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コーチのためのスポーツ心理学⑳パワーリスナーになる

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今回のnoteでは、タイトルにもあるようにパワーリスナーになる、すなわち、「良い聞き手」になるための方法やそのヒントについてまとめていければと思います。

信頼されるコミュニケーターになるためには、自身が相手に信頼されることも大切ですが、自分自身が相手を信頼することも大切です。

HearとListen、すなわち、「聞くこと」と「聴くこと」は別物です。

もちろん、信頼されるコミュニケーターになるためには、「聴くこと」が必須ですが、「聴くこと」はすぐにできるようなものではなく、トレーニングが必須です。

今回のnoteでは、そのようなパワーリスナーになるための4つのステップとリスニングを妨げるもの、そしてフィードバックの受け取り方についてまとめていければと思います。

「聴く」スキルは、スポーツコーチに限らず、身につけておくことで本当に様々な場面で活きてくると思いますので、今回のnoteがみなさまの何かしらのヒントになれれば幸いです。

リスニングを妨げるもの

聴くことは難しい=聴かないということは簡単、と言えるのではないでしょうか。

以下は、参考文献にて、リスニングを妨げるものとして紹介されているものです。

割り込み:相手の話を中断して話す
読心術:相手の言っていることをわかっているつもりになっている
先入観:話を聞く前にバイアスを持って聞く
フィルタリング:人によって聞く態度が変わる
アドバイス:聞くのではなく結局自分の言いたいことだけを伝える
特定:相手の悩み事を自分の過去の経験と類似していると勘違いし、自身の経験談を伝える
正論/保身:正しいことは伝えているのかもしれないが、相手の意見には耳を傾けておらず、コーチに対する批判的なフィードバックなどを拒絶してしまっているような状態

そもそも「聴く」ということを日常ではあまり意識すらしていない方が多いのではないでしょうか。

上記の項目も自身が人と会話をする場面を想起すると意外とやってしまっていることばかりではないでしょうか。

自身のリスニングを妨げるものを考えてみる

あなたの傾聴ブロックは何ですか?
上記を参照しながら、自身に当てはまるものを書き出してみてください

また、相手によって当てはまるものは変わってくると思いますので、色々な相手を想像しながらリスニングを妨げるものを書き出してみてください。

これらのブロックを止め、リスニングを強化するために、日常生活で実践できる戦略をいくつか考えてみましょう。

自身もこの課題を1年前くらいに実施したのですが、その時の課題を現在はかなり克服できているように感じます。が、相変わらずアドバイスや特定をしてしまったりするのは、改善すべき点だなと感じています。

ただ、今年になって外国人スタッフと試合をすることが増えた結果として自身の伝えないことをうまく表現できない、表現できたとしても大まかな伝え方しかできないという状態になったからこそ、逆に聴くことに徹することができているかもしれません笑

パワーリスナーになるための4つのステップ

良い聞き手、パワーリスナーになるためには4つのステップがあると言われています。

「準備」

パワーリスニングの最初のステップは、精神的に準備することです。

効果的に話を聞き、コミュニケーションをとるための心の準備をする。

本物の聞き手になること、自分の感情を適切に管理すること、典型的な聞き手のブロックを避けることを自分に言い聞かせるような「準備」をしっかりと意識するところから始めるのが初めのステップです。

「参加」

パワーリスニングの2つ目のステップは、話し手に耳を傾けること=しっかりとコミュニケーションに「参加」することです。

効果的な「参加」には、話し手とのアイコンタクトなどが含まれます。

また、関心を示すために前かがみになったり、腕や足を組まずに開いた姿勢をとったり、自然でリラックスした体勢をとったりするなど、気配りのあるボディランゲージも含まれます。

話を聴くということは、自身が言葉を発するわけではないので、言語的なコミュニケーションは行っていないかもしれませんが、聴く態度といったような非言語のコミュニケーションは相手に伝わります。

2ステップ目の「参加」は、1ステップ目のマインドの準備から身体の準備を整えていくようなイメージと捉えてもいいかもしれません。

「理解」

パワーリスニングの3つ目のステップには、共感という重要なスキルが含まれる「理解」という段階です。

特定したり、アドバイスを与えたりするのではなく、思考と感情を自分から話し手のほうにシフトさせることを指します(かなり難しいですが)。

この共感には、かなりのトレーニングが必要且つ言葉にするのも難しいですが、フラットに相手の立場に立って物事を視るということが重要です。

パワーリスナーになることと同様に、意識しながらトレーニングをしていくことが必須です。

詳細が気になる方は、ご自身でも深掘りして学んでみてください。

⇧個人的おすすめ⇧

「応答」

パワーリスニングの最後のステップは、「応答」することです。

パワー・リスナーはコミュニケーション・プロセスにおける能動的な協力者であり、聴くことだけといった受動的な姿勢では、良い聴き手とはいえません。

この最後の段階においては、これまでの段階の要素も意識しながら、相手にしっかりと「応答」することが重要です。

また、「応答」に関しては、「役に立つ」ことを「応答」するよりも正直に応答することが重要です。

このことに関しては、以前のnoteをご参照ください。

フィードバックを受け取る

パワーリスナーにとって重要なスキルの1つに、フィードバックを生産的に受け取る能力があります。

コーチだけでなくアスリートにとっても、これは非常に重要なことで、フィードバックはスポーツの上達を助けるために常に使われるコミュニケーションの1つです。

フィードバックは資源であり機会ですが、フィードバックを受け入れない、あるいはフィードバックされたときに防衛的に反応すると、この資源と機会は無駄になってしまいます。

自分自身について批判的なフィードバックを受けるのは誰にとっても難しいことですが、その不快感を受け入れ、自分に与えられているフィードバックを素直に理解しようと試みることが重要です。

以下は、参考文献に記載されていたフィードバックを受けるためのガイドラインをいくつか記載しておきます。

・フィードバックをくれた人と議論しない。
・明確にし、理解できるように質問をする:"どのように"、"どのような方法で"、"どのくらいの頻度で"、"いつ"、"もっと具体的に"。
・オープンマインドで、フィードバックを与えた人に、より生産的な行動に関する提案を求める。
・聞いたことを繰り返したり、確認を求めたりして、理解を確認する。
・フィードバックに感謝する。
フィードバックを与えることは勇気がいることであり(特にコーチに対するアスリート)、フィードバックを受けることと同じくらい難しいことであることを忘れないでください。また、相手がこの情報を隠し、あなたに学び、改善する機会を与えなかった可能性があることも忘れないでください。

まとめ

今回のnoteでは、パワーリスナーになるための方法やそのヒントについてまとめてきました。

もうこのコーチのためのスポーツ心理学では、お馴染みですがメンタルトレーニングもトレーニングである以上、日常から意識してトレーニングしていくことは必須です。

個人的には、最近メンタルトレーニングは、思考力・想像力・言い訳力?のトレーニングとも言えるなと思っていますが、スポーツ場面以外でもトレーニングすることが可能という部分が他のトレーニングとは違う部分かもしれません。

日常のコミュニケーションの場面で今回のnoteの内容を少しずつ意識して取り入れてみてください!

↓参考文献はこちら↓

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