ゆこてくと幕府を開く時
私が小学校5年生のころ、学校で「将来の夢を発表する」というHRだったかがあった。先生が教室の前で課題を生徒に課した後で、一番前の席だった私に微笑みかけた。「ゆこさんは『天皇』と書くの禁止ね」ニッコリ
ちぃっ。読まれていた。学校教室の本棚の漫画を見て以来、私は天皇陛下に憧れていた。天皇は最強の存在だ。歴史のつわものたちが、みんな畏れ多くひれ伏しているのだ。同級生との遊びで王様役を誰かにぶんどられても、裏ワザとして天皇という最強の位があった。
体育館とかでも特等席が用意されていてバスケとか見れるんだろうな、てかバスケ大会に自分の名前が冠されるんだろうな、博物館にもタダで入れるんだろうな。偉い人に賞状を渡したり、パーティーとかやったり…。テレビでそういうニュースを見ているうちに私は決めたものだ。
天皇に、私はなる!
これが少年漫画だったら、努力、ライバル、友情の三要素とともに、ともに天皇を目指す仲間や天皇への階段を阻む強力なライバル、私が天皇になることを楽しみにしている病院に入院中の彼氏とかが出てくるんだろう。そして私は天皇になる為の修練を積み、テソノウと言われるような現実的にはあり得ない技を身に着け、天皇を決めるインターハイで優勝するのだ。ちなみに決勝戦当日には天皇陛下から直々に、実は陛下の隠し子だったことが明かされる。
しかし、現実は厳しかった。天皇になるために、私に足りないものは多すぎた。だから妥協して幕府で我慢しよう。ゆこてくと幕府を開くのだ。
首相が交代する今がチャンスだ。
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