私が理科教員になってから(3)〜生物の授業準備は綱渡り〜
はじめに
大学に6年間通った後、高校の理科の教員として就職はできた。
しかし、正直な話、この10何年の私の教員生活は波乱万丈の繰り返し。
情けないくらいの失敗・挫折・苦い経験をどれだけ繰り返してきたことか。
その中でも学んだこと・成長・喜びもあった。
このシリーズでは、カミングアウトできる範囲で私の遍歴を長々とダラダラと、気ままに綴っていこうと思う。
ただ、どちらかというと苦い経験を綴る方が多くなるかもしれない。
振り返るのがどうしてもしんどくて綴りたくないテーマもある。
ただ、これから教員を志す人や、教育にご関心のある方にとっては「こういう現実があるんだ〜」「こんなふうになっていけない」と思いながらご笑覧いただけるだけでもありがたいです。
教員になってからの数年、私は教科書の内容が理解できず、グダグダな授業をやり続けてきた。
そんなところから知識や考え方を身につけ、授業を工夫するようにしてきた過程を僭越ながらご紹介。
教員である以上、ずっと学び続けていかないといけませんね。
「生物の授業を担当してください」
教員1・2年目のときは常勤講師、3年目から名古屋の某有名進学校で非常勤講師を務めることになった。
学校側では、私が一応化学専門だということを把握しつつも、諸事情により生物を担当することになった。
ちょっと待って。
私、高1のときしか生物やったことないんですけど・・・
そして高2文系・理系クラスの生物Ⅰを担当することになった。
準備はしんどかった。
毎日毎日教科書を読み込んでは板書ノート&指導案ノートを書いて書いて書きまくった。
しかも生徒は荒くれ者ぞろい。
グダグダな授業をやらかしたことがどれだけあったことか。
本当に必死だった。
この進学校での授業では、毎回生徒とくだらないやり取りばかりしていた。
担当している生徒たちが職員室に入ってくると、その多くは私に何かと声掛け&冷やかしに来てやがった(笑)
そんな中である程度信頼関係もできていたこともあってか、何とか力ずくで授業を成り立たせたといってもいい。
そして、この進学校での非常勤講師2年目
持ち上がりでこの学年を担当することになった。
しかも、高3理系クラスで生物Ⅱの授業もすることに!
無謀だと思ったが、この生徒たちが前年度から関わっている以上、最後まで見届けたい。
自分自身の幅を広げたい。
…ということで覚悟を決めてチャレンジした。
前年度以上に準備がしんどかった。
授業前日には、市販の生物Ⅱの書き込み式ノートで予習し、プリントを作成。
そんな日が続いた。
わかってはいたけど、上辺だけでしか内容が説明できず、行き詰まりを感じていた。
いざ放送大学へ!
といった事情があり、時間の合間を縫って、放送大学で生物学・化学を学び直すことに。
履修した科目は微生物利用学・細胞生物学・動物学・植物学・有機化学・生物無機化学の分野など。
あの頃は授業準備のために放送大学に通い詰めてたけど、教科書を見ながら映像で示されたまとめの部分をノートに写すのに必死だった。
それでも何とか教えるべきことがつかめてはいた。
恥ずかしい話、今でも通じる内容について当時から学んでいたのだった。
この記事を書くためにノートを見返して、それに気づき愕然。
今でも教材研究で十分使えるものなのに、何で気づかなかったんだろうと後悔中。
それでも活用するのはこれから。
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