線状降水帯発生情報(顕著な大雨に関する情報)とは
2021年6月17日から、「顕著な大雨に関する情報」が運用開始となります。
どういった情報で、出された場合はどんな行動を取ればいいのかをまとめました。
線状降水帯の発生を伝える
顕著な大雨に関する情報は
一言でいうと「線状降水帯発生情報」です。
線状降水帯により非常に激しい雨が長く降り続き
土砂災害や浸水害、洪水害による災害の危険度が高まっているときに
速報として危機感を伝えるものです。
線状降水帯とは
近年報道でもよく使われるようになった線状降水帯ですが
これは極めて大きな災害をもたらす危険な雨雲です。
↑熊本豪雨発生時の線状降水帯(2020年7月4日午前5~6時)
線状降水帯は文字通り線状になった降水域のことを示し
積乱雲が同じ場所で次々に発生し続け
数時間から半日の間に非常に激しい雨が集中的に降り続くために
甚大な被害につながることがよくあります。
直近の線状降水帯による災害の例としては
2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨、2020年の熊本豪雨などです。
今回の情報はこの線状降水帯の発生をいち早く知らせ危機感を共有するものです。
発表基準
この情報はコンピュータにより自動的に発表され
人の手を介しません。
このため以下の条件を全て満たせばすぐに発表されます。
これからわかることは、
ある程度広い範囲に非常に活発な雨雲がかかり
実際に災害の危険度がかなり高まっているときに出されるということがわかります。
平成29年7月以降の災害事例でシミュレーションを行ったところ
顕著な大雨に関する情報が発表された事例のうち
82%で土砂災害や床下・床上浸水による災害が発生していました。
この情報が出された場合は、ほぼ災害が発生すると思ってください。
避難へのキッカケにしないで
多くの事例で災害が発生していることから
この情報が出たら避難しようと考える方も多くいらっしゃるかもしれません。
ただそれはとても危険なことです。
前述の通り、この情報は既に大雨になっている時に発表されるため、災害が発生しているか、避難が困難な状況になっている可能性もあります。
実際、5段階ある大雨の警戒レベルの中にこの情報の相当レベルは与えられていません。
(例えば土砂災害警戒情報はレベル4相当とされている)
避難指示(レベル4)が出ていれば
状況をよく確認して安全な場所へ避難を開始し、
緊急安全確保(レベル5)であれば
外出がかえって危険な場合は、出来るだけ上の階に上がるか、斜面や川などの反対側へ移動するなど、
命を守るための最善の行動を取る必要があります。
↑気象庁HPより
線状降水帯の情報が出る前から
自治体の指示に従って適切な行動を取れるようにしておきましょう。
どこでこの情報を知る?
まだ始まったばかりで、どこも手探りになるかと思いますが
テレビでは恐らく警報等と同じ速報として
上にテロップが出るのではないかと思います。
また気象庁HPの「雨雲の動き」や「今後の雨」のページでは
線状降水帯となっている部分に赤丸が表示されるようになります。
↑気象庁HP 今年の出水期から実施する各取組について 参考資料より
実際の雨雲の形は丸ではなく
完全に一致はしないので丸にギリギリかかっていないからといって
大丈夫だという風にはとらえないでください。
危険かどうかはキキクルにて、
災害毎の危険度を知ることが出来るので是非ご活用ください。
結局どうすればいい
線状降水帯発生情報が発表される前に
警報や土砂災害警戒情報等、何かしらの情報が出ていると思います。
また、警戒レベル3の高齢者等避難
警戒レベル4の避難指示等が発表されているところもあるでしょう。
なので、この情報はあくまで実況で危険な状況になっているという
補足情報という位置付けであり
実際の避難行動はそれ以前に行ってください。
いろんな情報があふれてわかりにくいと思いますが、
とにかく
レベル3の高齢者等避難、レベル4の避難指示までには
必ず安全な場所への避難をお願いします。