1か月予報(10/2~11/1)
9月30日発表の一か月予報です。
全国的に気温が高く、季節の進みは遅いでしょう。
1.一般向け
高温傾向
向こう1か月の気温は北日本で平年並みか高く
その他は高い予想です。
高温傾向は特に10月前半で顕著で
気象庁から高温に関する早期天候情報が発表されており
10月6日以降の約1週間は沖縄・奄美、西~東日本で
かなりの高温が予想されています。
農作物の管理や熱中症などに十分注意して過ごしましょう。
西・東日本は晴れ多い
向こう1か月の日照時間は西~東日本で平年並みか多く
沖縄・奄美は平年並みか少なく
北日本はほぼ平年並みの予想です。
西~東日本は高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れる日が多いため
日照時間は長くなる傾向です。
一方、南西諸島は南東からの湿った空気の影響を
受けやすいため寡照傾向です。
一雨が多い
降水量は西~北日本でほぼ平年並み
沖縄・奄美で平年並みか多い予想です。
10月中旬は沖縄の南で対流活動が活発で
台風のたまごが発生しやすい環境となります。
このため10月中旬は西~東日本と沖縄・奄美で
湿った空気の影響を受けやすく、一雨の量が多くなりそうです。
2.専門版
熱帯
熱帯域の200hPa速度ポテンシャル負偏差の対流活発域は
1週目に西部太平洋~中部太平洋を弱いながら東進し
2週目以降は南米付近。これはMJOに伴うものとみられる。
200hPa速度ポテンシャル(熱帯)
また、一部はBSISOにより北西進し
フィリピン海~南シナ海~東南アジアで対流活発。
200hPa速度ポテンシャル(1週目、2週目、3・4週目)
この対流活動はSSTの高温も寄与しているとみられる。
海面水温(9/27-28)
上層
アジアモンスーン域の対流活発が影響し
チベット高気圧が強まり
中東~日本の東にかけて広く高気圧性循環偏差で
偏西風は北偏傾向。
特に黄海付近を中心とした偏差が強く、日本付近は西谷が弱い。
これは北西からのロスビー波束伝播も寄与している。
200hPa流線関数(1か月)
中層
500hPa高度はヨーロッパ付近からの波列が伝わり
中国から日本付近は広く正偏差域。
但し、アリューシャン付近でトラフが深く
北海道は偏差0線が一部かかる。
500hPa高度(1か月)
下層
西谷が弱く、リッジ場になりやすいため
850hPa流線関数は西~東日本に高気圧性循環偏差がみられる。
一方、南シナ海やフィリピン付近は対流活発域に対応して
低気圧性循環偏差となり、南西諸島には南東から湿りが入りやすい。
850hPa流線関数(1か月)
海面気圧はこれらに対応し、本州付近は正偏差、南西諸島は負偏差で
西~東日本は高気圧に覆われやすく、南西諸島は湿った空気の影響を受けやすい。
海面気圧(1か月)
ただし、2週目以降はアジアモンスーンが日本の南まで入り込み
高気圧性循環偏差が東に偏るため
気圧の谷の影響も受けるようになる。
850hPa流線関数(1週目、2週目、3・4週目)
また、アリューシャン付近の低気圧は負偏差で
度々北海道付近は冬型となり、下層寒気が入るため
850hPa気温は北海道は負偏差域。
偏西風北偏が寄与し、西~東日本は顕著な正偏差。
850hPa気温(1か月)
まとめ
・偏西風は北偏傾向、西谷は弱い。
・西~東日本は高気圧に覆われやすく
モンスーンの影響で南西諸島は湿りが入りやすい。
・冬型の影響で北海道は度々寒気が入り
他地域より高温傾向は弱い。