出せないのであれば、広島としてもFA流出をある程度は覚悟しているのではないかと推測します。
そのため、確実にチームのコアプレイヤーになることを期待でき、かつ中堅手を務めることのできる藤原の名前が挙がっているのではないでしょうか。
ただしいくらコアプレイヤーになることのできる素養があるとは言っても、まずは二軍である程度の経験を積む必要はあるでしょうから、来年すぐ一軍でバリバリやれるかどうかと言うとそれはNOでしょう。
ですので藤原を獲得するとしたら、即戦力として丸の穴を埋めるというのではなく、長期的な視点で丸の穴を埋めていくという見方に立っての指名となるのでしょう。
そうなると丸FA流出後の広島の描く青写真としては、とりあえず中堅手には野間が入り、左翼手には残留すれば松山・バティスタを中心とし、新外国人も入れた併用をしながら、数年後には藤原がこの中に割って入ることを想定しているはずです。
ただこの想定は、来季以降も覇権を狙うのであれば少々楽観的すぎるようにも思います。
今季打撃力の進化で一気にレギュラー格へと駆け上がった野間ですが、一年中堅手を務めた経験はないですし、来年も今年と同じくらいの打力を発揮するかは不透明な部分が大きいでしょう。
また今季と同様の成績を収めたとしても、守備走塁面で丸と比較してプラスはあるでしょうが、打撃面でどうしても圧倒的な差は付いてしまいます。
今季の優勝の大きな要因として、相対的に抜きんでた丸の打力という面が大きいのは間違いないですから、そこを失うのはチームにとって大きなマイナスです。
そんな中で来季以降も優勝を狙うのであれば、丸の流出を易々と許している場合ではないでしょう。
ベストな選択は、やはり丸の残留に全力を注いでドラフト1位ではタナキクの後釜として小園や根尾といった高卒遊撃手か、崩壊気味だった投手陣の補強としての甲斐野や上茶谷の即戦力投手を取りに行くことでしょう。
一ファンとしては、ドラフト1位で藤原に行くのはブラフだとは思いたいですが、もし本当に藤原に入札するのであれば、丸の流出は覚悟しないといけないかもしれないですね。