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初めてお金と真剣に向き合う②

セバスチャンの会社は、日本人の私からしたら規格外の自由さだった。 
その自由さのせいなのか、同僚達のクセは少し強めだが、皆優しい。
心配だった腰や体への負担も少なく、帰宅してからもまだ体力が残っていて、前職のようなストレスも感じ無い。

もっと働けそうな気がする。

週2日のバイトから週4日勤務に増やし、雇用契約を正社員(midi-job)へ変更した。

やることをきちんとやっていれば、ヘッドフォンをしながら仕事をしてもいいらしいので、YouTubeのプレミアム会員になり、興味のある事柄を片っ端から毎日7時間流し続けた。
全身タトゥーの入った同僚が好きな、永遠と社内に流れる爆音のラウドロックから解放され、仕事にも集中できるようになった。



最初は何と言っても去年の車の事故による、我が家の財政破綻を建て直す為、"貯金"について学んでいった。

お金に関するたくさんのチャンネルを聞き漁っていくと、ユーチューバーの方達が、皆同じ事を言っていることに気が付く。

・何にどれだけお金を使っているか知る為に、家計簿をつけることが貯金への第一歩
・節約するには自炊がマスト
・使っていない物を断捨離し、ミニマニストになる
・物を買わない/増やさない
・副業をする
・投資をする


すぐさま人生初の家計簿をつけ始めた。


🛒 食品 (Einkaufen)
👩 自分用 (Yuko)
🎁 家族、日用品、プレゼント、日本食スーパーなど不定期な出費 (Besondere Sachen)
✈️ 旅費 (Reisen)

上記のように少ない項目にしたのは、1年間のざっくりとした出費の流れが知りたかったからだ。

これから老後に向かい、子供の成長具合による家族と過ごす時間の変化や、体力の衰えなどを考えると、どのくらいの年代にどのくらい働き、毎月どのくらい稼げばいいのかを、最低でも1年間、家計簿をつけていくことで見えてくる気がした。

私は働くことが好きだし、少し緊張感のある規則正しい生活は、長生きの秘訣と考えているので、出来れば定年を過ぎたとしても元気にずっと働きたい。

しかし実際のところ、悲しいことに41歳でも月の半分以上は、体に何らかの不調があるで、これから老いによる体の変化が、今と比べてどのようなものなのか、想像出来ない。

だからもし、50代で本当に体がしんどいなと思った時に、働く時間を減らせる環境を今のうちから作っていかなければならないと思った。

それなら、まだまだ元気なほうだと言われる40代のうちは、動けるうちに動いて、仕事も子育ても少し無理をしておいたほうが後悔しないのかもしれない。
来年、日本に一時帰国する際に、年上の先輩方からこの事について、ゆっくりアドバイスを聞き、また色々考えていきたい。


そして次に、ドイツで投資をするには何をどうしたらいいのか分からなかったので、夫に相談してみた。

そして夫の新たな一面を知ることになる。

夫は20代の時からゲーム感覚で個別株の投資をして、勝ったり負けたりを楽しんでいるとのこと。
そして今なお、ある目標の為に貯金目的で投資をしているそうだ。

20年後に夫婦二人合わせて年金がいくらもらえるかを改めて計算し、私達が投資をする目的を "老後への安心"  と結論づけ、長期・積立を目的とするインデックスに、夫婦それぞれ違う銘柄に投資していくことにした。


お金に向き合ったことで、夫婦にとって久しぶりに明るい前向きな話題となり、会話が増えた。
そして、話し合っていくうちに、これからの家族の目指す方向性が決まっていくことになる。


ちなみに、夫のある目的とは、
来年発売予定のテスラーモデルYを4年後に中古で買うことだそうだ。

なけなしの貯金で買い、まだガレージさえ建っておらず、野ざらしにされている、年季の入ったこの2台に代わり、テスラーとポルシェが並ぶ日を、私達は夢見ている。



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