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新型コロナとコミックマーケット・前編
コミケに関しては同人でのサークル活動中に──正確には前後にもあり──
数々のいやな想い出があることはすでに同人活動について書いた記録という
かエッセイのなかでも何度も指摘していました。
もともと「コミケ」に関しては何も感じていませんでしたが、数々の出来事からとても嫌なイベントになっています。
最後のさごまで「コミケ」がらみで終わってしまって、良い想い出は一つも
ありません。この時、この先「コミックマーケット」はどうなって行くのかと考えた時がありました。
サークルでの活動中も当時の仲間と色々話し合ったこともありました。
いっそなくなってしまえと思ったことは一度や二度ではないのですが、まさかこんな形で中止になるとは諸々含めて想像もしていませんでした。
サークル活動していた最後の頃には、色々と机上シミュレーションして中止も含めて考えていたことがあるのですが、ウイルスとは発想すらなかったですね。
ただし自分の創作の原点はSFです。学生の頃には破滅テーマのSF作品が多数ヒットしていました。ウイルスにより世界が終末をむかえる作品ももちろんあって、色々と考えていたことがあります。
ですからウイルスの蔓延に驚きはなくて、当初の「新型コロナウイルス」の情報を知ったときは一番最初にウイルス兵器の事故を疑っていました。昔からそういう噂はありましたから。
今回の「新型コロナ」騒動は諸々のすべての同人イベントが中止になっています。
「コミケ」だけではなくて「赤ブーブー通信社」のイベントも、大小あわせてすべてのイベントが中止になっていました──今は一部のイベントが再開されているようですが。
これはたんにイベントだけの問題ではありません。
とくに「コミケ」の場合は「コミケ」にあわせて同人サークルは新作を制作します。それが今回の中止を受けて、新作同人誌の印刷もすべてキャンセルされています。
同人誌の印刷を請け負う印刷会社の場合、だいたいが同人誌の印刷専門で仕事をしています。それが今回の「コロナ」騒ぎで中止になって仕事を失っています。
印刷会社によっては事業を縮小したところもでてきています。まだ倒産した印刷会社の話は聞きませんが、これらの印刷会社に紙を下ろしている会社は倒産したところがあります。
このように、たんに「コミケ」が中止になっただけの話ではないのです。
今は「とらの穴」のような同人誌を扱う書店も営業再開されていますが、自粛中は完全に休業していました。つまり同人業界全体が営業自粛していたようなものです。
映画館も休止していましたし、そもそも映画製作もアニメ製作もできないしでエンターティメント業界は完全に仮死状態のような感じでした。
やっと動き出していますが、同人関係のダメージは計り知れません。
これも「コミケ」中心の弊害で多くの──殆どのといっても良いかも知れません──サークルが新作を作れなかったのでイベントが再開できても頒布できる新刊同人誌がありません。
さらにいうとはたして「冬コミ」も開催できるかどうかも分からないですからね──これを書いているとき、「冬コミ」中止の情報が入ってきました。
繰り返しますが──「冬コミ」も中止です!!
ここからはこの情報を受けて書き換えています。
長くなりそううなので前後編に分けたいと思います。
新作同人誌が一年の間、製作されないと言うことになってきます。自分たちがサークル活動していたとき、「コミケ」中心の同人活動がどうしても納得できないところがありましたがそれらがこんなかたちで露呈するとは思ってもいませんでした。
「コミケ」中心の同人活動の弊害です。
今の状況ですと小規模な同人イベントは開催可能ですが、イベントが中止されたおかげでどれだけのサークルが新作を作っているかです。
この時期、新作をだしているのはイベント参加を考えていない同人作家だけではないかと思います。そうすると我々のようなネット中心で活動している同人作家しかいないかも知れません。
同人の世界を知らない方ならばいまのリモートワークと同じで、インターネット中心の活動に切り替わっていくのではないかと言われそうですがそんなに簡単にはいきません。
まず印刷した同人誌などを、「とらの穴」のような同人誌を委託できる店舗に卸している同人作家でも、それだけで頒布を考えている同人作家はたぶんいないのではないかと思えます。
イベント参加も含めての委託頒布だと思えますのでどこまでも「コミケ」中止の影響はあると思えます。
我々のようなダウンロードによる頒布専門でないと、「コミケ」と関係なく活動していないのではないかということです。
ましてやネット専門で活動する場合、同人作品の殆どと形容しても良いほど多い「二次創作」同人作品が扱えません。
基本的に、いまやオリジナル作品でないとネットでの活動は難しい。すると結局、ネットを利用しても「コミケ」中止の影響を回避できないことになります。
じっさいにダウンロード委託サイトでは「コミケ」中止を受けてサークルなどの救済策として「コミケ」頒布の予定同人作品を優遇して受け付けていました。ですが作品登録数がそれほど多くなかったのはこれらの影響を反映しているものと思います。
