すてきな本の選び方を教えてくれた人
映画館のバイトをしているとき、汚い部室のような休憩室で、少し大人なお姉さんが本を読んでいた。
休憩がかぶることもなく、仕事をきちんと教えてくれるお姉さん、みんなの面倒を見ている盛り上げバイトリーダーというイメージだったので、本を読んでいるのが意外だった。
私もあまり年上の人と関わりたくないので、同年代がいないときは本を読んでいた。(確かこの頃はみうらじゅんとかナンシー関とかばっか読んでいた。)
いつもどおりシャットダウンモードでいたら、何読んでるのー?と聞かれて、たくさん好きな作家さんがいたのに通じないと思って、やー最近好きな作家さんというより、伝記的な?アングラ的な?とはぐらかしていたら、
私はご飯とか食事の場面が出てくる本が好きなんだ
と教えてくれた。
食事とかご飯食べてるシーンが出てくるとなんか幸せな気分になるんだよね。
と。
衝撃だった。私なんて流行ってるのとか好きな作家さん基準で選んでたから。
読んだこと無いのにどうやって?と聞いたけど、ご飯が出てくるのは家族の話とか多いから、そういうのを選んでるのかもー。立ち読みもしたりね。
その人の名前も覚えてないけど、確かその時瀬尾まいこさんの本を読んでいた気がする。
未だに人生で忘れられない一言。
きっととっても気持ちが豊かな人だったんだろうな。
あの時あの瞬間にもっと本の話をしたかったと未だに後悔するときがある思い出。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?