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我が家の庭の風景 part.141「浅底」
タンスの上でくしゃみをするのは猫の気遣いか。しかし実際には、そばでくしゃみをしてもらった方が掃除がしやすい。ありがた迷惑というのは、我が家のセミ猫の気遣いひ対してあまりにも気の毒。けれども、タンスの上のやぶれ障子の奥の窓をどうやって拭けばいいだろう。子供の頃ならいざ知らず、15年分15キロ以上、体重が増加してしまった今であればタンスの上に登ったらタンスに穴が空くかもしれない。猫ほど身軽でない。
チューリップとサフランの球根を間違えた。サフランの球根を、全部土に植えてしまった。室内で土を使わずに育ててみたかったのだ。代わりにチューリップの球根を水盆に飾っている。根っこは出ているものの、腐らせずに花を咲かせられるか分からない。そもそもチューリップは背が高くなるから、底の浅い水盆では育てられないのではないか。
どこまでも底の浅い私だ。
我が家の庭で生まれた猫たちを懐いた猫から順番に子猫のうちに譲渡した。そのたびに、我が家の三毛猫が寂しがっている。窓の外の大きな猫たちにも以前ほど興味がないようだ。
2頭いっぺんに譲渡した日には、私の膝に乗ってきて、私の膝の上に吐いた。それからすぐに膝を降りた。窓のそばに行くそぶりを見せたが、結局は爪とぎベッドに横になった。少し天気が悪くても、やはり秋の花を咲かせるべきだった。三毛猫の寂しさもそれで幾分か紛らわすことができたに違いない。
サフランの花はまだ咲かない。
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