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【音楽】「Walk It Back」R.E.M~柴又100K思い出の曲

まだまだ寒いながらも、少しずつ日差しが力強さを増してきました。この時期になると、春のウルトラマラソンのことが気になり出します。例年は今ぐらいの時期に参加募集を行っているからです。

でも今年はコロナの影響で、首都圏近郊で行われるウルトラマラソンの募集情報がほとんどありません。かといって開催中止や時期変更の告知が出ている訳でもなく、主催者の方たちも「どうしたものか」と決めかねているのかもしれません。

そんなことを考えていたら、以前に柴又100Kに出たときにテーマ曲のように頭の中で流れていた、R.E.Mの「Walk It Back」という曲が思い浮かんできました。

R.E.Mは、1990年代~2000年代初頭に数々のメガヒットアルバムを送り出したアメリカのバンドです。当時、「現代ロック界における最重要バンド」なんていう形容もされていたようです。「Walk It Back」は、解散前の最後のオリジナルアルバム『コラプス・イントゥ・ナウ (Collapse Into Now)』に収められています。「R.E.Mの最後の名曲」と評されているのをどこかで見たことがありますが、私もその通りだと思います。とても静かで、シンプルな曲です。

私はR.E.Mの作品全体のファンとは言えません。自分が気持ちよく聴ける範囲を超えて激しかったり、暗かったりする曲が少なからずあります。でも、彼らが歌ういくつかの曲はメロディが本当に美しく、穏やかな中にも力強さを感じて何度でも聴き返したくなります。「Walk It Back」もそんな曲のひとつです。

柴又100Kで、もう走り続けることができなくなり、歩きとジョグ程度の走りを交えてどうにか先に進んでいるという状態になったとき、この曲のメロディが何度も頭の中を駆け巡りました。心を奮い立たせるというのとはちよっと違うのですが、ここであきらめてしまわずに、歩いてでももう少し先まで進んでいこうという思いが静かに湧き起こってきたことを覚えています。

ウルトラマラソンは「メンタルが7割」とよく言われます。私はウルトラマラソンを数度しか走ったことがありませんが、何とかゴールできる(できないこともある)というレベルなので、毎回、心身ともに限界近いところまで追い込まれます。そうすると、ほかの参加者との競争といった意識は消え去り、折れそうな心や体の節々の痛みを抱えつつ「自分がどこまでできるのか」と向き合うことが全てとなります。自分が修行や苦行をしているという意識はありませんが、どことなく「禅」と似ているところがあるような気もしています。

そんな状態になっているとき、この「Walk It Back」はすっと沁みるように心に入ってきました。私は走るときに音楽プレイヤーをかけることがないので、自分の頭の中でサビの部分のメロディや断片的に知っている歌詞を響かせる程度ですが。

静かに自分と向き合うようなときに、この曲はとてもよく合います。多分これからも、ウルトラマラソンを走ったりするとき、たびたび頭に流れてくる曲だと思います。 

 


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Sampo(山帆)
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