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キノコにある「エルゴチオネイン」、脳内バリアを通過する抗酸化物質①
ゆくりん株式会社 代表の柏木です。
「ハナビラタケ」というキノコに関わって、約10年になります。
今回は、キノコには必ずある「エルゴチオネイン」について、解説します。
1)キノコは菌類
キノコって、野菜ではありません。カビと同じ菌類です。
生態系で言うと「分解者」です。
ピラミッドで言うと底辺にいる、彼らです。
「分解者」がいないと、実は地球は成り立ちません。
菌類がいないと、森林は葉っぱで山積みになり、樹木は光合成もできず、酸素を作ることもできません。
菌類は、葉っぱや生物の死がい・有機物を分解して、栄養度の高い土を作ったり、樹木の成長を促したりします。
なので、菌類であるキノコは、「生産者」や「消費者」他の生物とは明らかに違う機能を、持っていることになります。
そんな菌類であるキノコ。
ヒトが食べている部分は「子実体(しじつたい)」と呼ばれる部分で、たくさんの栄養が集まっている部分になります。
このたくさんの栄養の中に、「エルゴチオネイン」という菌類特有の栄養成分があります。天然のアミノ酸です。
2)特別な栄養成分「エルゴチオネイン」
①血管脳関門を突破する!そしてトランスポーターもある!
ヒトの脳は、「血液脳関門」という特別なバリアが張られていて、簡単に物質が侵入しない仕組みになっています。
が、「エルゴチオネイン」は突破できます。
しかも、「エルゴチオネイン」をヒトの細胞内に取り込む受け皿(エルゴチオネイン・トランスポーター)が、2005年に発見されました。
この受け皿は、「エルゴチオネイン」を積極的に体内へ取り込み、利用するため、備わっている仕組みと考えられています。
(ヒトだけでなく、動物にも備わっています)
②「エルゴチオネイン」は抗酸化作用が強い
生活すると溜まってしまう活性酸素。
活性酸素は、体内でDNAや血管を傷つけ、血管の老化を進行させます。
DNAの損傷は、遺伝子のコピーミスが起こり、がんや病気を引き起こすといわれています。
「エルゴチオネイン」は、活性酸素から体を守るという抗酸化作用が強く、DNAの損傷や細胞の酸化を防ぐ働きが期待されています。
抗酸化物質といわれる食材はたくさんありますが、脳内にまで入り込める成分を持つ食材は、ほとんどありません。
(参考)脳内バリアを通過する成分:テアニン(緑茶)、DHA(青魚)
③「エルゴチオネイン」は、アミロイドβも溜まりにくくする可能性あり
また、認知症の約6割を占めるアルツハイマー病。
その原因と言われるアミロイドβ(タンパク質のゴミ)も、血管の内側に溜まり、脳神経細胞へ血液を運びにくくし、神経細胞の死滅につながると言われています。
「エルゴチオネイン」は、血管内の酸化や、アミロイドβを溜まりにくくする有効な成分として、研究が進められています。
シンガポール国立大学での調査から。
「エルゴチオネイン」の血中濃度が低いと、
1.認知症と認知障害(MCI)は、発症リスクが高くなること
2.認知能力の低下が加速度的に進行していくこと
「エルゴチオネイン」と認知症との、相関関係がわかったようです。
3)キノコは食物繊維が豊富
また、キノコには食物繊維が豊富です。
キノコ100g中、食物繊維は約3~4gです。(ちなみに、約90gは水分)
食物繊維は、腸内細菌のエサとなるので、キノコを食べない理由は無いと言えます。
アミロイドβは、約20年かけて溜まりアルツハイマー病を発症すると言われています。
「エルゴチオネイン」は、市場で販売されているキノコには必ずありますので、味を楽しみながら毎日摂りたいですね。
摂る量は、毎日30gが目安です。
4)「ハナビラタケ」をおススメする理由
キノコが苦手なの!という方に、ハナビラタケをおススメします。
味のクセがないので、和食、中華、洋食とどんな料理にも合います。
食感で「ハナビラタケ」の存在はわかりますが、主張する味ではありません。
ぜひお試しください。
今回は、きのこにある「エルゴチオネイン」について解説しました。
また次回のnoteでお会いしましょう。