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2019年広島のドラフトを振り返る

先日実施されたドラフト会議にて、広島は育成選手を含め計9名の選手を指名しました。大学No.1投手と称される森下暢仁の単独指名の成功から始まり、2位以下の指名のついても苑田スカウト統括部長が「欲しい選手がみんな取れた。200点のドラフト」と話したように、球団としては非常に満足度の高いドラフトとなったようです。

個人的にも即戦力投手の確保は必須であると考えていたので、森下の単独指名の成功には非常に満足していますが、その後即戦力となりそうなリリーフ向き投手を指名しなかった点には少々疑問符が残ります。ただ全体で見ればまずまずのドラフトであったと言えるのではないでしょうか。

そんな2019年ドラフトについて、以下にて球団の指名の意図や補強ポイントとの合致具合、加えて指名選手がどのような選手なのかについてまとめていこうと思います。

今オフ補強ポイント確認

指名選手を確認していく前に、まずは今オフどの部分を重点的に補強すべきなのかについておさらいしておきます。

以上の2本のnoteにて詳細は記載しておりますが、まとめると下記のようになります。

・野手
①長打力のある1B/3B(LF)
②大社の2B
③磯村/坂倉に次ぐ3枚目の捕手
④二軍で競争を煽れる外野手
・投手
①先発(右投手)の即戦力
②リリーフの複数枚の即戦力(外国人を含む)

この点を踏まえながら、各指名について確認していきます。

1位指名.森下暢仁 投手 R/R 明治大学

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指名意図:即戦力先発として先発陣の強化

補強ポイント:投手①先発(右投手)の即戦力 に合致

今回のドラフトで最も獲得を要するのが即戦力の先発投手であり、今ドラフト対象投手の中でそれに最も適合するのが、この森下暢仁でした。という意味では、一番の補強ポイントに最適な選手を獲得できたということになり、直前で指名を公表した戦略を含めナイスな指名と言えそうです。

選手紹介:上から投げ下ろすMAX155㎞のストレートに加え、カットボール/カーブ/チェンジアップを投げ分ける今ドラフトNo.1即戦力投手

一番の魅力は何と言っても空振りの取れるストレートです。MAX155㎞という看板だけでなく、アベレージでも140㎞後半は優に超え、上から投げ下ろす分ホップ成分の効いているため、非常に打ちづらいボールとなっています。

加えて、130㎞後半の球速帯で鋭く曲がり落ちるカットボール、縦割れのカーブ、落差はないもののホップ型のストレートとのコンビネーションが冴え渡るチェンジアップが持ち球としてあります。カットボールはいわゆるスラッターのような変化を見せるボールで、プロでも十分武器と成り得るボールです。カーブカウント球としてのクオリティーは十分ですし、ボールが来ないタイプのパラシュート系チェンジアップも右左関係なく投げ込み、決め球としても機能しそうなボールです。また、それぞれのボールのコマンドにも優れているため、四死球による自滅を考えづらいのもポイントでしょう。楽天の岸孝之のような投手というと、想像しやすいかと思います。

また投げる以外の部分でも秀でており、大学のリーグ戦では5番を打つほどの打力を兼ね備えフィールディングも問題なしと、まさに広島のエースの系譜を継ぐような投手と言えそうです。

課題を挙げるとすれば、1試合を通しては問題ありませんが、フォーム的に再現性を通年維持するのが難しそうなため、疲労が嵩む夏場辺りに成績を落としそうな点で、1年目から通年先発ローテに入り続けるのは難しそうなところでしょうか。まだまだ体の線も細く、ビルドアップの余地を残しているため、即戦力の触れ込みには間違いありませんが、数年かけて広島のエースとなっていくことに期待しましょう。

2位指名.宇草孔基 外野手 R/L 法政大学

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指名意図:伸び悩む2014年ドラ1野間峻祥の尻叩き+外野手のデプス底上げ