今回の「冬コミ」中止で、同人誌の印刷会社の倒産もあるかも知れません。
また来年でも「コロナ」の影響がどれだけ残っているか分かりません。この先もわかりにくい状況になっています。
それでは「コミケ」と関係なく同人作品を作れば良いではないかと言われそうですが、これもいままでの同人活動の経過を書いた記事には何度も指摘しいますが、同人サークルは同人作品を作りたいから同人活動をしているのではなく、「コミケ」に参加したいがために同人作品を作っている場合がとても多いのです。
「コミケ」にサークル参加したいがために偽装サークルを作って、同人誌を持たずに参加してくるサークルがけっこうな数があるくらい多いですから。
今も昔のこういう人達の気持ちが理解できませんが、昔の我々もいまの個人的な感想もそこまでするだけの魅力を「コミケ」に感じていません。
ですから「コミケ」という場を失うことはそのまま新作制作をしないことに直結していきます。そうなってくると同人業界そのものが下火になる可能性もあるでしょう。ただし物販での場合という但し書きがつきますが。
また、「コミケ」へ一般参加する人達は我々が製作する「オリジナル」作品に興味を持っていません。
あくまでも「二次創作」を求めていますのでこれらの人達が「コミケ」のかわりに、ネットで活動しているオリジナル作品に注目するようになるかといえばこれはないと思えます。
オタクと言われる人達の好みは、とても偏狭な嗜好をしているものです。
「コミケ」以外のイベントに積極的に参加するにしても、規模も大きくないですし入場制限など色々と制約もあるようです。
なによりも「コミケ」神話に踊らされている人々ですので、あまり積極的に「コミケ」以外のイベントに参加してくるとは考えにくいです。
サークルで活動していた時、いろいろオタクな人達ともあったことがありましたが、「コミケ」以外だと限られたイベントにしか参加していなかった人々ばかりでした。
小規模イベントに参加している人達はどちらかといえばあまり「コミケ」とは言わずに、作品そのものを追いかけている傾向があります。
つまり自分の好きな人気アニメの二次創作を追いかけていましたね。いまの作品ですと「鬼滅の刃」などがこれに当たります。とくに女性はこの傾向が強かった。
「コミケ」は「コミックマーケットを語ってみると」でも書いていますが、同人イベントでも別格の存在です。それはイベントの内容そのものにあるのではなくて、一般参加してくる人々の心理面にあるからです。
ある種の大規模な学園祭のような側面がとても強くて、何かの同人作品を探しに「コミケ」に参加するのではなくて有名なお祭りに参加しているのと同じ心理です。
つまり「コミケ」参加することが目的となっています。
ですから「コミケ」でなくてはダメなので、同等の大規模イベントはあるのですが他のイベントには興味がないのです。
聖地巡礼と同じ心理です。
インターネットを利用しても、先ほどから説明しているとおり「二次創作」は殆どできません。明確に禁止しているわけではなくても、版元から必ずクレームが来て削除しなければならなくなります。
こうなってくると、一つの解決法として版権フリーの委託サイトという考えもあっても良いかも知れません。
「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)」がやっている方法で、このイベントだけモデラーが作った版権ブラモデルの許可をもらって頒布するという方法です。これは大変合理的な方法だとサークル活動していた時から感じていました。
しかしこれだと許可をだしてくれないところも沢山あるだろうし──ワンフェスでも許可が取れなかったものは頒布できません──どれだけの期間許可がでるかなど問題点は多くあります。
頒布した同人作品からある程度、版権元へと利益を還元できる必要も出てくるでしょうし、交渉できる人材も必要となってきます。
それらを考えると実現性はとても低いと考えられます。あくまでもこういうサイトがあれば良いのにと言うことですが。
何度も指摘していますが、我々のようなオリジナル作品は同人作品とは認めてもらえないくらい同人の世界では「二次創作」作品が中心になっています。その最大のコンテンツがインターネットでの活動を妨害しているといっても良いでしょうね。
それらを考えると「コミケ」中止の影響はやはり計り知れません。
正直、「コミケ」が中止になっても自分には影響はないので関心そのものは薄いです。ですが今回の「コロナ」の影響は「コミケ」中止どころの話ではありません。
それを考えるととても憂鬱な気分になってきます。
後編は、いままでバブル期の「コミケ」のことはあまり書いてきませんでしたが、知っているバブル期の繁栄していた「コミケ」の状況とこれからの「コロナ」の影響を受けた展開について考えてみたいと思います。これが憂鬱の最大の原因だからです。
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