Parsinip
またまた、食べ物の話。
日本では知られていないのに、イギリスではよく食べられている野菜に、パーシニップがあります。
人参くらいの大きさの根野菜。見た目がしなびた大根みたいだからでしょうか、あまり魅力的でない。(かなり私見。)
でも、味はとっても良いんですよ。基本はロースト。(イギリス料理は何でもオーブンでローストするんですが。。。)
加熱すると甘くて美味しくなります。
たまたま味付け用の粉末ミックスがあったので、チップス(フライドポテト)を作ってみました。
旦那さまは「スクールディナー(給食)でのトラウマがあるから。。。」と、ちょっと食べただけで、要らないって。
私はと言えば、美味し過ぎで、あっという間に食べてしまいました。500g分ですよ。食べ過ぎ。
(パクパクパクと食べてしまって、写真を撮るのを忘れた!)
旦那さまのトラウマ話は可愛らしいもので、「スクールディナー(給食)で『チップス(ざく切りされたフライドポテト)だぁ!』と、みんな喜んで食べたら、パーシニップで、『ウヘェ、騙された、まずいー!』ってなった。」んだそうです。
子供って、周りとおんなじに反応する所があるから、美味しくても「ここは周りと一緒になって、不味いということにしておこう」ってなったんじゃないかなぁ。
そしてイギリスでは「不味いもの=給食」というイメージのようです。現在は分かりませんが、少なくとも70年代とかはそうだったみたい。
これは旦那さまの家だけかもしれませんが、子供の頃、夕飯は親と一緒ではなく、サンドイッチとかビスケットとか、軽食だったそうです。というのも、「ディナー(火の通った温かい食事)」は一日一回でよく、スクールディナーを食べた日は、家ではサパー(軽食)を食べるだけでいい。と言う事になっていたかららしい。それでいうと、私は一日三食ディナーを食べていたことになるんですが。。。。
旦那さまの妹は「うちの親は共働きで忙しかったからね。」と、気にしてない様子。
家族で夕飯を一緒に食べない生活は、私には結構カルチャーショックでしたが、イギリス人がアジア人ほど食生活や食文化に優先順位を高く持ってない理由の一端がわかった気がしました。
子供と大人で食事を分ける習慣も、日本ではあまり見られないかなと思います。
ホームパーティーで、子供には「ピザとチップス」大人には「ちゃんと料理した物」みたいに分けて用意したり。ま、普段どんな食生活をしているのか覗けないのでなんとも言えませんが。
なんとなく、子供には適当な食事でOKと思っている風潮があると感じます。
産業革命以降、世界でもいち早く都市生活化や核家族化が進んだと思われるイギリス。
男女平等と機会均等の社会が実現するに伴って、家事を時間短縮することが求められていったんじゃないだろうか。
中でも料理は時間がかかる作業なので、どんどん簡単に簡単に、と移行していったのかもしれません。
日本のニ世代分くらい先を行くイギリス社会を見ながら思うのは、羨ましい部分が多い反面、取り残し忘れられた文化もあるなぁという事です。
時間は有限で、それをどこに使うのが良いのか考えさせられます。食育も含め育児全般は、時間がかかることばかりです。「子供と一緒に料理する時間が持てるかどうか」など、毎日の食事を用意するよりも難易度が高く、実行できてない家庭も多いんじゃないかなぁと思います。でも、そういった体験が、子供の食に関する好奇心を育てるように思います。
しかし、なかなか、難しいですね。
パーシニップのロースト。ローストディナーの付け合せに、人参やキャベツと一緒に出てきます。「美味しいね」と言いながら食べる時間が失われないといいなぁと思います。