【経営を学び直し】VRIO分析で不動産大家業の今後を考える♯110
子連れMBAというラーニングコミュニティで活動をしており、会員向けのビジネススクール動画(やさしいビジネススクール)のキュレーションを仲間とやっています。
毎月、経営学者でありYoutuberでもある中川功一先生が学長をされているやさしいビジネススクールより、動画を選定。コミュニティメンバー向けに課題を出して学び合いの場をつくっています。
今月の課題は、VRIO分析で内部資源分析をする課題。
企業のもつ内部資源を
Value:価値があるか
Rareness:希少か
Imitability:模倣可能性が低いか
Organized:組織で活用できているか
の4つの評価軸で分析します。
詳細は、やさしいビジネススクールの記事を参照。
中川先生曰く、VRIO分析は使いにくいとのことで、
Value(重要度)×Rareness&Imitability(優位性)
の2軸でまずは分析する方法を提案されています。
これに基づいて、自分のケースに置き換えて、使ってみようと思います。
私自身、パラレルワーカーとして、不動産賃貸業×高校教員×キャリア支援×2児の母という4足の草鞋を履いています。
不動産賃貸業に関しては、両親が営む会社なので、いずれ事業を引き継ぐことを見越しながら、去年から手伝っています。
今回はこの不動産賃貸業をケースを題材にVRIO分析していきます。
不動産賃貸業、平たく言えば大家業。
京都市内/東海地方でマンション、アパートの運用、管理をしています。
それぞれ、特徴が異なるので、
今回は 重要度(高)×優位性(低)
=価値はあるが、希少性が無く、模倣されやすい物件
について、考察を深めていきたいと思います。
この象限に入ってくるのが、京都市内で運用している物件。
京都市内においては、投資やインバウンド需要で地価が上がり、不動産の取
得コストが上がっているため、不動産の希少性は高い。
京都市の調査によると、京都市内に現存する町家の数は47,000軒強。
また京都の都心部では、5年間で577軒の町家が除去されているというデータがあります。だから例えば、繁華街四条にある京町家の物件なんかは、重要度も優位性も高いと言える一方で、京都の都心部から少し離れた、西陣エリアの物件は事業の本拠地であるにもかかわらず、我が家の物件の多くが昭和後期~平成初期に建てられた、新しくもなく、かといって京町家とも言えない物件であるがゆえに、扱いが難しく、入居者探しが困難です。
築年数30年以上の物件がほとんどなので、定期的に修繕はしていますが、例えば、水回りの3点ユニットをセパレートにしたり、無料で使えるwifiを設置したりと-がゼロになるだけ。そんなの、どこの物件もやってるよ程度の修繕なので、付加価値がつかない。
入居者募集も、ホームズやスーモなど、ごく一般的な仲介サイトがメインなので、レッドオーシャンに飲み込まれ、賃料を下げても、入居者が入らないことが現状です。
まちづくり専門家、木下斉さんのVoicyを聴いていますが、
不動産業も新しい時代のニーズを取り込まなければいけないとヒシヒシと感じています。
②対応策(Organized):
(西陣の特徴)
伝統産業のまち、クリエイターに好まれるまち、学生からお年寄りまで多世代が住むまち、お寺や古い町家が残るまち、何世代も前から住み続ける人から移住してきた人まで様々な人が住むまち。
そしてエリアとしてまちづくり系の取組みも盛ん。(地主さん、地元の不動産会社、信金、大学教授、京都市など、さまざまなセクターがかかわりあっている)
(西陣エリアの自社物件の特徴)
もともと西陣の商店街でお米屋を営んでいたり、西陣織のネクタイ工場をしていたり、歴史、ストーリーが辿れる。
(自分の資源)
・西陣で生まれ育ったので、地縁がある。(西陣に古くから住む人に、よそ者とは見られない たぶん)
・一方で、18歳から20年間、西陣以外の街(東京、神戸、広島、ロンドン)で暮らしたから、外からの視点もある。
・パラレルワーカーとしての活動とそこからのネットワーク
【高校教員】勤務先の高校が西陣エリアの隣接エリア。京都市外の教育
関係者、まちづくり関係者との繋がりができつつある。
【子連れMBA】ラーニングコミュニティ内で、主に子育て世代のビジネス
に役立つ知識のキュレーション、また複業立ち上げの取組
みに関わっている。
オンラインコミュニティだからメンバーは、全国津々浦々
だけど、そこでの繋がりや、企画に携わる経験は、
活かせる?!
【子育て】子育てって、自分のネットワークを一気に広げ、守備範囲も拡
張できる大きな機会。ママ友、パパ友も関係を掘り下げていく
と、おもしろい背景を持つ人も多い。
(何をするか?)
福岡の不動産会社さん、吉原住宅さんのようなビルオーナーになれたら、と憧れが漠然とあるものの、何をしたらわからん状況。
代表の吉原勝己さん著の新版 エンジョイ、レトロビル! 未来のビンテージビルを創るを読みましたが、実験的に色々な試みをされた結果、今の吉原住宅の魅力的な物件があることがよくわかりました。
だから、まず西陣に入り込んでみる。
西陣のまちづくりに関するコミュニティに入ってまちづくりのキーパーソンになる人たちと会ってみる。パートナー探しをしてみる。
自分が学校で、オンラインでやってるようなコトを、自社マンションの空き部屋を借りてやってみるetc
今、エフェクチュエーション理論を勉強していることもあり、無戦略かもしれませんが、まずは、あまり大きなことは考えず、
そして今はまだ何もないからこそ、自分ができること、こんなんやったら面白いかもと思うことをやってみようかな、と思います。
ハード面で修繕を繰り返したところで、すぐに競合に模倣されてしまいます。そしてフツーのマンション、アパートでは、新しく、きれいで、設備も整う新築・築浅物件には勝てません。かといって新築に建て替えたところで、年数が経過すれば同じ。
だからこそ、「時間の経過」を味方にするにはといった観点で、
物件の歴史・ストーリー、西陣に生まれ育った自分自身の生い立ちを活かした、ソフト面での付加価値の創る。そして投資目的のオーナーには模倣できない付加価値を創れるよう、取り組んでいきたいと思います。