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チャンピオン

ちょうど1年前のことだ。
私たち夫婦は徳島県に二泊三日の旅に出かけた。
徳島県に行くのは久しぶり。
1日目は鳴門のリゾートホテルで
イタリアンのディナーやら
部屋のジャグジーやらを満喫し、
2日目は大塚国際美術館を堪能した。
その夜は徳島市の焼き鳥屋さんで
阿波尾鶏の料理も楽しんだ。


大塚国際美術館は本当にオススメ!

さて3日目、
眉山に登ろうということになり、
まずは阿波おどり会館に行くことにした。
阿波おどり会館から眉山へのロープウェイが出ているのだ。
少し寂れた街中を歩き、阿波おどり会館へ到着。
ちょうど阿波おどりの公演があるというので
参加した。

阿波おどりの昔の歴史、
最初の阿波おどりから現代の阿波おどりまで、
わかりやすく説明してくれて、とても楽しい。

いつも足の指痛くならないのか心配になる。

さて、公演も進み、観客も一緒に阿波おどりを
体験してみることになった。
演者が丁寧に教えてくれる。
そのうち、皆で踊りましょう!
(同じアホなら踊らにゃソンソン)ということになり、希望者はステージにも上がることができるとのこと。その中で上手な人が表彰されるという。

実は私、このことを知っていた。
そして表彰されるかも!と思って家で密かに練習をしていたのだ。
もうやめて長いけれど、私は日本舞踊の名取なのだ。ここで目立たなくてどこで目立つのか!と
スタッフに誘われるままに
スルスルと踊りながらステージに上がって行った。

ステージ上には日本人や台湾の方、東南アジアの方もいらっしゃったか、いずれも踊り上手と思われる10数名が阿波おどりを舞いながらぐるぐる回っている。
優秀者1名には白いレイ、
最優秀者1名には赤いレイがかけられるとのことで、
踊っている私もドキドキしながら、
しかしながら集中力を切らさずに
手先と足の角度、姿勢等、
丁寧さを心がけて舞い踊っていた。

しばらくして白いレイが他の方にかけられたのが見えた。残るは赤いレイ。
正直、他人の踊りを見る余裕がなかったので
私以上に上手い人がいるかどうかはわからない。
もしやダメか、と思ったその時、
私の首に赤いレイがかけられた。
私はチャンピオンになったのだ!!
(午前も午後も何回も公演があるうちの1回だけど)

チャンピオン!チャンピオンだ!
なんて光栄な響きなのだろう。
てかチャンピオンって生まれて初めてだよ!
早速、白いレイの方と私に
インタビューが行われた。
白いレイの方は神奈川県からお越しのようだ。
私が広島から来たと話すと
「広島にも阿波おどりサークルありますよ!」と
司会の方に言われ、つい入りたくなった。

表彰状と缶バッジを記念にいただき、
最後に踊りながら自席まで退場した。
観客に完璧な私の踊りをご覧いただきたかったのだが、表彰状を持っているので
美しい手先ができなかったのが
非常に残念であった。

チャンピオンになって食べる徳島ラーメンは格別の味。


それから帰宅後、
しばらく阿波おどりにハマって
YouTubeで阿波おどりばかり見ていた。
阿波おどりは一矢乱れぬ動きと
フォーメーションが素晴らしく美しい。
一度本場で連に参加してみたいけど、
女踊りは若い娘さんばかりで、
おばさんがいないようなのが気になっている。

いただいた表彰状は、夫が名前を記入してくれて
額装して飾った。
だってチャンピオンだもの。
表彰状を貰うのは何十年ぶりだろうか。
今度はちゃんと衣装も着て、
真剣に習って踊ってみたいなと思う。
熱い夏の記憶である。

(了)













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