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モロッコのラバトで奇跡の景色に出会える


ラバト駅に到着し、ついに配車サービスアプリを使う時が来た。以前、このアプリで危険な目に遭いかけた経験があったので、ずっと避けてきたのだが、今回は仕方がない。

恐る恐る手配すると、電話がかかってきた。運転手がどこかの言葉で早口で話してくる。全く理解できないため、テキストで送ってほしいと頼むが、話すのをやめてくれない。
やむなく一方的に通話を切ると、アプリに「ここまで来い」とテキストが表示された。最初からそうしてほしかった。

車までの道すがら、不安が頭をよぎる。誘拐されたらどうしよう、運転手が怖そうな人だったらどうしよう…。
薄汚れたグレーの車を覗き込むと、赤いくまちゃんの人形がぶら下がる車内に、少し禿げた優しそうな50代くらいの男性が座っていた。
少し安心して車に乗り込んだ後、なんで分からないんだと文句を言いたげな運転手に、「いやいや、言葉が分かんないんだもん。」と逆に文句を言おうと思うが、言葉が通じないのでお互い諦めた。

車が動き出すと、ラバトの街並みに心が躍る。カサブランカよりも歴史的な建物が多く、ローカル感があって、静かで美しい。「この街に来てよかった」と思わずにはいられない。

最初の目的地『Kasbah des Oudayas』に到着すると、目の前には青い海が広がっていた。深呼吸して目を閉じると、無事に配車アプリを使いこなせた達成感と解放感が押し寄せた。

モロッコで1番美しい景色だった


海を眺めていると若い女性が話しかけてきたが、何を言っているのか分からない。とりあえず「I speak English」と返すと、「Your アームラー!」と言われた。アームラーって安室奈美恵好きのことだよな…。何を伝えたかったのだろう。

手前の芝生にはお墓が並び、その向こうにはビーチと海。遠くには白い建物が広がる街並み、手前には古い城が見える。
美しい景色に胸の高鳴りを感じながらも、目を閉じて海の風を感じる。
「ここにずっといたい」と思った。カサブランカではなく、ラバトに滞在ラバトに滞在すればよかったな…。そんな風に感じてしまうくらい素晴らしいところだった。

手前の白いのはお墓。綺麗

後ろ髪をひかれながらも建物の中へ。
屋上に上がると、静寂が一転、子どもたちの賑やかな声が響き渡っていた。少し圧倒されるも、その無邪気なエネルギーが愛おしい。どこの国でも子どもたちは変わらない。この無邪気さが、遠く離れた国で心細さを感じる私に、ちょっとした安心感を与えてくれる。

騒ぐ子供たちをすり抜けて、奥に続く入り口を見つけた。

さりげなく入り口がある

そこをくぐると城の景色から一変、白い壁と白い建物の街が出てきた。白の建物と青空、おしゃれな窓や扉。「これこれこれ!」と思わず叫びたくなるモロッコの景色だった。

私のイメージするモロッコらしい景色
青い壁が所々にあってそれも可愛い

道端にはたくさんの猫がいて、写真を撮ろうとするとポーズを決める子までいる。癒される。

どの道を切りとってもかわいい

ラバトは目立たない首都で有名なので、正直期待していなかったが、今回のモロッコ旅で1番好きな場所になった。
モロッコに行く人には是非おすすめしたい、

ラバトの美しさに圧倒されながら次の目的地に向かった。

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