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それ『私』じゃなくていいでしょ?

物心着く頃から、自分がなぜか男性に好かれやすい人間だと気づいていた。

それは父親譲りの『二重の大きな目』かもしれないし、母親譲りの『屈託のない笑顔』のおかげかもしれない。
はたまた、優しい祖父母が育ててくれたことにより自然と身についた『愛嬌のよさ』だったのかもしれない。

何が理由かは分からないけれど、好意を持たれることは多かった。

初めて告白されたのは、中学2年生。
そこから今まで、のべ20人。

嫌われるよりは好かれる方がいいし、ありがたいなーと思う反面、不思議でたまらなかった。
「私のどこが好きなの?」と。

なので、いつも必ず質問していた。
「ありがとう、そう言われて嬉しい〜
でもひとつ聞かせてほしいんだけど
私のどこが好きなん?」と。

大体、返ってくる答えは
◾︎一緒にいて会話が楽しいから
◾︎笑顔が可愛いから
◾︎小さくて可愛らしい見た目がタイプだから
これがトップスリー。

はい、ほぼ見た目やな。
会話が楽しいは、ぎり性格だけど…
あれ?私ってキャバ嬢??( ˙-˙ )
と突っ込みたくなるよね。

『人は見た目が100パーセント』
というドラマがあるくらい、見た目は大事。
それは決して悪いことじゃない。

「性格が1番大事だよ!」
と言う人もいるけど、それは見た目が許容範囲な上で、性格を知りたいと思うだけでしょ?
綺麗事はいらないよーと思ってしまう。

上辺だけの綺麗事を言う人よりは
潔く、はっきり物事を言う人の方が好き。

その一方で、私の内面を好きになってくれる人がいて欲しいと思う。


大人になってからは、男女問わず
こう言われることが多くなった。

「ゆまこさんっていい物件だよね。
高学歴で大手企業勤務。共働き希望。
愛嬌がよくて見た目も悪くは無い。」

あれ?私ってアパートかなんかだっけ?

「コンビニもTSUTAYAも近くて好立地◎
2LDKの広さ、バストイレ別でこの価格!」

似たものを感じる…。
スペック重視の家電のような。

うんうん、結婚して家庭を営んでいく上で
収入も大事だし、安定するかも大切だよね。
それも決して悪いことではないと思うし
それぞれ理想の生活があるから
求めるものが明確なのは、とてもいい事だ。

でもなぜだろう
すごく無機質で、苦しく感じる自分がいる。
その条件を満たせば、正直言うと
『私』じゃなくてもいいよね?

コロナ禍で、大手企業だって倒産リスクがあるし、そもそもリストラの可能性は誰にもある。
今のスペックが未来永劫、約束されるものでは無い。
見た目重視を非難する気は無いが、見た目は老いと共に衰え、変化していくものだ。

そんな変化していくもので相手を判断すること、選んでいくことを怖いと今の私は思う。

『今の』とつけるのは、かつて私も、スペック重視だったことがあるので自戒の意味を込めて。

老いても変わらないもの。
それは『性格(内面)』ではないだろうか。

人の物事への考え方、価値観は幼少期に形成される。そしてそれは、大人になってから変わることはほとんどない。意識して変えることはできるが、それは並大抵の努力ではできない。

滲み出る性格、居心地の良さ。
これは『その人固有のものだ』

私は今、そういう『私だからこその理由』で、人に好かれたいし、私も人を好きになりたい。

お互いに『あなただから』好きで
これからも一緒にいたいんだと、
そういえる関係性が理想だと思う。

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