補強ポイント:野手④二軍で競争を煽れるOF に合致

昨季レギュラーを掴みかけた野間峻祥の伸び悩みや、丸佳浩や下水流昴の移籍により一軍レベルの外野手の層が薄くなっていることから、2位では宇草孔基が指名されることとなりました。即戦力投手の指名が続くと予測されただけに少々意外でしたが‥。一軍でいきなり出ずっぱりとはいかないでしょうから、これは一応野手の補強ポイント④にも当てはまると考えられます。

選手紹介:スローイングにやや難ありながらも、パワーとスピードを兼ね備える広島向きの外野手

昨年の秋にレギュラーを掴み、そこから2季連続で打率.330を越え、本塁打も2季で6本放つなど高い打撃能力を見せるとともに、50m走5.8秒の俊足を武器に2季で9盗塁とスピードにも定評のある、広島好みのパワー&スピードタイプの打者です。

若干体が一塁側に流れるきらいがありますが、内からバットが出て来てボールを面で捉えられるようなスイング軌道に見えますし、左投手から3本塁打を放つなど苦にしません。加えて走力も野間と同等クラスのものを持っているため、出場機会自体は早くから訪れることとなるはずです。

出塁率は高くなくOPSは高く出ないタイプですが、パワーとスピードを兼ね備えたフリースインガー気味の打撃スタイルは、制約が少なく自由に打てるトップバッター向きと言えましょう。ただそのようなタイプの選手がチームに飽和気味なのは気になるところですが。

課題としては、Twitter上でも動画が上がっていましたが、バックホームの送球が何バウンドもして捕手へ到達するような、スローイングの弱さが第一に上がってくるでしょう。遠投は100mとなっているため、地肩が弱いというわけではないと思うのですが、ここが改善されないようだとLF専任のような形となってしまいそうです。出場機会を広げるためにも、ここは改善すべきポイントです。打撃では、一塁側に体が流れ外のボールをしっかりとコンタクト出来ないシーンが散見される点は課題と言えましょう。打席シーンで多々見られる動きで、癖になっているのかもしれませんが、しっかり振り切ることを念頭に置く必要があるのではないでしょうか。こちらも本格化には数年かかると思いますが、素質は間違いない選手だけに将来の上位打線候補として期待したいところです。

3位指名.鈴木寛人 投手 R/R 霞ヶ浦高校

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指名意図:将来の先発投手候補

補強ポイント:上記ポイントとは合致せず

苑田スカウト統括部長が「外れ1位でもおかしくない」と評したほどの逸材で、即戦力リリーフ投手を指名するのではなく、将来の先発ローテ候補として3位では鈴木寛人が指名されました。現場目線の現実的な補強ポイントというよりは、将来に再び黄金期を形成することを狙っての指名なのでしょう。

選手紹介:まとまりがありつつもスケール感も残すMAX150㎞の素材型右腕

MAX150kmのストレートに注目が集まりますが、現時点ではそのストレートに球速と同等のボリュームを感じさせるものはなく、むしろ持ち球である縦に割れるスライダー/フォーク/チェンジアップといった変化球の精度が良く、まとまりのあるタイプと言えます。

186cmと体格も良く、スケール感を残しつつもまとまりのある好素材であり、素材としては高校の先輩である遠藤淳志よりも上なように見えます。その遠藤が一軍で既に戦力となっていることから、鈴木も2〜3年目には一軍の舞台で先発登板を果たしていても全く不思議ではありません

近年大型右腕を指名し確実に戦力としていることから、育成に大きな不安はありませんが、上記のようなストレートのボリューム感の無さは、課題として改善していきたい部分です。高校生の打撃レベルも上がっているとはいえ、常時140kmを超えるストレートを持ちながらあまり空振りを奪えていないのは気になります。おそらく真っスラ系の球質がその原因なのでしょう。その球質をわざわざ直す必要はないと思いますが、プロ入り後はストレートという部分に拘り磨いていってもらいたいものです。

