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「窓辺の猫」第27回 腸捻転を治す猫

※体調の話です。病気の話が苦手な人は読まないでください。

魔法使いの存在を信じていません。
時制柄、神も仏も信仰もお金も命より大切ではないと考えています。
しかし、我が家の猫たちがちょっぴり私のために誰かが遣わしてくださった奇跡ではないかと思うことがありました。
今回は、そんな我が家の二匹の猫の話です。

寒くなってくると、猫は人間で暖をとりたいだけだというのはわかっています。
くっついてくるのは、人間を心配しているからでは無いのです。
それでも、ある日の深夜、ふと目を覚ました時に、枕元で布団を咥えている猫を見て、寝相の悪い私のために布団をかぶせてくれようとしたのかと思ってしまいました。

猫に毛布を着せかけても、猫は迷惑しているだけだという話がよく聞かれます。しかし、この季節は、どうも冷たい猫の体が気になって、猫に毛布をかぶせてしまいます。猫も払い抜けないので、それで自己満足に浸っているのです。
まさか、猫が人間の真似をして、布団をかぶせようとしてくれたなんて事はないでしょう。
猫がタオルを噛んだりするのは良くないことらしいです。
我が家の麦わら柄のトンボ猫は布団でも何でもしがみついてケリケリ蹴飛ばすのが大好きなので、トンボ猫なら布団を遊び道具にしていただけだと思ったでしょう。しかし深夜に布団をくわえていたのは、いつもきちんと猫用の寝床で眠るセミ猫だったのです。
ブラッシングをして欲しくて、ブラシをくわえてきたことがあるセミ猫であれば、人間に布団をかぶせようとすることもありうるのではないでしょうか。
おそらくこれは飼い猫に期待しすぎる飼い主の願望ですね。

一方で、2匹の猫たちは人間の膝を競って奪い合うようになりました。後輩のトンボ猫は先輩のセミ猫と人間の膝を共有するのはやぶさかではありません。しかし、先輩はそれでは嫌なのです。寝る時は1匹でリラックスしていたいのです。

ある日、人間の寝室に侵入することをトンボ猫が失敗してしまい、朝起きたらセミ猫しか部屋にいなかったことがありました。足元の布団の上で寝てくれていて、私は食いしん坊のトンボ猫に早朝に起こされることもなく、ぐっすり眠ることができました。

長年不眠症に悩んできましたが、最近は眠れることがあります。この1年、薬草を活用してきたおかげかもしれません。民間薬も馬鹿にできません。
一方で、お腹の調子がどうも変です。

子供の時からカエル体型で、お腹がポコんとしています。だから別段お腹が膨れているかどうか、自分で気づくこともありません。それでもなんだか最近は、おならでもお腹に溜まっているんじゃないかと思うことがありました。とはいっても便秘等はしていません。

私は常々頭痛だとか体のあちこちが痛い痛いと思っている人間なのですが、その割に熱などは全然出さず、怪我したことや蚊に刺されたことも気づかない鈍さがあります。これはもう赤ん坊の時からで、顔中蚊に刺されても泣き出したりしたことがなかったそうです。怪我したところで泣かないのに、部屋の敷居もまたがない、決して段差を登ろうとしない、危ない所には近づかない赤ん坊でした。

そんな冒険心のない私は体調が悪かったら全く無理をしないので、急激に悪化するということもあまりありませんでした。
最近もお腹の調子が良くない気がするけれど、頭痛や肩の痛みの方が気になっていて、腸がお腹の皮膚にくっついて、ポコポコしていても、それに気づいたり、忘れたりしていました。

それでも、さすがに、お腹の一部が小さくぽこっと赤くなって、いよいよお腹に腸がとび出てきそうだという気配は薄々感じています。
しかし、それが自然と治ってきたかもしれないのです。

おそらくお腹にガスが溜まっていたのではなく、腸が腫れていたのではないかと思います。季節の変わり目ですから、そんなこともありますよね。

それで、それが気候に慣れてきて、自然と治ってきたかといえば、猫が直してくれたんじゃないかと思っているのです。

腸捻転や腸閉塞はのたうち回るほど痛いそうなのですが、私はそこまでひどい状態になったことがないのか、そういう診断を受けた時も、のたうちまわっているというよりは、お腹の膨満感で吐き気が続いているだけの状態でした。お腹が痛かったら、頭痛がしたり、関節も痛かったりするんでしょうか。よく分かりませんが、何度病院に行ってもずっと持病はわからなかったのです。

大してひどくもないのに、私が騒ぎすぎていたのか、本当は病状が悪かったけれども、私がポーカーフェイスすぎて伝わってこなかったのか分かりませんが、私は人生で1番お腹が痛かった時に、治療を受けた記憶がないのですね。それを自分でどうやって解決したかも覚えていないのですが、今回ばかりは自分ではなく、猫が解決してくれたと思う方がロマンがあるなと思っています。

最近、太り気味のトンボ猫が、朝になると私のお腹に乗ってくつろいでいます。ご飯をくださいと騒ぎたてると逆効果だと気づいて、お腹の上をそろそろと歩きまわり、顔をペロペロ舐めたりしてきます。ボヨンとした私のお腹の上でくつろいで、じっと私を見下ろしてきます。6キロ近い巨漢で私のお腹にそろそろと乗ってかてドスっと座り込んで、ゴロゴロ鳴きます。
そのトンボ猫の優しい?マッサージが功を奏して、私のお腹の腫れが治ってきたのではないでしょうか。何なら、軽い腸捻転まで解決してくれたかもしれません。お腹の皮膚から、ちょっとずつ腸が剥がれてきた気がするのです。

頭痛がカロナールなどの鎮痛剤を飲むと良くなった気がするのですが、お腹の痛みはよくわからないんですよね。熱が出ないという事はそこまでひどくないのかもしれませんし、とは言え、一度手術をして腸を切っているので、そこそこの病気ではあったのかもしれません。
手術を担当してくださった先生には、一年以内にまた手術する必要があるだろうと言われましたが、それから7年も手術していません。
病気の事より他の事でも悩んでいます。

いや、悩んではないですね。悩んでいるふりで本当はどうでもいいと思っています。
最近は猫をお世話しているというよりお世話されて暮らしている気分です。

いいんですよ。猫が本当は私で暖をとっているだけでも。私にとっては猫にお世話されている気分なんですから。
私がリラックスしている時よりも、落ち込んだり悲しんだりしているときに、うっとうしく後を追いかけ回してくれる猫が私にとって何よりも薬なのです。

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