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台風進路図の見方

台風の進路予想はアテにならん、ハズレばっかりと

ヤフコメでよく見ます。

そんなに当たってないようには思いませんけどね。。

誤差

気象庁HP 台風予報の精度検証結果

気象庁HPから台風進路予報の誤差のグラフを持ってきました。

縦軸が誤差なので、下に行くほど精度が上がっていることを示しています。

どの予報時間も右肩下がりで着実に予報誤差は小さくなっていますね。

まあ確かに、5日先であれば誤差は300km近いので

ハズレているように思うかもしれませんが。。

5日先の進路を計算できるこの技術が

まずすごいと思ってほしい所存でございます。

愚痴はこのくらいにしといて。。

でも台風経路図の見方って誰に教わるものでもないし

我々気象予報士がしっかり周知すべきものですよね。

ただ、テレビで毎回やってると尺がなくなっちゃうので

是非この機会に知っていただければと思います。

台風経路図のページこちら

予報円とは

台風経路図

気象庁HP 台風情報の種類と表現方法 より

予報円は台風経路図の白い破線で描かれている円のことです。

その近くに書かれている時刻が予想時刻で

予報円は、この予想時刻に台風の中心が70%の確率で入る領域と定められています。

たまに、予報円を台風そのものの大きさと勘違いされる方もいますが

予報円の大きさと台風の強さは関係ありません

予報円の大きさは予報の「不確実さ」を示しています。

台風の中心が入る確率が70%なので、

予報円が大きいほど、台風が行く先の可能性がある場所が広いということです。

一般的に、予報時間が先になればなるほど、予測のブレ幅が大きくなるので

予報円も大きくなります。

ですので、予報円が大きいときは、まだどこにいくかよくわからないんだな~と思っていてください。

ちなみに、予報円の中心には点が打たれ、

その中心を結んだ線が破線で描かれますが、必ずしも台風の中心がその中心線を通るとは限りません

予報円が大きい場合は、以下のような場合が考えられます。

・コースの予測がバラバラ

・速度の予測がバラバラ

・どっちもバラバラ

このバラバラ加減の中で、70%はこの領域に入るだろうと予測した円が

予報円であり、たまたまその中心を結んだ線が中心線なので

必ずしも中心を通るわけではないのです。

暴風警戒域

台風経路図

予報円の外側に赤い線が描かれる時があります。

この赤線は暴風警戒域で、

台風の中心が予報円内を進む場合に暴風域に入る恐れのある領域です。

ですからこの赤枠内に入っている地域は

今後暴風域に入るかもしれないということです。

ちなみに、裏技的な使い方をすれば、予報円の一番外側を通った場合に

暴風域の一番外側と赤枠が一致することになるので

予報円の最も外側から暴風警戒域の赤枠までの距離が

その予報円の対象時刻に予想されている暴風域の半径ということになります。

暴風域、強風域

台風暴風域

気象庁HP 台風情報の種類と表現方法(台風情報の見方)より

暴風域は赤円で示されます。

風速25m/s以上の暴風が吹いているか、

地形などの影響がない場合に吹く恐れのある領域です。

つまり、地形などの影響を受ければ吹かないことがあるので

暴風域に入ったからと言って

いきなり風が強まらないということがあります。

逆に地形の影響を受けて風が強まることがあるので

暴風域に入っていないからといって暴風にならないとも言い切れません。

強風域は黄色の円で、風速15m/s以上の強風が吹いているか、

地形などの影響を受けない場合に吹く恐れのある領域です。

風の強さと被害などの関係はおおよそこのような感じです。

風の強さ

気象庁HP 風の強さと吹き方 より

暴風域の基準の風速25m/s以上は非常に強い風と呼ばれ、

看板が落下したり、屋根瓦が飛散したりと被害が出るような風です。

暴風警戒域に入った場合は、対策を取りましょう。

強風域の基準の風速15m/s以上は強い風と呼ばれ

向かい風に向かっては人は歩けなくなり、転倒する人もいます。

強風域でも油断せずに安全な場所で過ごす必要があります。

暴風域に入る確率

予報円のしくみはわかったけど、暴風域に入るかどうか結局わからない。

そういったときに見ると役立つのが

暴風域に入る確率です。

暴風域確率

気象庁HP 台風情報の種類と表現方法(暴風域に入る確率)より

色が濃いほど暴風域に入る確率が高いことを示しています。

また、3時間ごとの予想もグラフで見ることが出来ます。

グラフ

気象庁HP 台風情報の種類と表現方法(暴風域に入る確率 時間変化)より

どの時間が一番暴風域に入りやすいのかが一目でわかるので

是非参考にしてください。

ただし、暴風域がない場合や予報円がまだその地域にかかってきていない場合はこのページは見ることが出来ません。

台風は早くから備えられる

台風情報はかなり細かくなっており

少し詳しい人なら米軍やヨーロッパなど他国の台風予報も見ているかもしれませんね。

台風は接近や上陸すると甚大な被害をもたらすことがありますが

数日前からその恐れはわかってきます。

台風経路図をマスターすれば、早めに備えられると思いますので

まずは気象庁HPで色々触ってみて、使い方を知っていただけると幸いです。

最新の台風経路図はこちら








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マニアック松浦(気象予報士・防災士)
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