Audibleが最近少しずつ存在感を増してるんじゃないか
Amazon参加のオーディオブック配信サービス、Audible(オーディブル)。昨年1月に「聴き放題方式(対象外のものもあり)』に変わってから、登録会員として聴き続けています。
最近は、小説でもノンフィクションでも教養書でも、ランニングの際にOpenRun miniの骨伝導イヤホンを付けて聴くことが多くなりました。骨伝導だと耳をふさがないので、車の音も鳥の鳴き声も、周囲の音も意識しながら走ることができます。私は走るときに音楽は聴きませんが、Audibleはいいですね。
下記は、ちょうど1年前(2022年6月)に書いた記事です。Audibleが「コイン制」から「聴き放題制」に変わったこと、逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』や凪良ゆう『流浪の月』をAudibleで聴いたことなどを記しています。
その後の1年で、新刊も既刊も、Audibleの日本語書籍ラインナップがかなり増えました。長いものでは一冊10時間とか15時間かかるオーディオブックの音声を吹きこむ声優さんってすごいなと感じることもしばしばです(もちろん、始めから終わりまでワンテイクで録るなんてことはないでしょうが)。
そしてこのところ、「こんな連携をしてるんだ」と思わせられる機会が出てきました。最近Audibleのことをメディアで目にしたのは、『深夜特急』(沢木耕太郎)と『墨のゆらめき』(三浦しをん)についてです。
『深夜特急』は、ノンフィクション作家として知られる沢木耕太郎さんが26歳のとき、1970年代半ばにユーラシア大陸を横断してロンドンに向かった旅の様子を記した本です。私も以前、夢中になって読みました。後年、大沢たかおさんが出演するドラマにもなっています。
沢木さんの原作が、今年4月からTBSラジオで毎週朗読番組として放送されています。読み手は、俳優の斎藤工さん。半年かけて全6巻を朗読していくのだそうです。
そして、原作一巻分が朗読されたのち、Audibleでも配信が始まっています。ラジオ番組は通常、聴き逃し配信をしても1週間程度です。こうしてAudible化されて好きなタイミングで聴くことができるのは、とてもありがたいです。今日も朝ランの際に『深夜特急』を聴いてきました。
もうひとつ、Audibleの名前を目にして「へぇ〜」っと思ったのが、三浦しをんさんの新作小説『墨のゆらめき』です。これはAudibleと新潮社が連携して、まずAudibleで音声版の配信を始め、その後書籍版を発行するという順番で公開された作品です。まず書籍版があってそれを音声化するという通常の流れとは逆になっています。
こちらは最後まで聴取済み。三浦しをんさんは好きな作家ですが、この作品も面白かったです。
最初に音声版が来るとなると、言葉の選び方なども変わってくるところがあるような気がします。
どちらのケースも、あえてAudibleとの連携が謳われているところを見ると、もしたしたら経費面でも幾らかAudibleが関わったりしているのかもしれません。今後、こういう連携は少しずつ増えていくのだろうなと感じます。
Audibleは、実際に使ってみないと自分に合っているかどうかがわかりづらいサービスではないかと思います。月会費は1500円。30日間の無料体験ができるので、興味があるという方は試してみるとよいかもしれません。