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人口降雨による気象制御

ここ最近の異常気象。
西日本では台風、北海道では地震、今年の日本は自然災害が多く発生している。
ドイツから関西の実家へも、家族みんなの無事を確認することが急に増えた。そして今回、残念ながら秋休みの帰省は見送ることにした。

現在、アメリカにも大型ハリケーンが接近している。
私は1999年、フロリダでハリケーン・フロイドを経験した。働いていたディズニーワールドが、1971年開園以来初めて休園したほどの大きなハリケーンであった。
各国から集まったキャストメンバーが暮らす寮でも、窓が割れないように木で補強したり、バスタブに水を溜めたりしたのを覚えている。

(写真:Disneyキャストメンバー寮 The Commons)


さて、「Cloud Seeding:人口降雨」という雨をご存知だろうか?
名前の通り、人工的に雨を降らせる気象制御である。
映画などで使用されるような、散水による雨ではなく、実際の雲をコントロールして雨を降らせることができるのだ。

発達した雲の上から、氷晶核となるドライアイスの小片や沃化銀(ようかぎん)の微粒子をまき、人工的に雨を降らすこと。
水不足時のダムの増水などに活用される。
また、ある特定の日を晴天にするために、前日までに雨雲を消しておくのにも利用され、そのような場合は人工消雨ともいう。(デジタル大辞泉より引用)

実はこの人工降雨、ちょうど雨季にあたる時期に行われた、北京オリンピックの開会式で雨が降らないようにと、前もって人口降雨により雨を降らせ、雨雲を消したともいわれている。(人口消雨)
砂漠が多い中東の国では、緑を増やすために雨を降らし、インドでは、干ばつ被害を緩和させるために雨を降らしているようだ。

しかし、各国が雨による恩恵を求め、各々に雨を人工的に降らせてもいいのだろうか。
世界のどこかで雨雲を操っている人がいるとしたら、その一方で雨が降らなくなってしまう場所が出てくるのではないかと懸念する。

人類が自然を制御

技術が進み、人口降雨を操作することが可能なことは不思議ではない。
しかしながら、将来的に各地で人口降雨を使用し続けることになったとき、別の地域で「自然災害」という名の「人工災害」が起きてしまわないだろうか。


明日は確実に雨が降るとわかっていては、てるてる坊主も意味をなさない。
予報する必要もないので、天気予報という言葉もなくなってしまうかもしれない。

子どもたちが、緑あふれる"自然"な自然の中で、安心して暮らしていける世界を保っていくためには、今こそ自然の摂理に基づき、自然に対しての感謝の気持ちを忘れないよう、私たちが心がけるべきではないかと思う。

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