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バティスタ不在でも問題なし?

シーズンも佳境の9月に差し掛かり、優勝争いも逼迫を迎える中、リーグ4連覇の可能性を僅かに残す広島も一進一退の戦いが続いています。

8/17のバティスタドーピングショック以降、得点源を失ったことから、ズルズル落ちていくかと思われましたが、9/10時点で10勝11敗と大きく失速することなく、Aクラス内に収まり、2位すら手の届く位置にいます。

この21試合中、平均得点は3.9点とおおよそ4点近くは奪えており、8/17以前でバティスタが3番スタメンで起用されなかった場合の平均得点が2.8点であったことを考えると、打線は機能していると言えるのではないでしょうか。

このようにバティスタ抜きでも打線が、以前のような機能不全に陥っていない要因について、以下にて考察していきます。

1.打順の最適化

まず第一に考えられる要因としては、バティスタの離脱を機に打順を一新したことでしょう。

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以上のように、バティスタが入っていた3番の位置に、1番に入り本塁打を量産するなど打撃好調であった西川龍馬をあてがうのではなく、不動の4番であった鈴木誠也以下を前に詰めるような打順構成へと変更しました。

ここでのポイントは鈴木という大打者をどれだけ引き立たせるかという点にあり、西川と鈴木が近づいたことで、走者を置いて鈴木が打席を迎える確率がより高まり、NPB内でも随一の鈴木の打力を得点に転化させることが可能になりました。

加えて、鈴木の後ろを任される松山竜平や長野久義が、この時期に入り調子を上げてきたために、鈴木から逃げさせず、残った走者を一掃させるような体制も整い、鈴木の出塁能力の高さも生かすことが出来るようになっています。

前後を打つバティスタや西川が封じられて6月には不振に陥った鈴木も、このような援護射撃を受けてか、.320/.427/.549/.976というスラッシュラインをマークし、12打点と走者を返す点についてはイマイチですが、7月から続く好調を維持して、打線を引っ張る働きを見せています。

このように最適化され、鈴木の存在を生かすことが可能となっている打順構成ですが、個人的にもう一つ弄るポイントとして考えているのが、西川菊池の並びです。

メカニクスやスイングから長距離打者に近いものを感じさせる西川は、1番という打順に拘らなくともその長打力を発揮することは可能だと感じます。

また、菊池の積極的に振り回していくスタイルは制約の少ない1番打者向きですし、1番に菊池を入れて振り回させながら、西川の長打力をより生かすために2番に据えるのもアリではないでしょうか?

2.長野・松山の存在

バティスタを欠く中で打線を引っ張るのは、当然鈴木誠也であり西川龍馬といった、規定打席に到達し打率.300を超えながらも二桁本塁打もマークするような強打者ですが、それ以外にも打線を引っ張る打者が存在します。

それが、直近で鈴木の後ろを任される松山竜平であり長野久義でしょう。

夏場に入るまで不振を極めていたベテランの両者が、ここに来て本来の打撃を取り戻していることが、得点力の底上げに繋がっているのは間違いありません。

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バティスタ離脱後の両者の打撃成績ですが、松山は然程調子が良いとは言えない成績ながらも10打点を稼ぎ出し、夏場以前は出来なかった最低限の働きが出来ています。

長野は少ない打席数ながら7打点でOPS.887と、得意の暑い季節にかけてキッチリ調子を上げてきました。

松山や長野のような積極型の中距離打者は、有走者時こそ真価を発揮するポイントゲッターとなりますし、実際この両名がそのような役割を果たしている点が、得点力に好影響を与えていることは間違いないでしょう。

欲を言えば、鈴木以降は中距離打者が並ぶ中に、もう一枚長距離打者を混ぜることが出来れば、より長打の威力が増し、一層得点力は増すこととなるでしょう。

現状のメンバーだと、メヒアにその役割を期待したいところですが、打球に角度が付かず、持ち前のパワーを長打という結果に結びつけられていないのは残念です。

3.ファストボール対応力の向上

今季の広島打線の課題の一つとして、ファストボールへの対応が劣化している点が存在しました。(詳細は下記リンク中の記事にて)

ファストボールへの強さは得点との相関も強く、昨年から得点力が低下した要因の一つともなっていました。

そんな中、ファストボールへの強さを見せていたバティスタの離脱は非常に痛手でしたが、その他の選手たちがその穴を見事に埋めています。

元々ファストボールヒッターであった松山と長野が復調し*、前半戦はファストボールへの対応がからっきしだった西川も、高めのストレートを叩いて本塁打を量産するなどファストボールへの強さを発揮し、鈴木バティスタ以外の打者のファストボールへの対応力の向上が見られます。

※昨年のwFA‥松山16.3 長野11.0

ただバティスタの長打力を埋めるには今一つであるため、バティスタのようなファストボールヒッターかつ長距離打者がいれば、リーグでも随一レベルの得点力となるのでしょうが…

4.まとめ

・打順の最適化
鈴木の打順を前に詰めることで、より鈴木の打力を引き立たせる体制が整えられた。
西川菊池の並びを逆にすれば、西川の長打力がより生かされ、かつ菊池本来の打撃を期待出来るため、今以上の得点力が期待できるのでは?
・長野/松山の存在
実績十分のベテランの両名が、鈴木の後ろを打てるほど調子を上げてきた。
積極型の中距離打者であり、走者を置いた状況に強さを発揮するため、鈴木が走者で出てもそれを返すことが期待できる。
欲を言えば、長距離打者をもう一枚挟みたいところ。
・ファストボールへの対応力の向上
バティスタが抜けた分を、ファストボールヒッターである松山/長野の復調、西川の本格化で埋めることに成功している。
ファストボールヒッターかつ長距離打者がもう一人いれば…

以上が本noteのまとめとなります。

確かにバティスタが抜けても、以前のように機能不全に陥っていない広島打線ですが、それでも平均得点は今季のチーム平均4.2点にも及ばず、投手陣頼みな状況であることは間違いありません。

バティスタとの来季以降の契約は白紙の状態とのことですから、今季はもう仕方がありませんが、来期以降は一塁手/三塁手/左翼手のいずれかのポジションで、ファストボールヒッターかつ長距離打者を務め上げられる打者を発掘できるかが、大きなポイントとなるのではないでしょうか。

#野球 #プロ野球 #広島 #カープ #得点 #打線

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