労基案件
離婚が決まった日からアパート探しと仕事探しを必死にし、一ヶ月後に引っ越しました。
新しい仕事は、結婚する前まで15年間程やっていたパン製造。
グッドなタイミングで東京の有名店が岐阜にフランチャイズ1号店を出すという事でオープニングスタッフを募集していました。
ド田舎なのでパン製造の経験があるバイト・パートの応募が皆無だったらしく、無事に採用されました。
フランチャイズ運営会社は地元の建設会社で、大手ファストフード店は何店舗も運営していましたが、パン屋の運営は初めてと聞きました。
社長も、店舗を任されていた社長の息子も、パンのことを全くわかっておらず、勉強もせず、口出しだけは上からで、製造チーフが本当に何度もキレていたのを覚えています。
日本人は本当にパンが好きですよね。新しいパン屋がオープンするとなるとしばらくは行列必至です。特別美味しくなくても、SNS等で「やっと買えた!」「美味しかった!」「並んだ甲斐があった!」なんていう投稿を見たら行きたくなります。しばらくは安泰です。
私は自分のやりたいことがあったのでアルバイトという雇用形態を選びましたが、非正規雇用者を守るために、法律も少しずつ改定されていて、基準を満たせば社会保険や雇用保険に入れる義務が会社側にあります。
働き始めて1ヶ月半位たった頃に、そこらへんのことを社長の息子に聞きました。
社会保険のことは濁されました。
不信感が芽生えました。
でも、私が働く時間数は社会保険に入れるかどうか微妙なところだったので、そこは一旦置いておくことにしました。
雇用保険は絶対に入れる時間数だったので、社長の息子は「もちろん入れます」と言いました。
が、翌月の給料からは何も引かれていませんでした。
製造チーフも他の社員もスタッフも言っていましたが、息子は自分の言ったことを覚えていないし人の言ったことも忘れます。それで皆困っていました。
なので、もう一度言ってもまた忘れられるか聞いてないふりでもされるだろうと思い、ハローワークに届け出ました。
そんなこんなでオープンして2ヶ月で、怒涛の忙しさが終わりました。
土日はそれなりに混みますが、平日は7時にオープンして8時9時までお客さんゼロという日も多々ありました。
車でしか来れないようなこんなド田舎に作ったんだから当然といえば当然です。
そして社長や息子からはなんの相談もなく、怒涛のシフトカットが始まりました。
旦那さんがいて、ちょっとお小遣い稼ぎのために働いているパートさんはまだいいのですが、私のように生活がかかっているフリーターにはとんでもないダメージです。
そういう事情は一切考慮してくれず、私ももれなくカットされました。それまでは、私の技術をものすごく買ってくれていて、調子の良いことを言われていたんですが。
もう、こんなシフトが続いたら本気で生きていけないと思い、製造チーフに、このままでは続けられない、生きていけないので辞めたいと言いました。
その数日後、息子から面談すると言われました。2月初めのことです。
その日、面談場所に行ったら、何故か社長がいました。バイト一人辞めるだけで、社長面談です。脅しだと思いました。辞めると言っているスタッフ数名に聞いたんですが、誰一人社長とは面談していないと言っていました。私より立場が上の準社員でさえも。
私がハローワークに訴えたので、こいつは息子一人では手に負えないと思ったんでしょう。
案の定、社長からはハローワークの件を言われました。
息子は確かに雇用保険に入れると言ったし、製造チーフも聞いたと言っていましたが、社長は「誰もそのような話は聞いていない」息子は「僕がそんなこと言いましたか」ととぼける。
雇用契約書には、実働8時間月18日勤務と確かに書いてあります。
言った言ってないの問題ではなく、会社側には雇用保険に加入させる義務があります。
そして、社長からは
「○○さん(私の名)もはっきりしたほうがいいよね、今後雇用保険に入れない位のシフトで続けるか、それとも他のところを探すか、どうしますか」
は?
です。そもそも契約書に書いてあることと違いますけど。それに、辞めるって言ってるんですけど。
ですが、超小心者の私は社長の前でそんな態度を取れるはずもなく。
こんな酷い社長と息子が経営する会社に長くいても良いことはないと思ったので、「それでしたら生活できないので今月いっぱいで辞めます」と言いました。その月は月末までかろうじてシフトが入っていたので。もちろん責任感もありました。
社長はホッとしたようでした。
その後は取ってつけたような思ってもいない優しい言葉を発していたようですがあまり覚えていません。
そして、最低な面談の後のこと。
多分10分後くらいかな、、
いつもシフトを出すアプリから通知が来ていました。
開いてみたら、
月末まで入っていたシフトが、
ほぼすべて消えていました。
あり得ない。
私はあるオンラインサロンに入っていて、そのメンバーとtwitterの鍵垢で繋がっていたので、事情を説明して、こういう時どうしたらいいですか、とつぶやきました。
何人もの人から、労基(労働基準監督署)に相談した方がいい、と言われました。
労基なんて行ったことないし怖い。けど、自分を守るためにも行くしかありません。
職探しも早急にしないと、翌月の家賃も光熱費も払えません。
というわけで、勇気を振り絞って労基に相談に行くことにしました。
続く