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我が家の庭の風景 part.119「花園崩壊」

 マリーゴールドの芽が出ない。土の中の線虫対策にマリーゴールドが効果的だと言われている。線虫が実際育てている野菜にどんな悪さをするのかよく知らないのだが、害虫といわれるからには退治した方がよいのだろう。今年はカメムシとコガネムシが少なくて、特に土を掘り返してもコガネムシの幼虫を見つけることが全くない。一方で、キュウリにつく黄色っぽくて細い虫がコガネムシに代わって我が物顔をしているようだ。
 全く虫がいない庭も不自然なので、花が咲いて実がつく程度に被害が広がらなければそれでいい。特別野菜の形がよくなくてもいいのだ。
 一方で花は美しく咲けば咲くほどうれしい。花の見た目にこだわるのは、庭の景観をよくすることこそ花を育てる目的であるからだ。これがハーブなら、花が咲こうが咲くまいが役割を果たしてくれたらそれでいい。

 芽が出ないものは仕方がないので、マリーゴールドを一つだけホームセンターで買ってきた。古い昔の農家の庭にマリーゴールド一つ植えたところで虫対策にはならないかもしれない。それでも、ないよりはあった方が気持ちが楽だ。マリーゴールドをたくさん群れ咲かせようとは思っていない。
 一方で口惜しいのが父が柿の木の周りに植えた花の苗を台無しにしてしまったことだ。使っていない古い蔵を何年も自分の秘密基地に作り替えているかと思ったら、その魔の手が庭にまで及んできた。父は片付けようとするとむしろ散らかしてしまう人だ。自分が植えた野菜苗まで掘り返して植え替えてしまったのだから、柿の木の周りの花たちが無事ですむはずがない。ちょうど、5月から夏の時期に咲く花ばかりだ。すべてを土に還されてしまう前に、重い腰を上げて鉢に植えなおした。
 せっかく花を咲かせていた青紫の花はくったりと伸びた枝が下を向いてしまった。しばらくは様子を見て、花が枯れてくるようであれば切り戻しをしたい。全く様にならない寄せ植えで柿の木の周りで雑草と一緒に咲いていた方が生き生きと育った気がする。しかし、場所を奪われたのだからどうしようもない。
 植え替えを終えて、家の中に戻ったら、左腕が晴れていた。虫に刺されたのかもしれない。鈍いから虫に刺される時に気づくことがほとんどないのだ。だんだんと腫れてくると痒いような気もした。しかし、その痒みも泥を落とすためにシャワーを浴びたら感じなくなった。
 軒下のハーブ花壇の前に植えたので、少しは虫よけになって虫刺されの確率も下がるのではないか。
 ボリジの時期が終わって、黄色くなったボリジが悲しく頽れている。景観をよくしたいならもっと早く抜いてしまわなければならなかった。ボリジのこぼれ種で来年も咲いてほしかったので、放置していたのだ。ミツバチは5月からカモマイルに夢中だ。ボリジに群がっていたミツバチより5月下旬にカモマイルに群がり始めたミツバチの方が体格がよいようだ。
 太ったのだろうか。あるいは、4月とは別の群れのミツバチなのか。
寄せ植えの見た目が整って来なかったら、前庭の庭木の下の花壇に咲いているビオラやパンジーと入れ替えて仕立て直したいと思う。

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