4位指名.韮澤雄也 内野手 R/L 花咲徳栄高校

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指名意図:昨年4人入団した高卒内野手に競争を煽る存在

補強ポイント:上記ポイントとは合致せず

昨年のドラフトで一挙に4名の高卒内野手指名したため、今年のドラフトでの獲得は無いと思われましたが、4位には3番SSで甲子園にも出場し、U-18でも3番を打った韮澤雄也が指名されました。昨年入団し多くの出場機会を得た4名の高卒内野手に対して、「このまま出場機会を与え続けるわけではない」と競争を煽るための指名と推測されます。

選手紹介:特筆すべきツールはないものの、実戦力が高く確実に戦力となってくれそうな内野手

2017年に夏の甲子園を制覇するなど、すっかり甲子園常連校となった花咲徳栄にて2年生の時から3番SSで出場を続け、今年のU-18でも3番1Bとしてベストナインに輝くなど卓越したミート力に定評にある選手です。

パワーや俊足といった飛びぬけたツールはないものの、ボールへコンタクトする力は確かで、バットもきっちり内から出てくるため、U-18で打率.345をマークするなど木製バットへの対応も問題なく、スピード感に慣れれば早々にプロレベルに対応できそうな打撃レベルにある実戦的なタイプの打者です。ですので、二軍でも一年目から打率.250前後は期待して良いのかもしれません。

守備は肩は強いみたいですがプロでSSに残れそうな身体能力には見えず、1年目はSSもこなしつつ2Bや3Bにも挑戦するような形となると思います。将来的には2B/3Bをメインとしたユーティリティープレーヤーとなるのではないでしょうか。今季までチームに在籍した庄司隼人とタイプが被りますが、高校通算16発と長打が全くないわけでもないため、ロッテの鈴木大地を目標に打撃を磨きつつ、様々なポジションを経験してほしいと思います。

5位指名.石原貴規 捕手 R/R 天理大学

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指名意図:近未来薄くなることが予測される捕手の層を埋める

補強ポイント:野手③磯村/坂倉に次ぐ3枚目の捕手 に合致

會澤翼がFA権を行使せずチームに残留することを発表したものの、石原慶幸は既に40歳を迎え、白濱裕太や船越涼太が一軍戦力となりきらず年齢を重ねる状況の中で、磯村嘉孝と坂倉将吾/中村奨成の間に生まれている世代の空白を埋めるために5位で指名されたのが石原貴規でした。

選手紹介:打撃に課題を残すものの、スローイングがウリのディフェンシブな捕手

天理大学では1年時からレギュラーを務め、3年時までは打撃面に弱点がありましたが、4年時のシーズンでは春秋ともに打率.400超えと進化を見せ、春には首位打者に輝きました。その進境著しい打撃とともに、ウリはディフェンス面で特にスローイングの精度は高く、担当の鞘師スカウトもその点を非常に評価しています。

成績上では打撃に大きな進化が見られますが、動画がないため何とも言えないところで、かつ50m走が6.8秒とプロレベルではかなり鈍足となる部分も、敏捷性と打撃(パワー)が密接に関係してくる中では致命的な部分となりそうです。なので打撃面には課題ありと評しています。

ただスローイングの精度は高く、ディフェンス面を強みとして押し出していくことで、磯村/坂倉/中村奨成らと差別化を図って一軍定着を成し遂げたいところです。ですので、まず目指すところとしては、ディフェンス面に優れる2番手捕手の立ち位置でしょう。そのためにスローイングのみならず、ブロッキングやフレーミングといった技術をしっかり磨いてもらいたいところです。

6位指名.玉村昇悟 L/L 丹生高校

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指名意図:左腕先発候補の薄さや左腕投手育成力の向上を鑑みて1枚加える

補強ポイント:上記ポイントとは合致せず

伝統的に左腕投手が育ちづらい土壌があり、常に左腕投手が不足していましたが、カープアカデミー上がりのフランスアや床田寛樹/中村恭平といった左腕が一挙に台頭し、育成力向上を見せつけました。加えて先発タイプの左腕が不足しているという事情もあり、6位では玉村昇悟が指名されることとなりました。補強ポイントとは異なりましたが、6位まで残っているような投手とは思えないくらいレベルの高い投手です。

