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ホームコートアドバンテージをスポーツ心理学的観点から
こんにちは!
今回は、タイトルにもある通り
ホームコートアドバンテージ
について、スポーツ心理学の観点からまとめられているものを自分なりに要約しつつ、まとめていきたいと思います。
日本ハンドボールリーグもプロ化していく動きをしていく中で、参入チームにはホームスタジアムを持つことが1つの要件として組み込まれていました。
(あまり詳しい新リーグの動向を追うことができていないので、もしかするとなくなっているかもしれませんが)
ハンドボールでもホームスタジアムで各チームがホーム&アウェイ形式で戦っていくことになった場合、このような知識を背景に試合を観戦することで、また1つ試合を楽しむことができるのではないかと思いますので、よろしければ最後までご覧ください。
写真は、昨年9月にエントリオで行われた日韓戦男子
男子は、日本ラウンドで韓国に勝利し、韓国ラウンドで敗戦
結果だけ見ると、ホームアドバンテージが働いたかもしれない。
ホームアドバンテージとは、本当にありえるのか。スポーツ心理学の研究結果なども踏まえてまとめていきたいと思います。
ホームコートでの勝率
ホームコートで、試合をすることの利点としては、やはり
自チームを応援する観客が多いこと
に尽きるのではないかと思います。
(もちろん、普段練習で使用している体育館で身体感覚的に相手よりも有利という点もあるかもしれませんが)
実際に様々なスポーツの約26万試合を調査した結果
ホームチームの勝率は
60.4%
であったことから、ホームアドバンテージという言葉が正しく機能しているといえるのではないかといったことが言われています。
競技によっても勝率は異なる
この調査を更に深めた分析をしていくと
野球やサッカー等といった屋外スポーツよりもバスケットボールやホッケーなどといった屋内スポーツの方がよりホームアドバンテージの影響を強く受けているということも明らかになっています。
これは、前述しているように
屋内スポーツは、屋外スポーツに比べてファンとの距離が近く、歓声が聞こえやすいことで、相手チームへのプレッシャーなどになっているのではないかと考察されています。
ハンドボールを例に
ハンドボールも屋内スポーツであることから、ホームアドバンテージの恩恵を受けやすい競技だといえます。
本格的にプロリーグがスタートし、ホーム&アウェイ形式が導入された場合には、そのような観点でも準備をすることが求められていくのかなとも感じました。
その中で、プレッシャーなどに対してどのような準備をするのか。などといったメンタル面に関しても各チームが意識を向けて積極的に取り入れていくと面白いなと個人的には考えました(個人の願望(笑))。
プレーオフではホームディスアドバンテージ!?
しかし、先ほどの調査を踏まえて
ハンドボールでいうところのプレーオフ、日本野球でいうところのクライマックスシリーズでは、自チームのホームで試合をすることは、かえってディスアドバンテージになるのではないかといった調査結果が出ています。
野球のワールドシリーズの調査
野球のワールドシリーズを調査した結果、少なくとも5試合行われたシリーズでは、ホームチームは最初の2試合では60%勝っていたが、最後の2試合では40%しか勝っていなかった。最終第7戦までもつれた26のシリーズでは、ホームチームの勝利はわずか38%であった。プロ野球では、最初の4試合は70%がホームチームの勝利だった。しかし、第5戦と第6戦の勝率は46%で、第7戦の勝率は38%に落ち込んでいる。
ディスアドバンテージの要因
この研究もさらに深い分析をしていった結果
アウェイチームのパフォーマンスは、安定している。
ホームチームは、試合が後半になるにつれ、野球ではエラー数の増加、バスケでは、ファウルシュート数が減少しているということが明らかにされています。
自チームでのホームでは、観客の声援から元気をもらうこともあれば、重要度の高い試合になればなるほど、観客の期待も増大し、それが選手の自意識を高めることによって、選手は無意識化で自動的に行っているパフォーマンス発揮に対して、色々と考えてしまうことによってパフォーマンスが低下してしまう
いわゆる「あがり」に近い状態になってしまうのではないかといわれており、ホームアドバンテージだけではなく、ホームディスアドバンテージも存在するとされています。
↑対処法について少し触れているnoteはこちら↑
ホームアドバンテージは存在するのか
しかし、直近2022年の研究においては
近年になればなるほど、そのようなディスアドバンテージは、減少しているのではないかといった研究結果も発表されています。
1984年から1994年まで、ナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)のプレーオフでは、ホームチームが第7戦と決戦で18連勝してる。さらに、2017年シーズンまでのプレーオフ第7戦を見ると、ホームチームは101勝26敗にとどまっている
これは、先述しているような知識を監督、選手がよく知るようになったことで、余計なプレッシャーに対する対処をうまくできるようになった結果、自意識に過剰になってしまうことが減少し、歓声を有効に活用することで、勝利にうまくつなげることができるようになっているのではないかと結論づけされています。
ホームアドバンテージを有効活用するために
以上の調査結果などから、ホームアドバンテージ、ディスアドバンテージに関しては、はっきりとした結論が出ていないことが現状です。
もちろん、チームとしての技術や戦術の面、ホーム・アウェイ以前のチームの相性等もあるので、一概にホーム&アウェイで勝敗を予想することは端的ですが、このような視点でスポーツを楽しんでみても面白いかもしれません。
また、監督や選手は、このような知識もあるということを知っておく、それに対して事前に準備をしておくことも大切なのかなとも感じました。
ホーム&アウェイに限らず、プレッシャーによる自意識の結果、パフォーマンスが低下してしまう現象というのは、スポーツ選手に関わらず起こりうる現象だと思います。
それに対して、チームとして、各個人としてどのような準備をしておけるのかということも1つ重要な要素かなと思います。
自分自身も、スポーツ心理学を専門的に学んでいる身として、そのような場合の対処法などがスポーツ心理学的観点ではどのように述べられているか等についても今後まとめていきたいと思いますので、ご機会ありましたら、今後も拝読いただければと思います。
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それでは!