日記 20240705FRI
一週間の終わり。
とにかく暑い。
わずかな涼を求めて、川沿いの道を歩いて帰途につく。
フェンスにしがみつくようにして、今年も花が咲いていた。小さくて可憐な花。
もう随分と前のことになるけれど、その花の名を知りたくて、写真を添えて母にメールしたことがある。ほどなく届いた母からの回答は、信じがたく非情なものだった。
どうしてなの?
あんまりじゃないの……?
可愛いのにねぇ。
実だって、可愛いのになぁ。秋になってよく枯れたのをリースに使うと、大層かわいらしい。
ジュリエットの独白シーンを思い出す。
「でも、名前がいったいなんだろう?わたしたちがバラと呼んでいるあの花の、名前がなんと変わろうとも、薫りにちがいはないはずよ」
そうは仰いましても。
私のシェイクスピア「ロミオとジュリエット」は、中野好夫(訳)である。生まれる前から家にあったという、河出の世界文学全集で育った。奥付をみると昭和30年代である。字が小さい。そして2段組。私は2段組を愛する。読んでも読んでも字があって、「ああ、まだこんなに読める……!」と思うとドキドキしてしまう。
久々に読み直したくなってしまった。全集。繰り返し読んだものもあるけれど、子供の頃に読んだきり、というものもあるし。よい機会かもしれない。
「赤と黒」が抜けている。どこ行った?誰か持ち出した?私の仕業だったりする?
捜索せねばならぬ。