選手紹介:コマンドに優れ、ボールのキレで勝負する高校生屈指の左腕

甲子園出場経験こそありませんが、今夏の福井県大会ではチームを初の決勝戦に導き、自身も現オリックス・山田修義が持っていた県大会の奪三振記録を塗り替えるなどこの夏に大きなアピールに成功した、今年の高卒左腕では屈指の好素材です。

特徴は何といっても打者の手元でスピードを感じさせるストレートで、空振りを奪うことの出来る球質です。加えてスライダーのキレも中々のものであり、現状ではこの2球種で投球を組み立てています。また左打者/右打者のインサイドを正確に突くことが出来るほどのコマンド能力を持っているため、この手の投手にありがちな制球面での破綻がないのも、素晴らしい点です。

肩甲骨周りが柔らかいのか、テークバック時に肘が背中側に入りすぎる点は過去の例(伊藤智仁etc…)からも故障につながりやすい動作なため、故障には気を付ける必要がありますが、ドラフト3位の鈴木とともに順調にいけば2~3年後には先発ローテの一角を務めていても何も違和感はありません

課題を挙げるとすると、現状では対右打者への攻め手がクロスファイヤーとそこから曲げるスライダーくらいしかなさそうなので、チェンジアップを身に付けることが出来れば、先発ローテ入りが見えてくるのではないでしょうか

育成1位指名.持丸泰輝 捕手 R/L 旭川大高

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指名意図:近未来薄くなることが予測される捕手の層を埋める

補強ポイント:野手③磯村/坂倉に次ぐ3枚目の捕手 に合致

本指名で捕手の石原を獲得しましたが、直近数年で複数名の捕手がチームから抜けることが予想されるチーム状況の中で、育成ながらもう一名指名されたのが持丸泰輝でした。

選手紹介:星稜・奥川恭伸にも対応した打撃センスに優れる捕手

今夏甲子園に2番捕手として出場し、3球団からドラフト1位指名を受けた奥川恭伸から1安打と痛烈な右飛を放ち、一躍注目を集める存在となりました。

奥川のストレートに力負けしないスイングの強さを持ちながらも、スライダーにも自分の間で捉えることが出来ている打撃は非常に高いセンスを感じさせます。またバットを縦に使うようなスイング起動を描けているため、縦変化系のボールには比較的強そうな点は、現代野球のトレンドにも適合してそうです。

捕手での指名となりましたが、実際二軍の捕手事情は2年前のドラフト1位の中村奨成、5位で指名を受けた石原貴規、白濱裕太、船越涼太と人数は豊富なため、育成選手の持丸に対して出番はそう多くはないでしょう。ただ上述の通り打撃センスは中々のものを持っているため、二軍で高い打撃成績を残すようなことがあれば、早々に外野手へと転向なんてこともありうるかもしれません。

2番を打っていたということで動けない選手ではないでしょうが、特別俊足というわけでもなさそうで、捕手としてのディフェンス面も現時点では良くも悪くも特徴がないように見えますので、スローイング/ブロッキング/フレーミングといった捕手としての守備力を磨きつつ、如何に打撃力で突出していけるかが生き残りのカギとなってきそうです。

育成2位指名.木下元秀 外野手 L/L 敦賀気比高校

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指名意図:今季二軍外野陣を担った正随優弥/大盛穂/永井敦士に競争を煽れる存在

補強ポイント:野手④二軍で競争を煽れるOF に合致

今季二軍の外野を主に担った正随/大盛/永井は、いずれもプロのキャリアはまだ浅いながらも打力を発揮できておらず、彼らを更なる成長へ導くためにも若手外野陣に火をつける存在が必要でした。そのような存在として、打力に優れる外野手の木下元秀が育成選手としてですが指名されることとなりました。

選手紹介:広角に打ち分ける柔らかさも持った左の好打者

東出輝裕や西川龍馬など広島の主力選手を輩出している敦賀気比高校の出身で、2年生まではエース左腕として活躍しましたが、秋に肘を痛めたため打者に転向したようです。その打者としても高いセンスを見せつけ、4番打者として高校通算36本塁打を量産し、甲子園でも3試合で7安打6打点と結果を残したことで、プロ入りへの道を切り開きました。

