「窓辺の猫」第五十八回 はじめての肉球
キジ白、白キジの違いをご存じでしょうか。私は知りません。
そして、ネットで調べたらキジ白のオスが珍しいことを知りました。麦わら猫とどちらが珍しいんでしょうか。おそらく麦わら猫ではないかと思いますが、これも推測にすぎず、知りません。
我が家の庭に居着いたハーレム猫のボス猫・仮名「カエルくん」。彼は白キジ?のオスです。珍しい毛柄なのに、引き取り手が現れずに残念と思うべきか、みんな見た目で判断しないんだと感心するべきか。庭で過ごしています。
その子供たちには、白キジが2代おりまして、1頭はもらわれていきました。仮名「アブちゃん」と呼んでいました(心の中で)。アブちゃんは動物病院に連れていくまで、オスかもしれないと思っていました。兄弟にもっと黒い猫やよく似た白キジがいまして、それがオスっぽかったのです。いつの間にかいなくなって、トンビに食べられたのだろうとあきらめていました。ところが、最近、何度か庭に兄弟らしきほぼ黒っぽい若くてガタイのいい半長毛の猫が現れて、生きていたんだと驚いています。とすると、白キジくんは拾われた可能性もあるのかもしれません。
アブちゃんは大変な美猫でして、目の周りに黒だけでなく白い線の模様が入っているのが唯一無二でした。切れていると思われたしっぽももしかして元々カエルくんの切れた尻尾がボブテイル?だったらしく、どうも生まれたときからのようです。ただし、母猫は半長毛か長毛で尻尾は短くはありません。このタイプの親から生まれた子猫の尻尾は子猫の頃はみんなボブか少し短くても生後3か月くらい過ぎたらびよーんと伸びるみたいですね。本当にボブなら短いままで、白猫子猫の方は依然としてかなり短いままです。
アブちゃんには暴れん坊のハチちゃんという同じ月齢の姉妹猫の「ハチちゃん」がおりまして、この猫は私では仲良くできず、まだ庭周辺を徘徊しています。子猫の間は尻尾が短く口の周りが泥棒柄で、それがウサギっぽくも見せているチャーミングな白猫でした。一部模様があってもほぼ白なら大体白猫と呼んで差し支えないみたいな記事をネットで見ました。
この二匹の猫たちは一度捕獲していた時には生後半年を超えていたので、家の中でのんびりする感じでもありませんでした。アブちゃんはいつも香箱座りでした。
一方、今捕獲してケージから出てこない下の猫二匹は割と油断して足を投げ出します。やはりまだ小さいからでしょうか。おそらく3月末頃に生まれているので、生後3か月すぎです。体重も先日1.2キロだったので、月齢は大体合っていると思います。この猫たちはアブちゃんハチちゃんにもましてべったりで、アブちゃんハチちゃんは白猫のハチちゃんが家族にべったりだったのに比べ、白キジの「シジミちゃん」の方が白猫の「アゲハちゃん」にべったりです。シジミちゃんはハチちゃんなみに警戒心の強い猫ですが、まだ小さかったので捕まえることができました。ハチちゃんも捕まえられましたが、脱走する知恵もあり、すべてを破壊する力を持っていました。
シジミちゃんは警戒しつつも、食欲と眠気に負けるアゲハちゃんにつられて警戒心が緩んでしまいます。ほぼハンモックに入っていても、アゲハちゃんとおもちゃで遊んだり、横になって寝たくなってしまうのです。
ここで、本題に戻ります。平凡な白キジの女の子の肉球の色ってなんだと思いますか。腹毛が白いのでピンクでしょうか。実は黒が混じっています。すべての肉球がピンクの白キジもいるかもしれません。ただ、シジミちゃんたちは黒が混じっています。一方白猫のアゲハちゃんの方は肉球がピンクでした!
我が家で飼っている三毛猫の「セミ」と麦わら猫「トンボ」は、体毛が濃いので、肉球も黒っぽいです。特にトンボ猫は後ろ足の肉球が真っ黒で、脚力の強さを思わせます。子猫の頃に肉離れか脱臼したらしく、足が悪いのが残念です。しかし、そういったことがなければ、到底家猫になる機会はなく、もっと人間にも近づいてこなかったでしょう。いまでもキャリーに入れるのは、外のカエルくんよりよほど大変なトンボ猫です。セミ猫はまだら肉球ですが、一本は黒とピンクにほぼ半分に分かれています。トンボ猫もかな?そういう肉球はお菓子のアポロにちなんで、アポロというようですね。
じゃあ、ピンクの肉球はなんでしょう。サーモン柄?さくら色?
いかに白キジのオスやむぎわら猫が珍しかろうが、私にとってははじめてのピンクの肉球は貴重です。それを実はアゲハちゃんは触らせてくれるのです。人間によじ登ってきていたセミ猫も子猫の頃、そんなに簡単に足を触らせませんでした。動物病院であんなに逃げ回ったのに、よく分からない白猫です。とりあえず母猫の「チョウさん」と姉猫ハチちゃんほどの警戒心はないようです。それでも、ケージからは全く出てきません。
引き取り手を探しつつ、まだうちでの暮らしが続くなら、ケージの買い替えが必要かと悩んでいます。ケージの処分も大変です。あまりによじ登るので塗装が剥げて鉄柱も傷んでささくれてきています。
よじ登る時の肉球が見える感じも可愛いんですけどね。
猫は大人になってもベビーフェイスと言われます。私は犬と比べて猫は成猫の方がぬいぐるみっぽいなと思っています。触ると折れそうなのに、びっくりするほどジャンプする感じも苦手でして、大きくなるほどほっとします。ケージは狭く感じてくるでしょうけれど、大きい猫には安心感を覚えてなんだか愛でやすい気がするのです。
とはいえ、いまくらいの子猫のピンクの肉球はかわいい。実寸で刺繍柄にするのにちょうどよさそうです。けれど、私は今何事もやる気が出ない時期で刺繍に手が伸びません。
このピンクの肉球に対する感動をどうやって記憶にとどめておけばよいでしょうか。引き取り手が現れなければ猛暑過ぎたら、またリリースです。
我が家は先住至上主義なので、今更先に飼っている猫は外に出せません。
写真を撮るのもストレスだというし、見せても触らせてもくれるけれども、シャッターチャンスの肉球ポーズ?はまだ訪れていません。