打者のタイプとしては、スラッガーというよりも左の中距離砲のように見えます。変化球にもコツンと合わせるような柔らかさも持つ打撃で、チーム内でいうと松山竜平が近いタイプにあたるのでしょう。

打撃がウリの選手ですが、走力はプロの中に混ぜると平凡なもので、ポジションもずっとLFを守っていたのは少々気になるところです。左投げの選手でポジションも限られますので、1BやRFなどその他のポジションも守れないとプロでは厳しいでしょう。ですが、その他の若手外野陣が打力を発揮できていない現状があるので、まずは打撃でアピールして自らのアイデンティティーを確立してもらいたいものです。

育成3位指名.畝章真 投手 R/S 香川オリーブガイナーズ

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指名意図:チームにはいない右サイド投手の確保

補強ポイント:上記ポイントとは合致せず

右投手では身長180㎝超えの大型投手を獲得する傾向が強く(今季支配下登録投手中21/25が180㎝超え)、系統が一辺倒になりがちな部分がありました。そんな中、右投手ながらサイドスローで他の投手と差別化を図ることができる投手として白羽の矢が立ったのが、一軍投手コーチ・畝龍実の実子である畝章真でした。一応独立リーグではリリーフもこなしていることから、投手の補強ポイント②に合致しそうですが、支配下登録ではなく即戦力とはみなされていないということで、補強ポイントとは合致していないと表現しています。

選手紹介:様々な変化球を投げ分けるリリーフタイプのサイド右腕

広島新庄高校の出身で名古屋商科大を経て香川オリーブガイナーズに入団することとなりました。情報があまりなく、センターカメラからの動画もないため、どのような投手かはイマイチ分かりかねますが、サイドスローから繰り出す140㎞前後のストレートに6つの球種を操るリリーフタイプの投手のようです。

今季の四国アイランドリーグでの成績を見てみると、92.2イニングを投げ、被安打は93本とやや多く、三振は70個と少なめ、与四球は26個と然程多くないという成績となっています。おそらくは制球面はそこまで破綻なく、打たせて取るような投球スタイルなのでしょう。課題としては、ストレートは140㎞前後とのことですから、もう少し球威が欲しいところでしょうか。

現状の投球スタイルはよく分かりませんが、お股本読者のようですので、トレンドであるピッチトンネルを意識して通すような変幻自在の投球スタイルを手にすることが出来れば、もしかすると面白い存在と成り得るかもしれません。指名にあたって多少は縁故の要素はあったのかもしれませんが、サイドスローの投手がいないチームの現状もあるため、期待値はそれなりにあるのではないでしょうか。

今ドラフト総括と今後の補強について

今ドラフトを総括すると、佐々岡真司新監督の「即戦力投手を」という要望を受け入れ、森下の指名に踏み切りましたが、それ以降は来季への即効性というよりも将来への投資を引き続き行い、現在の20歳前後の世代が本格化する頃に再び黄金時代を狙うような意向があるように見て取れました。

ただドラフトで獲得した選手たちは、素材型タイプよりも実戦派タイプが多いような印象で、戦力化にはそれほど時間はかからないように見えます。ですので、しっかりと出場機会を確保してやり、実戦の中での成長を促していきたいところです。ただプロのスピード感やパワーに負けるようでは、それも難しくなってきますが‥。

最後に今後の補強のポイントとして残った中では、野手①長打力のある1B/3Bと今ドラフトでは手を付けなかった投手②リリーフの複数枚の即戦力(外国人を含む)が第一となってきます。この二点は外国人選手の獲得によって埋めるつもりなのでしょう。あるいはリリーフ投手については、何かしらトレードで埋め合わせをするのかもしれません。

まだ去就についての明言のない菊池涼介の動向によっては、秋季キャンプ中にチーム内で大幅なコンバートプランも出てくる可能性もありますので、そのあたりも注視しながら来季の編成を考えてみるのも面白いと思います。

以上、長文となりましたが最後までご覧いただきありがとうございました。

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